ワーカーズ548号   2015/11/15     案内へ戻る

安倍政権 二匹のドジョウはいない!──通用しない二つの顔の使い分け──

 戦争法案を強引に成立させた安倍首相。安倍改造内閣は経済を前面に押し出し、アベノミクス〝第二ステージ〟だというキャッチフレーズは〝一億総活躍社会〟だという。そのための「新三本の矢」として、GDP600兆円、希望出生率1・8、介護離職ゼロという目標を掲げている。

 が、こんなものは有権者を瞞すニンジンに過ぎない。そもそも第一ステージでの「三本の矢」はどうなったか。異次元の金融緩和こそ、円安を誘導することで株価や企業利益を押し上げた。ただしそれは市場に巨額のマネーをばらまくという、波乱のタネをまき散らすものでもある。


 それ以外は、財政のバラマキにしても成長戦略にしても、円安や法人減税などで実を得たのは大企業だけだった。勤労者はといえば、実質賃金は上がらず、不安定低処遇の非正規社員は四割台に増え、一段と疲弊させられている。それらに頬被りのままでの第二ステージ、打ち上げたキャッチフレーズの中身はどこにもない。

 2年前の第二次政権発足時には、「アベノミクス」を打ち上げて長期にわたる停滞からの脱却に期待した有権者の漠とした支持を得てスタートした。が、実際にやったのは集団的自衛権の行使容認であり、それを法制化したあの戦争法の強引な採択だった。

 その安倍政権。新内閣の旗印で再び経済を前面に出したわけだ。内閣支持率を下支えしているのは、「他の内閣より良さそうだから」という,いわば消極的支持者。その支持層を当て込んだ毛針まがいの「経済優先」政治だが、狙いは来年7月の参院選で勝つことだ。そこで参院三分の二の勢力を確保して憲法改定の国民投票を発議する、それが安倍首相の狙いなのだ。現に、国会の閉会中審査では、日本版〝戒厳令〟の必要性にあらためて言及している。

 一匹目のドジョウには民主党の自壊で食いつくしかなかった有権者だが、2匹目にも食いつくと皮算用をはじくしかなかったのだろう。

 安倍内閣に支持率は下げ止まったといわれるが、増えたのは消極的支持で、逆に積極的非支持層が増えている。戦争法、辺野古基地、脱原発では、各地で反対行動も継続的に取り組まれている。経済と軍事を都合良く使い分ける安倍首相だが、その二匹目のドジョウへの思惑は、さらに安倍政権を追い詰めることで打ち砕く以外にない。(廣)


「エイジの沖縄通信」(NO.19)
  ①辺野古に警視庁機動隊を投入!
  ②世界の恥/「虹の戦士号」入港を拒否!


①辺野古に警視庁機動隊!

 4日朝、現地辺野古に警視庁機動隊がはじめて投入された。沖縄県警以外の機動隊が投入されたのは初めてである。

 朝6時のゲート前座り込み抗議者たちも、前日から東京の警視庁機動隊が投入されると言うことでかなり緊張した雰囲気だ。

 空が少し明るくなった6時20分頃、警視庁機動隊100名が大型車両(品川や練馬ナンバーなど)5台で到着。さっそく車両から降りた機動隊は沖縄県警機動隊と合わせて約200人。工事車両を通すためのゲート前でのごぼう抜き(強制排除)が始まった。

 ごぼう抜きされた市民は、歩道上を鉄柵などで囲った場所に一時拘束された。こうした違法な拘束が常態化しているのが、辺野古ゲート前だ。

 それでもめげずに座り込み抗議者みんなで、再度のゲート前座り込み行動、また強制排除が始まると後ろに下がり、車道中央で抗議行動を展開、また機動隊の隙を見てゲート前で座り込みと、まさに3時間のゲリラ戦を展開!

 その中で当然の逮捕騒ぎ。さらに逮捕抗議行動の最中に機動隊に倒された1人(小型カメラで撮影していた人)が道路で頭を打ち、意識不明で救急車で搬送される騒ぎも起きる。

 警察は機動隊員を蹴ったとして公務執行妨害の逮捕と説明しているがまったくのウソ! 地元新聞も「本紙や市民の撮影した動画では、逮捕された男性が市民と機動隊の間に立ち機動隊に背を向けた際、後ろから機動隊員の手が男性の腰に伸びた後、男性が歩道の縁石からバランスを崩してつんのめる様子が映っている」「男性と接見した三宅弁護士も、映像を見て、原因を誰がつくったのかはとても大事だ。警察は意図的に挑発し、混乱をつくり出そうとしている」(琉球新報/11月5日付)

 まさに、ゲート前テント村の中心人物を狙った不当逮捕と言える。

 こうした警視庁機動隊の派遣に対して「沖縄県警の人員不足なら、沖縄に近い九州からの応援が普通だ」と疑問の声が多い。

 政府が全面的に先頭に立ち、沖縄の反対運動を潰そうとする意図だ。

②まさに世界の恥・・・グリーンピース「虹の戦士号」の入港を拒否!

