トピックス2012年4月23日
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時代に逆行する共通番号はいらない!
4月20日、東京で共通番号制度に反対する集会が開催された。自公民3党のみならず、維新、みんなも賛成とあって、連休前にも衆議院を通過の見込みだという、緊迫した情勢のなかでの開催だった。
多面的な報告が行われたが、簡単な報告を行い、この法案の危険性を訴えたい。また、完成したばかりの現地取材レポート「韓国の住民登録番号制度~頻発するプライバシー侵害、情報流失、なりすまし事件」(DVD40分)も上映された。
最も重大な問題、担当大臣(甘利明経済再生担当相)も議員(衆議院内閣員会)も法案の内容を知らない。質問に答えるのは審議官、つまり官僚の思うが儘であり、〝最低の国会〟と言われるゆえんである。与党議員などは審議時間を持て余している、それでも採決されたら、全住民(国民だけではなく、住基番号を付された外国人も)が生涯不変の番号を押し付けられることになる。
その番号はまだ何桁かもきまっていないのだが、まず通知カードというものが市町村から郵送されてきて、これを市町村窓口で個人番号カード(ICカード)と引き換えるもの。このカードには(裏面に?)番号が記載される。引き換えは任意らしいが、いずれ持たない(提示できない)者は〝あやしい〟となるだろう。そして、持てない(住民票がない)者は社会から排除さかねない。なお、ほとんど普及しなかった住民基本台帳カードは廃止となる。
全住民を番号で管理することの社会的意味は何か。日の丸・君が代法制、盗聴法、そして住基ネット法制などの1999年国会に始まる時代の流れが、共通番号や秘密保全法案、改憲へとたどり着こうとしているのである。すなわち、どちらが情報を握るのかである。明らかに国家による情報統制へと向かいつつあるのだが、そうさせてはなるまい。 (折口晴夫)
4月26日、衆議院内閣委員会で共通番号4法案が起立多数で可決された。委員会採決で反対したのは赤嶺政賢委員(共産)と村上史好委員の2人だけだった。なお、社民党の委員はいない。
番号法案と内閣法一部改定法案は、自公民と維新・みんな5党の修正案を受けて、修正決議され、それぞれの法案に対して5党提案の付帯決議が採択された。連休明けの9日に衆院本会議での採決が予定されており、今議会での可決、成立が確実視されている。
DVD「韓国の住民登録番号制度」
韓国では1962年から住民登録番号制度が導入され、すべての国民に番号を付け、指紋を採取し、登録証を発行している。導入から50年。日常生活の広範な分野で使用され、定着した番号制度に異議を唱える人はほとんどいなかった。
10年前に反対すると、「北のスパイ」「アカ」と言われた。
ところが、2008年からの4年間で1億2千万人分の個人情報が流出、なりすまし事件などが頻発するようになって、ようやく韓国世論も動き出した。
このドキュメンタリーはそういった韓国の今を描き出し、日本での安直な共通番号導入計画に警鐘を鳴らすものである。
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