ワーカーズ 346号 2007.6.1.     案内へ戻る

官金横領、年金保険料ただ取りを許すな!
緑資源機構疑惑、「消えた年金」問題を徹底追及しよう!


 事務所費不正計上や緑資源機構疑惑に絡んで追及を受けていた松岡農林大臣に続き、緑資源機構の前身組織で同機構の談合の仕組みを作ったとされる人物が自殺をした。彼らの自殺によって不正追及が打ち止めとなるはずもなく、かえって安倍内閣への批判が高まっている。
 松岡農林大臣のカネにまつわる不正問題で、安倍首相が問われべきは、単に安倍首相が任命権者であったという点での責任問題だけではない。松岡農林大臣の事件が我々に物語ってくれているのは、実は安倍政権の体質、本質に関わる問題点なのだ。
 安倍首相は松岡のカネにまつわる疑惑を知った上で彼を大臣の座につけただけでない。松岡の「コメ特攻隊長」としての守旧派の顔と「国際競争力ある農業創出」論の新自由主義者ぶりの二面性、教科書問題や靖国問題での安倍のナショナリズムとの親近性を見るまでもなく、安倍自身の姿に非常によく似ている。安倍首相は、単に総裁選での松岡の奮闘ぶりへの論功行賞や、コメ自由化反対論者を封じ込める役回りをあてがう狙いだけから松岡を大臣に据えたのではなく、安倍がめざす政治の良き理解者、その強力な同志として、彼を要職に遇したのである。
 5000万件を超えると言われる「消えた年金」問題はどうだ。これは、単に政治家や役人たちのずさんや無能の問題ではなく、彼らの労働者・勤労者の生活への無関心、その徹底的な軽視を物語るものだ。
 政治家や役人は、民衆からは法外な年金保険料を搾り取り、それを無駄な公共事業や下手な財テクに投資し、大企業を潤わすことに精進してきた。そして自らもそのお裾分けに預かろうと、献金や賄賂をほしいままにし、天下りを繰り返して懐を肥やすことに浮き身をやつしてきた。ところが、その年金制度に自らの老後を託している庶民の切実な思いには、まったく関心を注いではいなかったのだ。
 政府・与党は「時効撤廃」の議員立法提案などを行った。しかし求められているのは被保険者の完全な「救済」だ。
 勤労者の暮らしを犠牲にして公金に群がる政治家たちを、大衆行動で追いつめよう。 (阿部治正)


韓国イージス艦建造の衝撃 ――北東アジアの新三国志――

 5月25日、韓国は初のイージス艦「世宗大王艦」の進水式を浦港の現代重工業造船所で行った。「世宗大王艦」は08年後半に韓国海軍に引き渡されることになっており、これでイージス艦の保有は米国、日本、スペイン、ノルウェーに続いて韓国が世界で5番目の保有国になる。
 韓国イージス艦の建造については、すでに02年に米国からイージス・システムの韓国への売却が決まっていたもので、04年9月には建造が始まっていた。だから建造そのものはすでに既定路線だったわけだが、現実にイージス艦が完成したという事実、およびそれを受けての韓国側の高揚感のこもった発言を耳にするとき、改めて北東アジア情勢の様変わりに注目させられる。

■強力な防空・対地攻撃能力

 周知のように、イージス艦とはアメリカ海軍が開発した艦隊防空システムのことで、ミサイル、航空機、水上艦、潜水艦など最大数百の目標のうち脅威となる目標を即時に識別し、迎撃可能なシステムのことだ。
 韓国艦イージス・レーダーは1000キロ離れた場所の航空機900機を同時に補足・識別・追跡可能だ。第1段階は補足した目標を170キロメートル離れた地点でスタンダードミサイルによって迎撃する。第2段階は敵の航空機などを最大9・6キロ離れた地点で対空ミサイルで撃墜する。第3段階は一分間に4200発発射できる機関砲で敵機を撃墜する。
 「世宗大王艦」は米国の主力イージス艦「アーレーバーク」級駆逐艦や日本の最新型イージス艦「あたご」型より一回り大きい。3種の垂直発射型ミサイルは「アーレーバーク」「あたご」の96基に比べ48基多い128基搭載可能だ。そこには他国のイージス艦にはない48セルの「韓国型垂直発射システム」が新たに搭載され、いま韓国で開発中といわれる韓国産の対地巡航ミサイル「天龍」が32基、韓国型対潜ミサイル「ホンサンオ」16基が搭載予定だ。
 韓国海軍はこうしたイージス艦を、12年までに3隻保有する計画があり、また海軍の内部では6隻保有の計画もあるといわれる。