 11月1日、グリーンピースの「虹の戦士号」が辺野古支援のために那覇新港に入港した。虹の戦士号は5日夜に那覇新港を出港し、6日朝に辺野古沖に到着し、沖合での抗議行動と併せ、辺野古カヌー隊などとの交流を予定していた。

 ところが、国の沖縄総合事務所は大浦湾への入港申請に対して「工事区域への侵入や工事の妨害が起こらないとは言い切れない。安全確保ができないという観点から申請を却下する」と回答。

 グリーンピースはさっそく日本政府の対応を強く批判。

 那覇に着いてからの長期の上陸禁止措置。そして辺野古沖への回航禁止の回答。グリーンピースに対する日本政府の仕打ちは、世界中の物笑いとなったに違いない。
 最後に、グリーンピースの抗議内容を以下に紹介する。(富田英司)

 「こんにちは、グリーンピース・ジャパン、海洋生態系担当の小松原です。みなさんにささえられて、虹の戦士号は11月1日に沖縄・那覇港に入港しました。
 しかし昨日4日、内閣府は虹の戦士号の辺野古・大浦湾海域での航行申請を却下。1週間にも及ぶ手続きと海上保安庁との入念な打ち合わせにもかかわらず、却下の明確な理由さえ明らかにされませんでした。

 虹の戦士号は、世界で起きている最も深刻な環境破壊の現場で、そこで起きていることを世界中に発信することを使命とした船です。もし辺野古・大浦湾での工事が本当に『正当』で、『環境への影響がない』というのであれば、なぜ虹の戦士号の航行を却下する必要があるのでしょう?

 大浦湾の『命の海』を守りたい。それは、18カ国から沖縄までやってきた19人のクルー全員、共通の願いです。虹の戦士号船長、マイク・フィンケンからのみなさんへのメッセージをお伝えします。

 『3歳になったばかりの息子のために、わたしは辺野古のジュゴンを守りたい。もちろん、息子はわたしが航海に出ることをいやがる。だが彼こそが、世界の美しさと尊厳を守るために、わたしがここにいる理由だ。

 インドネシアの森林を燃やし、グリーンランドの氷河を溶かし、わたしたちの小さな惑星は危機に瀕している。それなのに、人間は武装という手段で互いを脅かしあっている。

 飢餓や教育不足に苦しむ人々がいるのに、なぜ戦争に投資するのだろう。平和こそが最大な防御だ。武力は不変の平和をもたらしたりはしない。 恐怖心から、人間は母なる地球を支配しようとしている。

 沖縄のジュゴンに残されたわずかな生息地を奪い、生物多様性を壊そうとしている。

 命を祝福し支えあうべきなのに、なぜわたしたちは武装しなくてはならないのだろう。

 ジュゴンのために。 それが虹の戦士号の使命だ。虹の戦士号船長・マイク・フィンケン』(国際環境NGOグリーンピース・マガジン11/5より)

<追伸>
 9日夕方突然、国の沖縄総合事務所はグリーンピース「虹の戦士号」の名護漁港沖への停泊申請を許可した。

 「虹の戦士号」は、10日午前10時に台湾に向けて出港予定だった。「虹の戦士号」は急遽予定を変更して、10日午前9時ごろ名護湾の名護漁港沖に寄港した。

 グリーンピースは「台湾に向けた出港前夜に許可を出すのは、あまりにも姑息な手段だ」と強く批判。

 この日本政府のさらなる非常識な仕打ちは、まさに恥の上塗りである。案内へ戻る


安倍政治は〈やはり〉許せない

 またまたとんでもない行動だ。安倍晋三首相は10月18日、米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)に配備された原子力空母ロナルド・レーガンに乗艦した。政府関係者によると、現職首相が米空母に乗艦するのは初めて。安全保障関連法の成立を踏まえた日米同盟の強化をアピールするのが狙いだとか。

 首相は神奈川県沖の相模湾で行われた海上自衛隊の観艦式に出席後、海自ヘリで移動した。R・レーガン配備に関し、観艦式の訓示で「東日本大震災の時、被災地に駆けつけてくれた『トモダチ』だ。心から歓迎する」と述べた。(「ロイター」より↑)

 安倍首相の暴走はとどまるところを知らないようだ。いままでも自衛隊の戦車に搭乗したり戦闘機に乗ったり・・。今度は米海軍の原子力空母に閣僚も引き連れて乗艦したというのだ。

 経済不況は徐々に拡大してきており、労働者の実質賃金も三年間ほぼ下がりっぱなしだ。財政赤字は断トツ世界一であり、「財政再建」など忘れてしまったかである。

 被災地は四年半たっても仮設住宅が並び住民は苦難の日々を送っているのに、支援策は次々打ち切られているし、ゼネコンの大土木工事だけがよそよそしく進んでいる。

去年打ち出された地方創生や女性活躍どうなっているのか。TPP大筋妥結で農民対策は?このままでは地方の衰退が加速するだろうに。保育所の待機児童問題や福祉施設の運営苦や従業員の待遇改善はどうなっているのか?そのうえ消費税をまた上げるという。

