トピックス 2006年11月19日      案内へ戻る

 衆議院での強行採決と参議院での与党単独審議入りを糾弾する!

 十一月十五日、衆議院教育基本法特別委員会での一方的強行採決、続く十六日には、野党が審議拒否をする中、政府・与党は、衆議院本会議で採決を決断した。翌十七日午前中の参議院の本会議では、質疑に先立ち、「改正」案を審議する特別委員会の設置を議決した。安倍首相は、教育基本法「改正」案の趣旨説明と質疑を行い、審議入りを強行した。安倍首相は、与党の質疑に対して「教育再生に向けた第一歩として、改正案の早期成立を期して取り組んでいく」との決意を重ねて強調した。これに対し、日本新党を除く、民主・共産・社民・国民新の野党四党は、衆院での与党の単独強行採決に抗議して、同日の本会議を欠席したのである。
 ここに至るまでのわずか一・二週間の間でも、いじめ自殺の頻発と文科省・各県教育委員会の無策ぶりは決定的に暴露された。また高校における未履修問題は、二人の現職校長の自殺と未履修については文科省・各県教育委員会の黙認があった事も明白となった。それだけではない。さらに衝撃的な事実が発覚したのである。民意を聞くと全国で開催されたタウンミーティングで内閣府・文科省等の「やらせ発言」と謝礼について大々的に報道されてたのだ。まさに政府・与党は進退窮まるところまで追いつめられていたのである。
 こうした事から与党は、沖縄県知事選挙への影響を配慮して、来週以降に採決を延ばそうとの動きに支配されかかったが、安倍首相の指示で強行突破とはなったのであった。
 今後、十二月十五日までの会期内成立に向けて、政府与党は野党欠席のままでも審議を続ける予定で、週明けにも特別委で審議入りすると報道されている。何という事だろう。
 こんな事が許されてよいのであろうか。与党の数の専横と暴走は止まる事を知らない。私たちの怒りは抑えようがない。私たちはここまで政府与党になめられているのである。
 衆議院で強行採決された教育基本法「改正」案は、一九四七年に制定された教育基本法を全面的に改め、憲法との一体性を否定した内容で、教育の機会均等を否定し、格差社会を肯定・是認するものとなった。また学習指導要領で掲げられた徳目を、法律で教育の目標にまで高め、さらには、「公共の精神の尊重」や「我が国と郷土を愛する態度を養う」との表現で、政府与党が過去一貫して求め続けてきた「愛国心」を明記したものである。
 教育基本法「改正」は、まさに安倍「戦争準備」内閣に信任状を与えるに等しいのだ。
 すべての労働者民衆は、衆議院での強行採決と参議院での与党単独審議入りを糾弾し、拡大していく格差社会を阻止するためにも、安倍教育バウチャー制の導入とともに教育基本法「改正」を断固阻止していかなければならない。
 ともに廃案に追い込むために闘いを強化していこうではないか。   (猪瀬一馬)            案内へ戻る