■自立化をめざす韓国

 こうした主要装備を見れば、すでに韓国イージス艦は単なる艦隊防空システムの域を超えている。対地巡航ミサイルを多数搭載可能ということは、敵国の領土も攻撃可能な移動基地を確保することであり、周辺国に対する強力な牽制・抑止力を手にすることを意味する。
 その「周辺国に対する強力な牽制・抑止力」という戦略概念そのものが、これまでの韓国の軍事戦略の大転換を意味することはいうまでもない。というのも、これまでの韓国の主要な「仮想敵国」が北朝鮮に置かれていたことは、韓国のみならず周辺国も含めて共通観念になっていたからだ。その韓国が「周辺国に対する強力な牽制・抑止力」という戦略に軌道修正したとなれば、北東アジアのパワー・バランスにも影響を与えるのは避けられない。韓国がイージス艦を保有すること自体、周辺国に対する強力な抑止・牽制力を戦略目標の中心に据えたことの象徴であり、これまで対北朝鮮一辺倒という戦略の明確な転換を象徴するものだからだ。
 実際、韓国はちょっと前までは北朝鮮を念頭に置いた地上軍を中心とする沿岸・近海・内陸防衛型の戦力だった。が、00年10月発表の「01〜05年国防中期計画」で韓国国防省は「未来の不特定の脅威に備えるため、海空軍力を育成し均衡ある戦力をめざす」と洋上戦力強化へと方向転換を示唆する計画を策定した。韓国がイージス艦の保有に至ったことで、北東アジアに新たなパワー・プレーヤーが登場したことを意味する。
 こうした韓国の思惑は韓国イージス艦の艦名そのものに見て取れる。
「世宗大王艦」。その名も李氏朝鮮を代表する名君とされる世宗大王の名を付けたこと自体、韓国の民族的自尊心に立脚した命名であることは察するにあまりある。現に進水式に出席した盧武鉉大統領は「世宗大王の時代、世界で約50の発明があった。韓国が22,中国が3,日本が1〜2だった。国力がどの時代よりも強く、北東アジアの平和が維持できた。」と語っている。
 率直というか露骨というか、現職大統領による大胆なパックス・コリア(=韓国のヘゲモニーによる秩序)の吐露とも聞こえる。それは大げさに過ぎるとしても、韓国の高揚感は他にも聞こえてくる。いわく、韓国の相手は北朝鮮だけではない。軍拡を続ける日本や中国に対する抑止力を持つのは当然だ、と。
 韓国は表向きは「洋上航海の安全確保」(韓国国防省)などと説明しているが、本音は上記のような日本や中国に対する対抗心剥き出し、と言ったところだろう。現に将来の保有隻数を6隻だとしていることも、日本の保有数6隻(08年)に対抗する意味合いを持っていることは明らかだ。

■ナショナリズムのキャッチボール

 韓国が北東アジアの新たなパワー・プレーヤーとして登場してきた背景には、最近韓国でも拡がりつつあるナショナリズムがある。その要因としては最近の経済成長、領土問題など日中との紛争、北朝鮮との民族統一の可能性などが考えられる。
 周知のようにあのアジア金融危機を乗り切った韓国では、家電・エレクトロニクス・造船など世界企業にまで拡大した企業が経済成長を牽引し、いまでは世界で11番目の経済力を持つに至っている。
 また、日本とのあいだで竹島(独島)の領有権問題での紛争があるほか、日本海や東シナ海での資源問題、それに日本とのあいだで従軍慰安婦や靖国参拝問題など、いわゆる歴史問題を挟んだ軋轢が解消されない事態が続いている。
 上記に加え、北朝鮮危機にかかわる将来の民族大連合の思惑もある。一本調子には進むことはないにしても、瀬戸際外交などで延命を図る北朝鮮の崩壊の危機を軟着陸させることで、遠くない将来、金大中と金正日のあいだで合意した6・15「南北共同宣言」(00年6月15日)にも盛られた「連邦化」や「国家連合化」による南北朝鮮の大連合の可能性の拡大だ。南北朝鮮の統一という「民族の悲願」の実現を念頭に、北東アジアの中で独自の国家として周辺国に相対していく、というナショナリズムが台頭が韓国の軍事戦略にも反映していると見るべきだろう。
 大朝鮮ナショナリズムともいえるこうした韓国の思いと態度は、米国との関係にも波及している。それは現在進行中の6者協議でも現れている。北朝鮮の核実験をめぐる国連レベルでの経済制裁に独自の制裁を加えようとする米国に距離を置き、人道援助を続ける姿勢を取っていること、あるいは駐韓米軍の削減、戦時作戦統制権の韓国への返還など、韓国の米国離れの動きはすでに一時的なものではなくなっている。米国と対抗するまではいかないにしても、韓国の対米自立志向は着実に進んでいる。韓国のナショナリズムとそれに立脚する親北・対米自立志向は、現在の盧武鉉政権に止まらず、いまでは野党ハンナラ党も含めて韓国の主流になっている。