そんななかで日本の軍事拡大、日米同盟強化や中東派遣準備だけは着々と進められている。

あらためて「安倍政治を許さない」決意を新たにするというものだ。(文)


 「思いやり予算」とともに米軍基地負担金の全廃を

 財務省は10月26日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会で、在日米軍駐留経費の日本側負担となる「思いやり予算」の減額を提案したという。

 安全保障法制の成立で日本の役割拡大が見込まれる中、基地内の娯楽施設従業員に関する人件費負担の廃止などを通じて歳出改革につなげたい考え。・・・・思いやり予算の根拠となる特別協定は、来年3月に改定期限を迎える。日米両政府は今夏から見直し交渉を開始したが、これまでの交渉では、日本側が減額を要求する一方、米側はアジア太平洋地域に戦力を集中させているとして増額を求めており、「着地点はまだ見えない」(政府関係者/以上ロイターより)という。

 そもそも遅きに失したものです。しかも、そのないようがあまりにも「手ぬるい」ものなのです。

「政府関係者によると、日本側は今夏からの特別協定の改定交渉で、映画館などの基地内娯楽施設の従業員人件費の負担廃止や、日本側が約7割負担の光熱水費(15年度249億円)の引き下げなどを求めている。米側は国防費削減やアジア重視のリバランス(再均衡)政策を理由に数十%増を主張し、平行線が続いている。」(読売)とあるようにわずか二百五十億円程度の減額要請なのです。

「毎日」もこのながれのなかで「合理的負担」を主張し始めていますが、いかにも折衷的なものです。毎日社説:「思いやり予算 合理的な負担に直す時」では以下のように指摘しています。

「駐留経費は、日米地位協定24条のもと、日本が基地の提供に関する経費を、米国が基地の維持や作戦に関する経費を負担するのが原則だ。

 ところが、1978年に当時の金丸信防衛庁長官が「思いやりというものがあってもいい」と言い、基地従業員の労務費の一部62億円を負担した。思いやり予算の始まりだ。・・・・ 基地用地の借料など日本の負担が義務づけられている分の1826億円をあわせると、駐留経費の日本側負担は今年度3725億円に上る。

 日本の負担割合は、同じように駐留米軍の経費を負担している他国と比べても高い。

 米国防総省の2004年の統計では、02年時点でドイツ32・6%、韓国40%に対し、日本は74・5%だ。

 金額で見ると、ドイツ、韓国などは米軍1人あたりの支援額が約2万ドルなのに対し、日本は約10万ドルだ。

 特に光熱水料まで出す国は、日本以外にはほとんどないと言われる。」(毎日)

 はたして「ドイツ・韓国並み」なら「合理的負担」なのでしょうか。しかも、「毎日」の指摘している「駐留経費の日本側負担は今年度3725億円」というのもほんとうの実態を過小評価したものなのです。

 *   *  *  *  *

別な資料を見てみましょう。 

「《思いやり予算》以外にも、日本が拠出している在日米軍関連経費は存在すのです。防衛省公式サイトの「在日米軍関係経費(平成26年度予算)」によれば、平成26年度の在日米軍関連経費の内訳は、いわゆる「思いやり予算」は1848億円であるが、それとは別に、基地周辺対策費・施設の借料など 18〇8億円沖縄に関する特別行動委員会(SACO)関係費 120億円米軍再編関係費 890億円提供普通財産上試算(土地の賃料) 1660億円(防衛省の予算外、25年度資産)基地交付金 384億円(防衛省の予算外、25年度予算)が存在する」Wikipediaより。

 これらの総額を計算してみましょう。それはなんと「6670億円」に達します。これに例の「思いやり予算」=1848億円(26年度)を加えた真の総額(26年度)は8518億円となります。なんという国家予算の無駄遣いでしょうか。繰り返せば「思いやり予算」は日本側負担総額全体の三分の一以下。毎日新聞の指摘の額も総額の半分にしか過ぎないのです。

 「思いやり予算」のような当事者国の財政主出は、現在の世界では在日米軍のみであり過去の遺物なのです。さかのぼれば1932年締結の日満議定書に思いやり予算と似た趣旨の項目があるとか、あるいは連合国軍(アメリカ軍やソビエト連邦軍)が第二次世界大戦後も駐留していた、旧西ドイツと東ドイツ、イタリアにおいても、同様に在独米軍、在独ソ連軍、在伊米軍に対する「思いやり予算」が存在していたという事例があるのみです。そのいみでは当然ただちに全廃すべきなのです。

 いやそもそも世界中で軍事緊張を高める(つい最近でも米海軍は南シナ海で中国軍との軍事対峙を強めています)米国軍隊を日本に駐留させるべきではありません。

超大国の一方に肩入れするのは無謀な政治判断であり危険すぎます。

 経済協力と外交政治努力で平和は構築されるものです。平和のためにやれる政治努力はまだまだあるのです。軍事力による平和の実現など幻想なのです。そのことを証明したのが米国の中東軍事介入です。米国が主導した湾岸戦争やイラク戦争は、その後十年・二十年たってどのような結果をもたらしたでしょうか?

