トピックス2014/6/20  (ワーカーズブログより転載)   トピックス案内へ戻る

 米軍のイラク軍事介入に反対する!

 宗派の自由、民族と部族の自治を無条件で認めよう!

 「オバマ氏は19日「米軍の戦闘部隊がイラクに戻ることはない」と強調。他宗派を排除してきたイラクのマリキ首相に対し、シーア派とスンニ派、クルド人と和解する政治的なプランがないと、問題は解決できないと強く求めた」(朝日電子版)。
 しかし、米国は軍事介入を完全に排除していないし、三百人の非戦闘員からなる軍事顧問団をマリキ政権に派遣することを決めた。すでに空母をアラビア湾に派遣している。また、共和党のマケイン議員などの右派は、過激派の空爆を強硬に主張している。米国の武力攻撃は緊迫度を減じていない。

 殺戮を終わらせるために!

 現代の「イラク」という地域で、平穏無事に統合国家を維持するのは困難にも思える。
 つまり米国の肝いりで成立したマリキ現政権は、「イラク全土」の統一政権としては成り立ち得ないのが現実だ。それを受け入れることが、内戦による殺戮という悲劇を少しでも緩和できる第一歩となるだろう。
 国連など「国際社会」のやるべき事は当事者の一方に肩入れすることではない。隣国イランも時に乗じて「介入」を示唆しているが、中東での覇権を目指す新たな策動であり、これも決して許されるべきではない。

 帝国主義時代の産物=イラク国家

 第1次大戦を通じて、オスマントルコから英仏が奪い取ったのが、現在のイラク地域だ。サンレモ会議(1920年)で、この地域は英国の支配に入った。このために引かれたのが現代の「イラク国家」の国境線だ。
 石油目当ての英仏の利害で、無理矢理つくられた国家だ。だから多数の部族に分かれたアラブ人にとって「イラク国民」と言う意識はそもそも低い。そのうえイスラムの各宗派や、部族意識などが強く、「国民国家」という自覚は育っていないように思われる。(これはシリアさらにはウクライナなども共通だ。)

 旧宗主国イギリスが宗派の違いを支配に利用した

 旧宗主国イギリスが、スンニ派の王族を支配層として引き立てた。宗派の違いが「支配」と「非支配」の関係に置き換えられた。それはいつしか憎悪としてふくらんでゆくことになる。
 そのいみで、米国によるマリキ政権(シーア派)へのてこ入れはもちろん、そのすげ替えられた別の政権も同様だ。特定の宗派を、支配に利用することは社会の分裂であり、社会の融和に逆行する。

 米国は「イラク国家」から手を引け

 だが、米国は「イラク国家は一つ」としてバグダード政権に固執するだろう。米国が、現実の政治の中で、こんな選択しかできないのは、イスラエルロビーの圧力、石油の利害、中東の政治的影響力にとらわれているからである。親米国政権の存立が何ものにも優先されている。

 宗派の自由、居住の自由、民族・部族の自治を!

 勢いを増している、反政府勢力ISISは「イラク、シリア、イスラム国家」という名前のように国家建設をめざしている。しかし、その具体的なプランが知られてはいない。
 彼らの支配地域が安定し人々から一定支持を得られるのかは、きわめて流動的だ。彼らの殺戮も止めなければならない。少なくとも海外からの武器、兵員、資金などの流入をとめることは必要だ。

 イスラムを敵視するな

 宗教の教義自体にすこしも軍事的意味は無い。「イスラムは危険だ」等と言うことはない。平和運動家のキリスト教徒もいれば、中世の十字軍のような侵略者もいた。同じことだ。

なくすべきは支配と抑圧、そして必要なことは自治の承認と利害の調整だ。

 クルド人の自治を

オスマントルコ帝国の支配の次は、英仏の支配があり、その後は「イラク国家」に編入された、悲運の民族だ。多くの迫害を受けてきた、クルド人の完全自治を認めるべきだ。干渉や介入など大国のエゴをやめるべきだ。自立への支援こそ必要だ!(文)

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