■震源は日米中

 こうした韓国のナショナリズムを日本の保守・右翼勢力が批判を強めている。確かに最近の韓国のナショナリズムもけっして褒められたことではない。そうだとしても彼らに韓国を批判する資格などあるはずもない。韓国のナショナリズムを呼び起こした張本人の一人は当の日本の保守・右翼勢力の言動だからだ。
 ちょっと思い返しただけでも、小泉首相の靖国参拝に象徴される戦争責任を棚上げにする言動、竹島(独島)問題の紛争化のもくろみ、そして安倍首相による従軍慰安婦や靖国参拝への態度、憲法改定の野望、そして歴史問題の帳消しを意味する「戦後体制からの脱却」路線等々。あの戦争で侵略された韓国国民の心情を逆なでするような言動を繰り返してきたのが、日本の保守・右翼、それに最近の小泉・安倍政権の態度だったからだ。
 それに今度の韓国のイージス艦保有に際しての軍事力増強への高揚感ある発言にしても、周辺国、なかでも米国や日本・中国の軍拡の必然的な反応ともいえる。米国は自分たちの野望だけで戦争を仕掛け、中国は台湾解放を視野に、あの湾岸戦争で目の当たりにした米軍の突出した戦力に驚愕して空軍・海軍の近代化をすすめ、日本はあの侵略戦争の反省はかなぐり捨てて戦争ができる普通の国家への変身を急ぐ。こうした周辺国のまっただ中で韓国も独自の戦略と軍事力を保持して対抗しようとするのは無理からぬ面もある。
 が、こうしたことを踏まえても、私たちは盧武鉉政権のナショナリズム、国威発揚路線を支持できない。それは不信の連鎖の上に成り立つものだからだ。

■安倍自民党を少数派に!

 今回の韓国イージス艦建造は、02年の時点で米国がイージス・システムの韓国への売却を決めたことで現実のものになった。が、そのイージス艦の運用に不可欠な軍事衛星からの情報の提供(データ・リンク・システム)を米国が同意しなかったことも明らかになった。このことはこの数年間にそれだけ米韓相互の信頼関係が失われたことを反映している。韓国は代わりにフランスとデータ・リンクの調整中だというが、北東アジア情勢はそれだけ複雑化、流動化していることになる。
 上記で私たちは韓国のナショナリズム、その上での軍事力の拡大の試みを支持できないといったが、それは日本が韓国の軍事力に対抗するというレベルでの話ではない。繰り返すまでもなく、韓国の軍拡自体が日米中などの軍拡の反作用以外のなにものでもないからだ。だから私たちに問われているのは、まずは日本の反戦・平和闘争を拡げること、安倍政権の「戦後体制からの脱却」路線と対決し、9条改憲路線を跳ね返す闘いの前進をめざすものでなければならない。3年後の9条改憲を阻止すること、その前哨戦となる参議院選で安倍自民党を少数派に追い込むことが当面の課題だ。(廣)案内へ戻る


不当処分から28年目の勝利!
4・28反処分闘争勝利!    被免職者の職場復帰を勝ち取った!

 さる4月29日、午後1時より東京の品川プリンスホテルにおいて、4・28反処分闘争勝利!報告集会と祝賀パーティが行われ私もそこに友人と参加した。久しぶりの東京だったので、午前中は浅草に寄ってきた。人がたくさんいて少しうんざりした。
 集会・パーティには、全国各地から郵政内外の人たちが参加をしていた。私もひさしぶりに会う仲間と、おおいに語り合った。4・28裁判の原告は全部で7名で、全員が懲戒免職撤回となったのだが、職場に戻ったのは4名だった。残る3名は、現在の生活拠点が東京以外にあり、とても元職場に戻れる状況ではなく退職ということになった。
 集会のときのシュプレヒコールで、「4・28反処分闘争に勝利したぞ!  処分撤回・原職奪還を勝ち取ったぞ! 原職を奪還したぞ!」という部分には、感慨深いものがありました。普段のシュプレヒコールは、勝利するぞ!というものですから、あらためて4・28反処分闘争に勝利したことを実感しました。
 ただ、課題も多く残っています。それは、職場ではほとんど4・28反処分闘争のことが話題にならないということ。それだけ職場は、労働運動が冷え切っているということだろう。
 集会・パーティに参加していた4名の元被免職者について、まず神矢さんは、話を聞いていてなぜか一番心に響く何か人をひきつける力があるのか。徳差さんは、しゃべり方に味がある。池田さんは、話の組み立てがうまい。斎藤さんは、被免職者のまとめ役という印象を受ける。
 職場復帰された方々にとっては、28年前とは全然違う職場の状況にしんどいとは思うが、共にはね返していこうと思う。(河野)
■4・28処分とは
 78年12月から79年1月まで、全逓は年賀取り扱い拒否を含む業務規制=反マル生闘争を闘った。原因は、6000件にも及ぶ全逓組合員への人事差別や脱退強要などの郵政マル生=組合潰し攻撃にあった。しかし、この闘いに対して、懲戒免職58名(東京55名)、停職286名など全国8183名という大量・過酷な報復処分が発令された。そして、全逓本部は91年、「連合時代の労使関係に4・28は邪魔」だとして、闘いも被免職者も切り捨てた。
 それに対し原告らは、支援者らと自力自闘で裁判を闘い、一審は敗訴したものも二審は懲戒免職撤回の全面勝利判決、そして最高裁も全面勝利判決。