 それは現在の中東の大混乱と内戦、殺戮、そした大規模な難民流失をもたらしたではありませんか。他国の人々を軍事力で屈伏させることなどできないのです。民族自決・他国不干渉の原則に戻るべきでしょう。

 ですから「日本を守る米軍基地」「米軍基地は地域の平和と安定を守る・・」とは幻想も甚だしいのです。米国の「リバランス戦略」や軍事基地の世界展開は、米国の政治家と軍需産業による野望にしかすぎません。彼らに打撃をあたえるためにも、「思いやり予算」は言うまでもなく、すべての米軍基地負担金を廃止すべきなのです。日本国民が経済負担し米軍基地を存続させるべき根拠はありません。(文)案内へ戻る


 コラムの窓・・・最近の統計資料から、企業=資本は利潤を増大し、労働者は貧困化へ!

 今年3月までの1年間で、企業が得た利益を社内にためた「内部留保」が、前の年に比べて26兆円増え、過去最高の354兆円に膨らんだと、財務省が調査結果を発表。

 一方、厚生労働省が11月4日発表した2014年の「就業形態の多様化に関する総合実態調査」で、パートや派遣などの非正社員が労働者にしめる割合が初めて4割に達し、人件費を抑えたい企業が正社員を減らし、非正社員で労働力を補っている実態が浮き彫りに。

 総務省の調査によると、非正規の男性の78%は就労収入が年間300万円に届かず、実態は望まない非正規の拡大!300万人以上が非正規以外の選択肢無し!子供の貧困も「6人に1人」。

企業側の「賃金節約」分と『企業の税引後利益から、配当や役員賞与などの形で社外流出する分を除いた額、会計上の勘定科目で言うと、主に利益剰余金や資本準備金という「純資産の部」に計上されている項目=内部留保』の増加は、比例的に連動している。

企業が利益を上げるには、等価交換が行われていることになっている商品市場からではなく、商品価値の一部分である、労働者への賃金分を減らし、そうすることによって利益を得ている実態を理解すれば、低賃金化・増加する非正社員化や社員間の競走と差別、無くならない残業や長時間労働等々・・の原因や解決策も見えてくるのだが!。

 実際にはそんなに簡単なことではないことは、労働者の団結・労働組合への組織実態でみれば、厚生労働省の「平成26年労働組合基礎調査の結果」(2014年6月30日現在)によれば、労働組合員数は984万9千人、推定組織率は17・5%と、前年比較で、それぞれ2万6千人の減少、0・2ポイントの低下となって、労働組合員数の減少傾向に歯止めがかかっていない状態で、労働者が分断され組織的な弱体傾向にある実態からも明らかである。

労働組合の組織率の低下は労働者の分断化(非と正規社員間の差別と競走など)も大きな原因ではあるが、企業=資本の利潤確保のために労働者の団結を弱め力を削ぐという労務政策に対抗できていない労働者側の闘う姿勢の弱さにもその主原因があるとも言える。

安倍政権は企業が儲けに応じて納める法人税について、税負担を減らすことで、企業に設備投資や雇用、賃金を増やすよう促すねらいで、2016年度の国と地方分を合わせた実効税率を30・88%とする方向で最終調整に入り、今年度の32・11%より1・23%幅引き下げ、17年度には税率を20%台とする方針を打ち出している。

 消費税の増税の一方で法人税の減税。

 企業=資本の活性化と社会保障や賃上げをも理由にしたこうした政策は今までの政策結果を見れば、全て企業=資本の為になされてきたもので、今日では、そのおこぼれが多少なりあった時代から、益々遠ざかっている。

企業=資本あっての労働者では“飼い殺し”であり、その地位や生活にゆとりも安定もえられないことを自覚し、企業=資本に依存するのではなく、自立した労働者社会の実現に向け、孤立を恐れず団結を求め共に前進しよう。(光)


 もんじゅを廃炉に!2015

 11月8、NHKの時論公論が「延命は必要か 高速増殖炉もんじゅ」を取り上げました。内容は次のようなものでした。

「高速増殖炉『もんじゅ』について、規制委は原子力機構に運営させておくのは不適切だとして別の運営主体を明示するよう文部科学大臣に勧告する方針。原子力機構は『失格』の烙印を押された形。

