トピックス 2012/5/6   トピックス案内へ戻る

全原発停止から核なき未来へ!

 5月5日、国内50基(東電福島第一原発1〜4号機は廃炉)すべての原発が止まった。3・11以前には考えられない事態であるが、未曽有の原発震災から1年2ヶ月近くが過ぎている。冷静に考えれば即座に全原発が停止してもおかしくない事態であったのだが、東電による計画停電≠ニいう暴挙、脅しによって定期点検までの延命が謀られた。そして今、攻防の局面は点検後の再稼働に移った。
 子どもの日に全原発停止を迎えることは、この上ないお祝いだといえる。しかし、フクシマの子どもたちは今も放射能汚染地に囚われている。野山を駆け回ることも、公園で遊ぶことも禁じられ、明日も脅かされている。何よりもこの子たちの、家族の避難を保障することが、原発震災を招いた東電や政府がやるべきことなのに、原発輸出を進め、再稼働を急いでいる。
 たとえ全原発が停止し、ここから全原発廃炉へと進んだとしても、すでに膨大な放射性廃棄物が蓄積され、安全に処理できる当てもなくさまようことになる。こうした負の遺産を残してしまうことに、我々も責任を負っている。せめてこれ以上の汚染を許さず、核なき未来を次の世代へと引き継がなければならない。
 この日を期して、攻防は新たな段階に移った。その焦点は何よりも関電大飯原発3・4号機の再稼働であるが、フクシマから目を離してはならない。事故で壊れた原発からは今も放射能が漏れ続けているし、4号機の燃料プールが壊れてチェルノブイリを超える世界汚染を招く危険がある。野田政権はこの危機を隠し、除染によって避難者の帰還も可能になるとの楽観論を振りまき、がれきの広域処理で挙国一致の幻想を掻き立てている。
 これらは、事故は大したことなかった、放射能もそんなに怖くないんだという印象を与え、電気が足りない、停電になるとの脅しを交え、よって原発の再稼働を実現しようとするものである。除染ではなく避難の権利を、がれきの広域処理ではなく現地での処理を、放射能汚染されたものは燃やさずに福島原発周での保管を要求しよう。 (折口晴夫)トピックス案内へ戻る