地区教組執行部を痛打する修正案二本可決

 五月二十三・二十四日、三教組の第四十四回定期大会が開催されました。この大会で焦点になったことは、三つありました。
 一つは昨年の賃金確定闘争で、「人事評価システム」を利用して賃金にその評価を反映させることになりましたが、このこと、つまり組合員の賃金に差をつけることが認められるのかどうなのか、が最大の争点となりました。二つ目の争点は、教育基本法改案反対闘争の最終局面の十二月十五日、国会前の抗議集会に、日教組本部と神教組の旗がなかったこと、また森越日教組委員長の今国会前で集会を開催している人々は日教組の組合員ではないとの「組合員切り捨て発言」でした。三つ目は、日教組と民主党との関係で、日教組本部は、常日頃日政連に所属する日教組組織議員を通じて民主党の教育政策を変えていくのだと豪語してはきたが、その実態は民主党の自民党に勝とも劣らない反動文教政策に取り込まれているのではないかとの事実認定について争点となったのです。
 地区教組執行部が守勢となり日・神教組への守りの言動を繰り返す歯切れの悪さから、昨年反対方針を確立していた「人事評価システム」の賃金への反映反対派から提出されていた五本の修正案が一本化された「(「人事評価システム」の賃金への反映については)反対の立場に立ち、差別分断を許さない観点からたたかいます」との修正案が、参加代議員数二百八十六名中百七十七名の賛成で可決されました。
 この修正案と関わる「人事評価システム」についての三本の修正案も一本化され、「人事評価システムのとりくみについては、人事・賃金の連動に反対し、廃止・撤回を追求してたたかいます」との修正案が、百五十四名の支持で可決されました。
 この二本の修正案が可決されたとき、当然の事ながら執行部は明らかに動揺したのです。
 また日教組本部の闘争放棄についての代議員の批判意見に関しては、本部批判は地区教組の議案の性格上馴染まないと防戦一方だった地区教組執行部は、改案教育基本法についてのたたかいの強化を求める「改悪教基法の実動化を阻止するためのたたかいを強化します」の修正案を、執行部原案に続くものにするための字句を修正する中、受け入れました。
 最後に学校予算委員会運動に保護者負担軽減に向けたとりくみについての修正案も、執行部は受け入れたのです。
 かくして三教組第四十四回定期大会は地区執行部が決定的に追いつめられた歴史的大会とは成りました。私たちは続く神教組大会・日教組大会にたたかいの炎を繋げていかなければ成りません。 (笹倉)


住民票コードの流出

 5月16日、愛媛県愛南町の住民データ流出が報じられた。住基システムの委託先の元従業員の私物パソコンから、ファイル交換ソフト「ウィニー」を通じてというから、呆れるほかない。愛南町のプレスリリースには、流出した個人情報が次のように列挙されている。ここでは明記されていないが、全住民の住民票コードまで流出している。

流出したと思われる確保したパソコンの情報として、住民情報等約10万件のデータを確認している。
現時点で流出を確認している情報は次のとおり
住所、氏名、生年月日、性別、転出転入等の履歴、金融機関の口座番号等
・住基情報      4009件(西海町)
・住基情報     21913件(城辺町)
・移行用ファイル 15600件(城辺町)
・口座管理ファイル   287件
・金融機関コード等   131件(個人情報なし)

 新聞報道によると、愛南町は2004年10月、近隣の城辺町、西海町、一本松町、御荘町、内海村と合併し、人口約26900人とある。愛南町は「今回流出したデータは、南宇和郡5町村が合併することに伴い平成15年4月21日付けで(株)デンケンと委託契約し、平成16年10月28日業務が完了した『南宇和郡統合電算システム構築に伴うデータ移行および操作・研修業務』の約3年前のデータの一部である」と説明している。
 委託業務はデンケン事務所または旧城辺町庁舎で行い、終了後はデータをすべて委託者に引き渡すか廃棄処分することになっていた。業者がこの契約に違反した(再委託されていた)からこんなことになってしまった、と愛南町は泣きごとを言っている。しかし、もっとも問題なのは、このような杜撰な委託を行い、全住民の情報を流出させてしまった町当局の姿勢である。
 責任者である谷口長治町長は、「住民の不安を解消するため、職員を全戸に説明に回らせる。町民が住民票コードの変更を希望する場合は速やかに手続きし、流出させた業者への法的措置も検討したい」と述べている。しかし、希望する場合≠ネんてのんきなことを言っている場合ではない。それこそ、速やかに全住民の住民票コードを変更しなければならない。それとも、もう住基システムを切断してしまったほうがすっきりする。
 さて、今回の住基情報流出だが、数年前の委託業務から漏れたものであり、この再委託先、山口電子計算センターからは北秋田市の住民情報も流出している。つまり、全国どこの自治体においても、委託先や再委託先の従業員の私物パソコン内に住民情報を残してしまっている可能性がある。ただ、それがまだネットに流出していないだけかもしれない。
 今回の事態が住基システムに与える影響は少なくないだろう。何しろ、これまで裁判においても抽象的な危険性にすぎない≠ニされていたことが、現実に起きたのだから。住基ネット差し止め訴訟全国弁護団も、緊急声明で次のように述べている。
「この事態は、コンピュータ・ネットワークにおける住民情報の流出事故、及びそれによるプライバシーの侵害が、いかに大規模に生じ、かつとりかえしがつかない深刻な事態を生じさせるものであるかを改めて私たちにつきつけるものであり、ひいては、ネットワークの最たるものである住基ネットが、国民・住民のプライバシーにとって、いかに危険な存在であるかを明白に示すものである」
住基システムの終わりのはじまりだ。    (折口晴夫)案内へ戻る