もんじゅでは先月も、安全上重要な機器が一度も点検されていなかったことが明らかになるなど規定違反はすでに9回目。

なぜこうもずさんな対応が繰り返されるのか。このまま延命させる必要があるのか。今夜の時論公論はもんじゅが抱える課題について水野倫之解説委員」

 今や〝アベ放送局〟といわれるNHKがどのように報じるのかと思っていたら、水野氏は「今こそ、政府はこのまま延命させる必要があるのかサイクル政策の中での位置付けについて議論し、エネルギー利用ができないのであれば廃炉にしていかなければならない」と言ったのです。驚きましたが、何の成果もないなかでこれまで1兆円を超える税金が投入され、毎日5000万円の維持費が消えているのだから、普通に考えればとっくに廃炉になっていなければならないものでした。

 朝日新聞などは、「もんじゅ 廃炉にするほかない」(11月5日社説)と断定的に書いており、11日から始まった行革公開検証につても「もんじゅが焦点だ」(10日社説)と主張しています。政府系3紙を見ると、読売は「もんじゅ勧告へ 核燃料サイクル継続へ正念場だ」(5日社説)、産経は「高速増殖炉 まず人と組織を立て直せ」(6日主張)、日経「もんじゅは廃炉も視野に体制を見直せ」(5日社説)となっています。

 読売と産経は核燃料サイクルの維持という観点から論じていますが、日経は高速増殖炉の実用化に懐疑的なうえ、その経済性には否定的なようです。経済的に見合わないからやめようという感じです。

「政府が昨年決めたエネルギー基本計画では、もんじゅで試験を重ねて高速増殖炉の実用化をめざすとともに、放射性廃棄物の量を減らす研究にも活用するとした。
 だが高速増殖炉でプルトニウムをつくっても、通常の原発で燃やす計画は見通しが立たない。日本が余剰プルトニウムをもつことに国際社会の懸念もある。実用化できたとしても経済性は未知数だ。

 原発への依存度もこれから低下する。こうした状況の変化を踏まえて、高速増殖炉が本当に必要なのか改めて議論すべきだ」

 もんじゅの廃炉ということになれば、核燃料サイクルも破綻し、核燃料再処理工場も無用のものとなります。そうすると、たちどころに使用済み核燃料の直接処分という解決不能な課題が突き付けられ、原発再稼働そのものが困難になります。もう一方で、兵器級プルトニウムの製造も危うくなり、〝潜在的核保有国〟という地位も揺らぎます。

 原子力マフィアにとっては、もんじゅも再処理工場も稼働できなくてもこのまま延命させることによって、いつまでも垂れ流される税金にたかり続けられるといううまみがあるのです。だから、もじゅを廃炉にという闘いは、核燃料サイクルに終止符を打つ闘いへつ繋がらなければならない課題なのです。

 なお、今年の「もんじゅを廃炉に全国集会」は関電高浜原発再稼働阻止と連結して12月5日(土)、福井市西公園にて12時から開催され、15時から福井駅までのデモが予定されています。ぜひ、ご参加ください。 (折口晴夫)

2015もんじゅを廃炉へ!全国集会 ジョイント

高浜原発3・4号機再稼働を本気で止める!全国集会
日時 12月5日(土)12時~16時30分
もんじゅ集会:福井市文化会館大ホール(12時~14時)
 核燃料サイクルの是非を問う! 鈴木達治氏と伴英幸氏の対談
高浜集会:福井市西公園(14時半~15時半)
市内デモ:西公園~福井駅まで(15時半~16時半)案内へ戻る


 色鉛筆・・・沖縄に行ってきました!

 沖縄は暑くもなく寒くもなかったが、心に残る熱いものがたくさんあってほんの一部を報告します。

◆辺野古 基地建設反対 早朝行動に参加

 夜明け前に宿を出て朝6時、キャンプ・シュワブゲード前に座り込むと、東京の警視庁機動隊の大型車両が入ってきた。昨日までは沖縄県警機動隊だけだったが合わせて200人の機動隊と聞いて、初めて座り込みをする私は胸がドキドキしてきた。

でもその不安を和らげてくれるかのように反対派のリーダーである山城博治さんが「我々は、抗議するために座り込みをしている。排除されたらまた座り込みをすればいいんだ。整然として抵抗していこう。無理はしなくていい」とマイクで訴えてくれ、その言葉で私は落ち着いた。機動隊の強制排除が始まると、足が悪いのに毎日座り込みをしているおばあ島袋文子さんが椅子ごと持ち上げられ、寝転んで抵抗している男性は4人の機動隊員に連れて行かれ、私は隣の人達と腕を組んでいたが腕を離されて2人の機動隊員に両腕をつかむように連れて行かれた。

連れて行かれる時に、私は「東京から来たの?」と機動隊員に聞いてみると「沖縄です」と優しい声で答えてくれ、私をつかんでいた手の力が柔らかくなった。やはり彼も心のどこかには埋め立ては嫌だという気持ちがあるのかもしれないと思った。その後も、ゲート前に座り込むと「道路交通違反です~」と、警察の声スピーカーから響き渡り、今度はみんなでスクラムを組んで「今こそ立ち上がろう~」と大声で歌うと、私達の前に機動隊が立ちはだかって来るのだ。