読書案内 「オニが来た」 著者;大道珠貴 光文社発行 1575円

 夫が私の誕生日祝いに選んでくれたのが本書で、タイトルを見るなり何か「夫らしくないものを買ってきたなあ」と思いました。表紙には写真で、女性が好む、スウィートポテト・大福・モンブランなどがお皿にのせてあります。児童書の桃太郎ではないけれど、オニとは一体なになのか、その疑問を持ちながらページをめくっていきました。主人公は「私」こと「ポンコ」、43歳の専業主婦。2年前に4つ年上の山倉福太郎と結婚したばかりなのに、夫の申し出で別居となり、夫の実家で両親の「介護みたいなこと」を頼まれ、その日々を記録したものが書となった、ということです。日記風だからとても読みやすく、いつのまにか読み手自身がゆったりした介護の日常に引き込められていました。

生活を楽しむ山倉家
「だんなさんが、ふっくらした手を私の手に重ね、申し訳なさそうに、『いっとき、自由に生活したいんだ』と言ったのが、ことのはじまりだ。私の大好きな、にこやかでぽっちゃりした顔で。会社は辞めたらしいのは知っていた。だから今度は私がパートにでようかと思っていた矢先だった」
 夫・福太郎は、いっときしたら帰ってきて新しい会社を探して働くから、その間、夫の実家で介護みたいなことをして、ゆっくり羽をのばしてきたらいい、と「私」に告げて出て行く。ダイエット村で自由に過ごす夫を、何も責めずに送り出す妻の「私」は、普通に考えて不自然な関係に思えるのです。夫のいない間の生活費はどうするの? 夫の実家で食べさせてもらってたらいいの? 実家の家族に馴染めなかったら、一人で生活するの?本当だったら、もっと深刻な事態かもしれませんが、夫の望む通りに「私」と山倉家の年長者たちの生活は始まります。
 山倉家には、元医者でおしゃれな虚弱体質の義父、糖尿病のけのある義母がともに74歳、家族同然のお手伝いさんで、耳の遠い黄泉さん78歳の3人が同居しています。同じ町内には独身の義姉もいます。1キロのマヨネーズが冷蔵庫で幅をきかし、甘いものには目がないお年寄りたち。夏は2階のベランダで花火大会を楽しみ、お酒とスゴロクも恒例で、お正月には近所の人たちの挨拶でにぎやかな山倉家。介護らしきものといっても、ベランダへ上がるときにお尻を持ち上げたり、甘さ控えめのにんじんケーキを作ったりと、気が付けば「私」自身が夫の家族に癒されていた、と気付きます。

新幹線は異空間
 義弟の結婚をきっかけに、山倉家の長野旅行が計画されます。久々の泊まりがけのお出かけとあって、女性陣はおめかしに思案をし、旅を楽しむ準備に大忙しです。新幹線の旅では、駅弁をお年寄り3人が一斉にほうばり、鬼気が迫る思い。その後、指定席の切符を探したり頻繁にトイレに通うなど落ち着かないが、時間がのんびり過ぎて映画の話になり、「私」は小学校の頃の映画鑑賞の話をするうちに、思い出した場面に感動を覚える。そして3時になるとお菓子好きの慣習は、きっちり行われ家から持ってきたインスタントぜんざいが登場する。お年寄り3人のとりとめのない会話の中で、「私」は深い眠りに落ち、夫・福太郎がダイエット村で女性と手をつないで、かごめかごめをしている夢をみる。これは「私」のちょっとした想像だったらしい。
 義母の自転車の挑戦、義父の社交ダンス、町で女優にスカウトされたお手伝いの黄泉さん。山倉家のお年寄りは自分に正直で、無理せずそれぞれに合った生活を送っています。介護保険ができて社会化されたことは評価できるけれど、実際のところはどうでしょう。私の義母(夫の母)は、今、自宅に近い特養で生活しています。最初の頃は、面会に行くと、食堂で車いすに乗って過ごしていました。しかし、この頃ではベットに横になっているのが常です。私たちが声をかけると頭を動かし、目を合わせます。誰も声をかけてくれなかったら、昼間でもそのまま眠ってしまうことになります。会話もほとんどなくなり、単調な毎日を送るしかないのでしょうか。前に入っていたグループホームとのあまりにも違う対応に戸惑ってしまいます。預ける側のわがままと言われてもしかたありませんが、施設に入ってしまえば普通の生活を送ることを断念するしかないのでしょうか。

歳をとることをプラスに
 介護保険が導入されて6年間で5・4倍で、都市部を中心に有料老人ホームが急増しているといわれています。教育業界でお馴染みのベネッセ・コーポレーションが、有料老人ホーム建設で多様なブランドで対応して成績を上げています。入居一時金を2000万円台から600万円以下の5ランクに分け、経営効率を図っているからです。2000万円台の場合、入居後8年以上になると経営は赤字になり、長生きは困るということらしい。しかし、600万円から2000万円以下、600万円以下なら月額利用料を高め(168000円〜241000円)にしているため、入居者がどれだけ長生きしても会社は困らない。「週刊ダイヤモンド」(5月19日号)の特集『介護地獄』では、有料老人ホームのランキングも掲載し、読者の関心を集めています。家族にかかる費用がどれくらいか、切実な問題です。