でも、みんなで歌を歌って「負けないぞ!」「最後まで闘うぞ!」とシュプレヒコールを叫びながら歩くと意気が上がって行くのを感じた。

◆生命のホットスポットの大浦湾へ

 戦場ぬ止みの映画の中で、大浦湾の海の中にいる色とりどりのサンゴ礁や魚たちとここでしか見られないアオサンゴの大群落の映像が映し出されているが、その美しさに驚きこんなに綺麗な生き物たちが生きている海を埋め立てることを断じて許してはならないと強く思った。

私は大浦湾に行き瀨嵩の白い砂浜に立つと、澄んだ海水に波打ち際には枝サンゴのかけらがたくさんあったり、岩場にカニがいるのを見つけてとても癒やされた。でも、海を見ると大浦湾の半分以上が赤いフロートで囲まれていてその中を監視船が見回る風景は殺伐としていて、海の下にはブイを固定する為のコンクリートブロックがサンゴを傷つけていると思うと悲しくなって心が痛んだ。

◆映画「標的の村」の舞台になった東村高江へ

 高江はヤンバルと呼ばれる亜熱帯森林のなかにある小さな集落で、その集落を囲むように米軍北部訓練場があり、ここに新たにオスプレイが離発着するオスプレイパッドを建設しようとしている。

「ヘリパッドいらない住民の会」はヘリパッド建設に反対し、抗議活動を9年も続けており、標的の村で描かれているように闘い今も住民達がローテーションを組んで座り込みをしながら監視をしている。建設予定地とされている地点を見に行くと、どんどん山奥に入っていき自然豊かなジャングルだった。私は沖縄にジャングルがあるとは思っていなかったので驚き、米軍のジャングル戦闘訓練場と聞いていても百聞は一見にしかずだと思った。

◆これが沖縄の闘いだ!

 高江のテント前にこんなことが書いてある立て看板を見つけた。

座り込みガイドライン 
①私達は非暴力です
②自分の意志で座り込みに参加しています
③いつでも愛とユーモアを!
④人物、車を撮影する時は許可を取ってから」

まさにこれが沖縄の闘いなんだ。七十年の“いくさ場”を終わらせようと、体当たりで国家権力と向き合って、あきらめないで粘り強く楽しく闘っている沖縄の人々。
「沖縄は負けたことがないんだよ」と聞いていたが、沖縄に行って私も確信した。(美)  


 イラク戦争「情報間違っていた」 ブレア元英首相が謝罪

ブレア元英首相「2003年開戦のイラク戦争への英国の参戦を決めたブレア元首相が、25日に放映された米CNNのインタビューで「我々が受け取った情報が間違っていたという事実を謝罪する」と述べた。英メディアによると、ブレア氏がイラク戦争に関して公に謝罪するのは初めて。

イラク戦争は「イラクが大量破壊兵器を開発している」との「証拠」を根拠として米国主導で始まった。しかしその後、これは虚偽だったと判明。ブレア首相の支持率は急落し、07年の退陣につながった。」(↑以上朝日新聞デジタル 2015/10/25 23:19)さらに、今回のインタビューでブレア氏は「フセイン大統領(当時)は化学兵器を自国民らに大規模に使ったが、その計画は我々が思っていたようには存在しなかった」と述べたほか、政権崩壊後の混乱について、「政権排除後に何が起こるかについて、一部の計画や我々の理解に誤りがあった」とも認めた。さらに、イラク戦争が過激派組織「イスラム国」(IS)が台頭した主な原因かと問われると、「真実がいくぶんある」と答えた。(同上)

 これは重大なニュースです。これまでに、イラク戦争(2003年 米国軍や英国軍によるフセイン政権攻撃)はフセインイラク政権が「大量破壊兵器」を保有しており「2001年の同時多発テロを引き起こしたアルカイダと結びついている」からこそフセイン政権打倒の戦争は「テロとの戦い」「正義の戦いだ」と米英側は強弁してきたのです。

 しかしその後、「戦争の大義」とされたこれらの問題は次々と否定されました。

「CIAに依頼されて大量破壊兵器調査団長を務めたデビッド・ケイ(政治学者)が、2004年?月28日の上院軍事委員会公聴会で「私を含めてみんなが間違っていた。調査活動が85%ほど終了した今、生物・化学兵器が発見される可能性はもうないだろう」と証言した。同年10月にはアメリカが派遣した調査団が「イラクに大量破壊兵器は存在しない」との最終報告を提出。

さらにはアルカイダとの関係も同じく根拠がなかった。

「2008年3月、アメリカ国防総省は正式に「フセインとアルカーイダの関係を示す決定的証拠はない、認められるのはパレスチナ武装勢力との関係のみ」とする報告書をまとめた。」(以上ウィキペディア)