 たとえ、夫・福太郎と離婚という結末になっても、山倉家の人々と一緒に暮らすだろうと決意する「私」。家族という枠を超えたつながりに、介護の新しい形を提供してくれていると思う。「私」の日記の最後を紹介して終わりにします。

「歳をとるって、うらやましいな。明日がくるかどうかより、今日だけで満足しているようで」「私も、歳をとるのが、楽しみ。ねえ、そして、だんなさんといっしょだと、さらに楽しいでしょう。いつかお迎えの順番がくるんだ。必ず、だれにもくるんだ。私たち家族はそれを守りましょうね。くっついたり離れたり。くり返しと、ふくらんだり、しぼんだり。アカの他人も巻きこめたらいいね」 (折口恵子)


辺野古に自衛隊派遣

防衛省は、米軍普天間飛行場の代替基地が建設される名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸部で防衛施設庁が行う環境現況調査(事前調査)を支援するために、海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」(5,700トン)を派遣し、18日からの調査機器設置に自衛隊の潜水士を参加させた。
ついに安倍政権は、辺野古の米軍基地建設のために自衛隊を投入するという暴挙に出た。
 政府は「調査機器設置作業を手助けするためだ」とか「官庁間協力である」などと言っているが、本音は現地の反対派を脅かし、圧力をかけて、反対運動を軍事力で押さえ込もうと考えているのである。
 この暴挙に対して、さすがに沖縄県の仲井真知事も「海上自衛隊が参加するような状況にあるとは考えられない。いずれにしても、特殊な任務を持つ海上自衛隊が関与すべき事態かどうか、疑問に思うし、反自衛隊感情を助長するようなことは避けるべきである」と、不快感を表した。
 沖縄の自民党も「調査そのものは進めるべきだが、なぜ自衛隊が入ったのか分からない。国と県が話し合い県民に分かりやすく説明すべきだ」と。また与党である公明党も「調査は業者が粛々と進めればよい。自衛隊を参加させる防衛省の意図が理解できない。県民への配慮に欠くやり方は遺憾である」と、疑問を呈した。
 社民党・社会大衆党・共産党などの野党は、「辺野古は紛争地帯ではない。住民運動への自衛隊投入は、住民を守らず、新基地建設を守ること。いかなる理由があっても許せない」と、政府の対応を強く批判した。
 辺野古沖では、18日から民間業者と海上自衛隊の潜水士が調査機器設置作業を開始し、20日までに着床具設置を一通り終了した。この間、「命を守る会」などの基地建設反対派は現地での抗議の座り込み、また作業を阻止するために沖合でカヌーによる抗議行動を展開した。
 調査機器の設置が終わった19日と20日に、現地の環境団体である「ジュゴンネットワーク沖縄」と「ジュゴン保護基金委員会」がダイバーによる調査機器の設置状況を調査したところ、サンゴ礁が損傷を受けたことが発見された。
 サンゴの産卵状況を調べる着床具は辺野古沖合約1.5キロのマナル岩と呼ばれる岩の沖合のリーフの外、水深約8メートルの地点に設置されていた。着床具は1.5メートル四方のステンレス製で、脚部四ヵ所を海底に突き刺した鉄筋で固定してある。その鉄筋のうち一本が生きたサンゴを貫通し亀裂が入っている状況を確認した。
 設置を急ぐ自衛隊は今回ルール違反の「夜明け前の作業」を実施したようだ。
 SACO(日米特別行動委員会)合意による海上埋め立て案に伴うボーリング調査では、防衛省施設局は夜行性ジュゴンに配慮して作業開始を日の出後に設定していた。また、今回の調査に関して県は、4月に施設局に出した海域使用の同意文書で、「自然環境への影響を可能な限り回避・低減すること」を掲げ、「機器を設置するときはサンゴのない場所を選んで作業する」との作業手順を確認している。
 現地の環境団体メンバーは、「サンゴに詳しい民間業者ではなく、自衛隊員が海に入ったので、そういうことになったのではないかと推測できる」と、「サンゴの確認自体が難しい時間帯に設置作業を始めたということからしても、サンゴやジュゴンへの配慮が全く欠けており、本末転倒という言葉がぴったり。一体、何のための調査なのか、もう一度考えてほしい」と批判の声を上げている。
 まさにそのとおり。基地建設が、ジュゴンやサンゴにとって最悪な事態をもたらすことが懸念されているにもかかわらず、ジュゴンの通り道だと言われている沖合1キロのリーフの切れ目に当たる地点に「水中ビデオカメラ」を設置して悪影響を与える。サンゴを調査するために「着床具」を設置してサンゴを損傷させてしまう。まさに本末転倒である。
 今回のような自衛隊の派遣がまかり通ることになれば、国の公共事業に反対して現地闘争を展開する反対派(例えば、ダム建設や空港建設や道路建設などに反対する住民運動)を鎮圧するためにどんどん自衛隊が派遣されることになるかもしれない。自衛隊の目的外利用である。
 9条の改悪・改憲をめざす安倍強圧政権は、次第にその本性をあらわしつつある。(英)案内へ戻る