 このように、その後「イラク戦争の理由」がことごとくひっくり返ったにもかかわらず、ブッシュ米大統領やブレア英国首相は、謝罪はおろか事実を認めてこなかったのです。まるで大日本帝国の中国大陸進出の陰謀(盧溝橋事件など)と同じことが「民主主義国家」でも行われてきたということになるでしょう。国家の本姓は変わらないということです。

今回、不十分ながら戦争当事者の代表者の一人ブレアが「事実と認め」そして「謝罪」したことの政治的意味は小さくないと思われます。

というのも、日本などイラク戦争への資金援助やその後のPkО活動などもまた「国際社会との連携」あるいは「テロとの戦い」として正当化してきたことが覆ることを意味するからです。

 このイラク戦争はそもそも不正不当であり、十数万人のイラク人を根拠もなく殺害した許されない虐殺なのです。米英にはイスラミックステートの残虐行為を非難する資格などありはしないのです。

安倍政権はこのような不正不当な戦争に日本も加担してきたことを反省もせず、それどころか今から自衛隊をイラクに派遣しようとしていることは決し許されないことです。(文)案内へ戻る


 紹介  「戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ)辺野古・高江からの祈り」三上智恵 著 (大月書店/定価1400円+税) 

 私は、ワーカーズ546号(10/15)で紹介された三上監督映画「戦場ぬ止み」を見ながら、強引な警察官や機動隊と『海猿』(海上保安庁職員)に怒り、「おばあをひき殺してから入りなさい」とミキサー車の前に毅然と立つおばあの姿や言葉に泣いて、闘いの中でもユーモアがあって笑い、みんなで歌い踊り出す明るさに引き込まれこれが沖縄の闘いだと感じた。

そして、辺野古の漁師の海に対する思い、補償金で分断され苦悩する老夫婦、55年間基地とともに生きてきた集落の姿等は私の知らない沖縄だった。さらに三上智恵監督のトークショーでは、「本当に辺野古に基地を造りたいのは、米軍をカムフラージュに使っている日本政府だと思う」という言葉に拍手を送り、とても素敵な人でもっと知りたいと思いこの本を読んでみた。

 国の基地政策は、かつてなく乱暴に県民に襲いかかって辺野古、高江が崖っぷちに立たされ、放送局を辞めフリーになった三上智恵さんは毎日現場に通い、刻一刻と変わる状況を伝えなくてはと焦った。そんな日々の中で、ウェブマガジン「マガジン9」に連載が決まり2014年7月からその年の12月まで、毎週更新で撮影日記として綴った文章がこの本の元になっている。(本文と連動した動画を見ることができた) 

 この本は、海と陸で連日激しい衝突も覚悟で座り込んだ辺野古と高江の抵抗が、60年ぶりの「島ぐるみ闘争」と呼ばれる県民全体の戦いになっていく過程を追いかけたドキュメンタリーだが、激しい対立だけではなく基地と折り合って生きざるを得なかった地域の人々の思いや、苦難の歴史の中でも大切に育まれた文化や暮らしを伝えているところに私は感動した。やはり、三上智恵さんが20年間通い続けて、住民の苦悩を知り自然の豊かさや共同体のすばらしさを知っているからそこを描くことができたのだと思う。22のエピソードが紹介されているが、緊迫する基地問題や辺野古の情勢を知ることができ、2014年の名護市長選挙、県知事選挙、衆議院選挙と、立て続けに示された県民の思いや政治状況がよく分かり、三上さんが常に戦いの現場に行って密着取材をして生の声を聞いている。

 10年前から、地元の漁師に嫌われて罵声を浴びたり追い払われても、寄っていくうちに嫌々ながらインタビューに答えてくれるような関係になり「国の代表も県知事も、一度だってここに来たことないよ?この海を埋めてもいいですかって聞かれたことないよ?埋めます。はい。勝手に決めた。じゃあ、見返りはなんなのってなるしかないさ」と、漁業者として尊重されない状況を嘆いている。

海沿いに造る原発も同じだが迷惑施設の建設ではまずは地元が反対する中、漁協に大きな見せ金を提示して揺さぶり、折り合いがつかなくなると漁師を悪役にしていく手法を国が進めているのだ。

「三上さん、どうする。埋められるよ。今度こそ本当に埋められるよ」と、本音の声を聞いて「明らかに彼は悲しんでいた。私よりずっと長くこの海と向き合って生きてきたんだ。

埋められていいわけがないのだ。基地建設をめぐり、辺野古の海人(うみんちゅ)を悪人にする言説にふれると、胸がえぐられる思いがする。何故沖縄中の海人が、誇りを持って海に出ることができないのか。いつから海人の尊厳を奪うばかりの国になったのか。

私は何より、その構図の残酷さを問いたいのである」と、自分のように怒り悲しむ三上さんの言葉に胸が熱くなった。このように地元の人々に寄り添って本音を聞いたり、日常の中で泣いたり笑い合い、悲しみながらも明るくたくましく生きている人々を丁寧に伝えている。

 タイトルの「戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ)」は、昨年の十一月県知事選挙の時、戦後七十年の戦場(いくさば)を終わらせたいという沖縄の思いを詠んだ有銘政夫さんの琉歌(八、八、八、六音を基本とした沖縄の伝統的詩歌)の一部からとったものだ。

  今年 しむ月や(今年の十一月にこそ)      戦場ぬ止み  (戦場にとどめを刺して終わらせよう)        
     沖縄ぬ思い  (沖縄の思いを)            世界に語ら  (広く世界に知らせましょう)       

 是非、機会があったら映画を見たり、本を読んでみてください。 

 そしてもうひとつ・・・映画の中で、高校時代から反戦運動を続けるヒロジさんの言葉が忘れられない。

抗議活動の中で逮捕者が出てしまいヒロジさんは仲間を集めて「明日取り返しに行こう。夜が明けたら名護署を包囲しよう。誰かが捕まりそうになったら、まず最優先で助けること。過失があれば詫びること。捕まったものの自己責任にしてはならない。大衆運動は仲間同士で助け合わなければ成り立たない」と語りかけてた。沖縄の闘いに学ぶものがたくさんある。

 私は映画を見て本を読んでいるうちに沖縄に行ってみたくなり、来月の初めに沖縄に行ってきます。

今日「辺野古 埋め立て着工 反対者抗議 逮捕者も」というニュースが入り切迫した状況が伺える。また、報告します。10/29記(美) 


 共通番号通知が届いたら?

 地方公共団体情報システム機構(J‐LIS)のサイトを検索すると、通知カードの発送状況を確認することができますが、発送完了にはまだしばらく時間がかかりそうです。そこで、受け取ったらどうすればいいのか、個人番号カードがなくても暮らせる社会を守ろうと呼びかけている「共通番号いらないネット」(共通番号・カードの廃止をめざす市民連絡会)の提案を紹介します。ぜひ、参考にしてください。

 もちろん、通知カードは簡易書留で送られてきますので、受け取りを拒否することも可能です。しかし、世帯主(これは何だと思いますが)宛てに送られてきますので、誰か一人の判断でそうするのはまずいでしょう。また、個人番号を知らないまま生活を続けることが可能なのか、安倍政権の攻撃性を考えると、この先の展開は不明確です。従って、受け取り拒否はよほどの覚悟の上でないとできないでしょう。それに、12桁の番号の付番はされてしまっているので、制度そのものの拒否とはなりません。

 そこで、通知カードを受け取るという前提で、しかも、個人番号制への抗議を示すことを考えようというのです。まず、通知カードは取ってタンスの奥にでもしまっておき、個人番号カード申請書に「×」を入れて返信用封筒(宛先はJ‐LISになっている)に入れて送り返すのです。これで、抗議の意思表示はできるし、どうしても個人番号を示さなければならなくなったときでも、通知カードと免許証などを示せば本人確認は可能です。

 次に、制度そのものの拒否はどうかというと、裁判が準備されています。私はすでに大阪での「マイナンバー違憲訴訟」の原告となる手続きを済ませました。多分、全国で12月1日提訴となるでしょう。その呼びかけは、次のように書かれています。

「マイナンバー法は、すべての国民、外国人住民、法人に対し、年金、医療、介護保険、福祉、労働保険、税務等の税と社会保障に関わる各行政分野に共通して利用される識別番号(共通番号)を付番し、情報の名寄せ・統合(データマッチング)をし、併せて本人確認を行うものです。データマッチングの対象となる情報は、市民生活の全般(税務分野においては私人間の取引も含まれる。)に及ぶ極めて広範囲にわたるものであり、政府は、個人に付された番号により、住所、氏名、年齢のみならず家族構成や病歴などのセンシティブ情報、収入や資産などの財産情報までをも、一望して管理することが容易になります。

マイナンバー法は、政府による個人情報等の一元管理化を強めるものであり、憲法13条の保障するプライバシー権を侵害し、監視国家を出現させるものです。マイナンバー法は特定秘密保護法とセットで、戦争する国づくりに向けた国家による情報管理の手段です。また、個人情報が漏洩し、不正アクセスやなりすまし等の違法行為が多発することは間違いありません。さらに、マイナンバー導入のためのインフラ整備には、初期投資だけで3000億円もの費用が必要とされており、税金の無駄遣いというほかありません」

 次に当面の対処ですが、間違っても個人番号カードの交付は受けないことです。顔認証された写真付きのICカードの所持はあまりに危険です。そして、記入を求められても、12桁の番号は書かないようにしましょう。記入は義務だと言われても、書かないことでの罰則はありません。とりあえず、ここで頑張りましょう。(折口晴夫)

「12月12日(土)午後2時から新宿御茶ノ水の連合会館で全国集会が予定されています」

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