連載 グラフで見る高校生の意識調査 その13

 問13 あなたは社会全体で見た場合には、男女の地位は平等になっていると思いますか。あなたの気持ちに最も近いものを〜6の中で1つ選んでください。1男性のほうが非常に優遇されている 2どちらかといえば男性のほうが優遇されている 3平等4どちらかといえば女性のほうが優遇されている 5女性のほうが一非常に優遇されている6わからない(空白)(「男女共同参画社会に向けての高校生アンケート調査報告書」発行者・南阪神ねっと、より転載)
「社会全体としてみた場合」との質問には、以前の質問の「職場」「政治の場」の答えと似た結果になりました。「男性優遇」・「どちらかといえば男性優遇」と答えた人が過半数です。平等だと感じている人は全体で2割弱、特に女子に少なくなっています。
内閣府調査の20代以上の意識と比べると高校生のほうが「男性優遇」・「どちらかといえば男性優遇」と答えている人は少ないですが、平等と答えている人は世代が違っても大きな差は見えません。高校生の場合「わからない」と答えた人が目立ちます。
高校生が社会全体で見た場合、平等と感じるのは、男子は23・1%、女子は13%、と意識の差があります。しかし、「教育」の場である学校と限定すれば、男女とも60%以上が平等であると回答しています。男女平等の理念は、学校内では一応守られていると認識させられているからでしょう。しかし、家庭に帰ればパートの仕事を終え忙しく家事をこなす母親の姿があり、女性の置かれている状況は一目瞭然ではないでしょうか。同じ女性としての想いが、この数字(「職場」と限定すれば、女子の70%が男性優遇と回答となって現れていると思います。結婚して出産することが、男女平等の妨げになると、非婚願望をもつ女子高校生。結婚すると自分の生き方をジャマされるように感じる男子高校生。こんなマイナス思考を持つことは悲しいことです。彼ら彼女らに、前向きな姿勢を選択できるような情報提供を、私たちが考えましょう。(恵)


色鉛筆  はしか流行 ―予防接種は効果がない!!―

先月の中旬頃より、首都圏ではしか(麻疹)が流行し、患者の多い東京都内の大学では休講措置をとり5月21日までに学生15万人以上に影響が出ているという。はしかとは、図のように感染力が強いものなのだが、「はしかにかかると脳炎や肺炎を起こす、大変なことになる!」と大騒ぎして大学側もマスコミの報道も、私達に恐怖感を与えているように思える。私は、あまりにも過熱した騒ぎにあきれながらも、ワクチンの有効性についてわからなかったことが明らかになった。
15年以上前になるが、インフルエンザ予防接種は保育所、幼稚園、小・中学校で集団義務接種が行われていた。当時、予防接種による副作用事故が各地で起こり「予防接種を考える会」の学習会や集会に参加したことがあった。その中で「朝、元気だった子どもがインフルエンザの予防接種をして高熱が続いて脳性マヒになってしまった。私達、親がもっと注意していればこんなことにならなかった。」と涙ながらに訴えていたことを思い出す。いろいろな予防接種があるが、ワクチンで予防できるかどうか基礎データはなく接種量、有効性、安全性についてははっきりわからないということだった。まさに、今、流行しているはしかは、1歳半(当時は1歳半からの接種、現在は1歳から)から接種したはしかワクチンの有効性がない=効果がなかったことが明らかになったのだ。
病気にならない為には、予防接種をしてある程度の副作用は仕方がないという医師達が大半なのだが、何よりも予防接種を推進しているのは製薬会社が儲ける為だった。(医師と製薬会社の癒着)『病気になったら大変なことになるから予防接種をすれば大丈夫』という宣伝を信じて親達は子ども達に予防接種をしてきた。ところがどうだろう、予防接種をしても十分な免疫が得られなかったのだから、はしかに感染した人は製薬会社を訴えても良いのではないかと思うぐらいだ。
私の知人は子どもがはしかにかかり「高熱が続いて、親も子も大変な思いをしたけれど、はしかにかかってから子どもの体は免疫力がついて強くなったよ。必要性、有効性、安全性がはっきりわからない予防接種をするよりは、自然感染をして免疫をつけたほうがいいよ」と話してくれたことがあった。しかし、現実に子どもが病気になってしまったら困ってしまう。だから病気にならないように薬を飲んで注射をして薬漬けになっている今の社会。喜んでいるのは製薬会社なのだ。私の好きな小児科医の山田真氏が「共働きの家庭では、子どもが病気になった時など子どもとじっくり向き合って付き合えるチャンスですから、焦って病気を治すという気持ちにならないほうがいい。でもこれを実現する為には子どもが病気の時は休めるような休業制度ができることが絶対必要です」(「ちいさい・おおきい・よわい・つよい」NO.10から抜粋)と言っている。本当に子どもが病気になっても大丈夫という社会を作りたいものだ。
今回のはしか流行で私達に恐怖感を与えてはしかの予防接種率が上がれば製薬会社は儲かる。ワクチンの在庫数が不足しているとマスコミで宣伝すればみんなが殺到して接種すればさらに儲かる。冬になるとマスコミが大宣伝する、任意接種のインフルエンザも同様だ。私達はマスコミなどにだまされないで確かな情報を得て、自分で判断しなくてはならないだろう。TVで休講にしない大学が「休講しても学生は、家にいるわけではないから出歩いてもっと感染するのでないか」というコメントがあった。さて、はしか流行はどうなるか?(美)


安倍総理大臣等の呆れた発言を暴露する

 事務所経費疑惑や急遽浮上してきた緑資源機構疑惑の中心にあった松岡農林大臣が「自殺」しました。
 少し前松岡大臣の地元の有力者も自殺し、松岡大臣と十数年来の付き合いがあった「緑資源機構」の前身である「森林開発公団」の元理事、山崎氏が、横浜市内の自宅マンション駐車場での死亡が確認され、警察は「飛び降り自殺」と早々認定したのです。
 安倍内閣の組閣以来、不徳の閣僚等の不祥事が続発しています。
 去年の十二月には、本間政府税制調査会会長が議員宿舎に愛人を囲ってたことが発覚、内閣府佐田特命担当大臣が、実際には存在しない架空の事務所に、十年間で七千八百万円もの事務所費を支出した虚偽の政治資金収支報告書を提出してたことが発覚、今年の一月になると、冬柴国土交通大臣の民間航空機の私物化問題、伊吹文部科学大臣の不正事務所費問題、根本内閣総理大臣補佐官の裏金疑惑、久間防衛大臣の政治団体「東京久栄会」や「辰巳会」の所在地が単なる雀荘だった問題と、わずか一ヶ月のうちにこれほどの疑惑や問題が発覚したのです。
 さらに一月の末には、柳澤厚生労働大臣の「女性は産む機械」発言があったのは記憶に新しいのではないでしょうか。二月に入ると、尾身財務大臣の情報漏えい問題が発覚、さらには、長勢法務大臣、伊吹文部科学大臣、柳澤厚生労働大臣、若林環境大臣の四閣僚の公職選挙法違反も発覚、中川秀直幹事長の自宅や後援会事務所などが、税金逃れのために財団法人所有の土地に建てられてたことまでが発覚しました。
 ついに三月に入ると、安倍総理の資金管理団体の「晋和会」や、政治団体「東京政経研究会」の政治資金収支報告書の捏造が発覚、さらに癒着してる医療法人から違法な政治献金を受け取ってたことも発覚しました。
 そして今回の松岡大臣の自殺により空席となる大臣席への若林氏の横滑り人事です。この人は統一協会と関係が深いと言われてきた人物であることに注目しないわけにはいきません。安倍総理自身が岸元総理以来統一教会と深い関係にあると報道されてきたからです。
最近の報道によれば、松岡大臣は国民に説明責任を果たし辞任したのに、発言も辞任も禁止されていたとも言われており、こうした経過を見れば、安倍総理が松岡大臣の自殺について、「大変残念です。慙愧に堪えません。心よりご冥福をお祈りします」と述べたのは、自らの任命責任を自覚した言葉本来の意味での適切な言葉だと私は受け止めたのです。
 なぜなら「慙愧」とは、「自分の言動や行動などの見苦しさや過ちを反省して、心に深く恥じ、その反省の意を表明すること」だからです。しかしその後の安倍総理の言動を見ると安倍総理がその意味では発言していなかったことは明白です。
 安倍総理の頭の中では、そもそも慚愧とは残念を単に難しく表現したものだ、との私たちの想像を遙かに超えた思いこみがあるのでしょう。そう言えば、文科大臣の資格がないと指摘された伊吹氏も、これで各種の疑惑の追及が出来なくなったから、まさに「死人に口なし」だとの自らの安堵感と一体になった発言を平然と行っており、またまた文科大臣や教育についての発言をする資格がないことを自己暴露させる事になってしましました。
石原都知事にあっては、この自殺について、「何があったか知らないが、死をもって償ったという意味では、彼もサムライであった」との全く頓珍漢なコメントをすることで、日本語を使いこなせない小説家としての自己の本性を明確にしております。
 まさに呆れ果てた現代日本の政治支配者たちではないでしょうか。こんな破廉恥漢達は打倒あるのみです。 (猪瀬)


●なぜ、“地球学”を聴講したいのか

 数年前だったか、「明日、地球が亡ぶとも、私は今日リンゴの樹を植える」、これは開高健のコトバである。当時「地球が亡ぶ」というコトバを実感をもって聞いたわけではなかった。
 しかし、最後の楽園、南洋の島が沈んでいくとか、黄色い粉が飛んできたり、アフリカの植民地状態のような相次ぐ現象。その結果、砂漠化していく(天王寺動物園でサバンナを見せてもらった)のを見るにつけ、果たして地球は大丈夫か、もう手遅れでどうしようもないのか。ダメモトで(大阪のおはこ)やらなきやなるまい、と思った。
 私の親しかった人々は皆逝ってしまい、私は少々生きすぎたと思うし、死にみやげに環境問題でアチコチに顔を出すうちに持った疑問や、異説の当否も確かめたい思いを強く持っている。たまたま見た市大の地球学や地質学の学生募集の広告に、地球学を聴講したいと思うようになった。 最も大きな理由は、先進諸国及び発展途上の国々が、のどかな南半球を食いかじっている、という罪のようなものを感じるからである。人生の終わりに近い年になって、グローバルな勉強の目標に、めぐりあえたような気がして、喜びを感じている次第。
  2007・4・25(1955年市大中文卒宮森常子)案内へ戻る