ワーカーズ509号 2014/4/1
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ふざけるな!取り巻き政治――安倍首相による政治の私物化を許さない!――
安倍首相が集団的自衛権行使の容認に向かって暴走を続けている。
3月20日に14年度予算案を成立させた安倍首相。後半国会での行使容認への執着心は露骨だ。安倍首相が考えるタイムスケジュールは、4月にも出される予定の安保法制懇の答申を受けて、与党や国会の議論を経て閣議決定で行使できるようにする、というものだ。その後、米国との間で見直される予定のガイドライン交渉に間に合わせるため、秋の臨時国会で自衛隊法改正など関連法制を整える、という段取りだ。
それにしても解釈変更の手法や手順では、首相の唯我独尊の強引な進め方が目立っている。首相が変更の根拠にする安保法制懇の答申。だがその懇談会は首相の私的諮問機関に過ぎない。座長代理の北岡伸一国際大学長、岡崎久彦元タイ大使、西元徹也元統幕議長、などタカ派が多いメンバーは、安倍首相がかってに選んだものに過ぎず、いわば〝お友達〟による出来レースに過ぎない。そんな政治の私物化に引き回される筋合いはない。
そもそも安倍首相の政治手法では、取り巻きを使った〝お友達政治〟が際立っている。安保法制紺ばかりではない。内閣法制局長官には、以前から集団的自衛権行使の容認派である小松一郎元外務省局長を、慣例を破って外部から登用した。安倍首相のセールスポイントになっているアベノミクスでもそうだった。金融緩和に積極的な黒田東彦総裁や岩田規久男副総裁を任命して日銀をコントロール下においた。教育改革では教育再生実行会議に安倍色が強い作家の曾野綾子や八木秀次高崎経済大教授を入れ、国家主義教育へのレールを敷いている。またNHKでは、この間さんざん物議を醸した百田尚樹、長谷川三千子といったとんでもない〝有識者〟を経営委員に任命し、これもとんでもない籾井勝人会長を任命させた。
首相の直属機関や私的懇談会などに首相の取り巻きを入れて、それをてこに逆流政治を進めている安倍首相。取り巻きを使った政治の私物化を許すことはできない!(廣)
消費増税 安倍政権の終わりの始まり――一時のあだ花に終わるアベノミクス――
本号が届くこの4月1日から、消費税が5%から8%に引き上げられる。税と社会保障の一体改革を看板に導入された消費増税。来年秋に予定される10%への引き上げとあわせ、これから続く「大負担時代」の幕開けでもある。
その消費増税。この一年半世間を惑わしてきたアベノミクスの終わりの始まりになるだろう。一時のカンフル剤に振り回されることなく、反転攻勢に舵を切るときだ。
◆まやかし
消費増税を前にした4月20日、各家庭に政府公報の新聞折り込みチラシが配布された。本紙読者諸氏も目にしたと思われるが、そこでは消費増税の建前と使われ方が書かれていた。曰く、「社会保障と税の一体改革」「増税分はすべて……社会保障のために使われます」云々。
その広報では、増税分5兆円の内訳として、子育て支援0・3兆円、医療・介護などの支援0・2兆円、遺族基礎年金の父子家庭への拡大10億円、年金国庫負担分1/2の恒久化2・9兆円、次世代へのつけ回しの軽減1・3兆円とある。これらは全くのまやかし、ペテンでしかない。
たとえば子育て支援については、保育所を増やすことは既存の制度での当然の施策であって、社会保障の拡充とはいえない。年金国庫負担分も次世代のつけ回しも財源の机上操作でしかない。要するに30兆円の社会保障の財源を、今までは他の財源から賄っていたのを消費増税分で置き換えただけなのだ。そこで浮いた財源は、復興対策や景気対策という名目で公共事業などに振り向けられているの。税と社会保障の一体改革まさにまやかしという以外にない。
現に3月20日に成立した24年度予算は95・9兆円で、公共事業は12・9%、防衛費は2・8%も増やしている。補正予算を合わせればそれはより際立つ。消費増税によって、本来は減額して社会保障に廻すべきこれらの予算を増やしたのだ。おまけに安倍首相は、成長戦略の目玉として法人実効税率の引き下げに言及しており、結局は庶民から吸い上げた消費増税分を一部の黒字大企業の減税に振り向けようとしているのだ。こんなまやかしには呆れかえる以外にない。
◆失速
一方アベノミクスはどうだったか。
アベノミクスは、第一の矢としての金融緩和、第二の財政出動、第三の成長戦略ということだった。それらによって〝失われた20年〟から脱却して新たな成長パターンを取り戻す、という触れ込みだった。
しかし昨年4月に黒田日銀新総裁が踏み切った〝異次元の金融緩和〟で、昨年5月に株価が15000円台をつけた。日銀による金融緩和を当て込んだヘッジファンドなど外資が大量に流れ込んだからだ。昨年一年間で外資の買い越しが15兆円にも上ったという、いわばマネーゲームの結果でもあった。しかしその後乱高下を繰り返し、今では14000円台。異次元の金融緩和が発表され当初こそ市場にインパクトを与えたものの、その後の一年間は低迷を続け、尻すぼみがはっきりした。
財政出動はどうか。震災復興を含む公共事業を増やしたが、それは一時のカンフル剤。それを承知のゼネコンは設備投資の拡大には動かず、コンクリート事業のコストが上がっただけだった。
では第三の矢の成長戦略はどうか、画期的な技術革新はみられず、また円安による輸出拡大のもくろみは外れ、結局は法人減税や特区構想などインパクトがないものばかりだ。昨年6月5日に打ち出された政府による成長戦略第3弾も効果なしと見透かされて、当日の株価は518円も下げた。
株高や輸出産業で膨らんだ利益がどれだけ労働者の賃金に貫流するか注目された今年の春闘。安倍首相による賃上げパフォーマンスにもかかわらず、波及は限定的なものにとどまっている。数年ぶりと大騒ぎした割にはベアは大手企業にとどまり、それも0・44%。3%の消費増税の負担を解消するには少なすぎる。しかもますます増える非正規労働者への波及は微々たるものだ。安倍首相は財界の意向を受けて、派遣労働の緩和で〝生涯派遣〟を増やそうとしている。正規社員のわずかのベアも、派遣など非正規を増やせば賃金総額は増えることはない。これでは需給ギャップは解消できないし、国内需要の拡大にも結びつかない。アベノミクスは一時のカンフル剤でしかなく、ミニバブルを醸すだけが関の山。先行きの見通しは開けないのだ。
◆終わりの始まり
アベノミクスの前提は、3本の矢で経済成長パターンを復活させる、できるとの考えだ。だが日本は追いつき追い越せの時代はとうに終わり、今では新興国に追い上げられる時代だ。産業構造や消費生活も成熟期にあり、大きな需要が発掘される余地も少ない。しかも少子高齢化に歯止めがかからず、2060年には人口が約1億3千万人から約8700万人に、生産年齢人口も今の約8000万人から約4400万人にまで減る。その体力が落ちた労働力でどれだけGDPを増やせるというのだろうか。もはや従来型の経済成長を追い求める時代ではないのだ。
そもそも日本が失われた20年になった原因はどこにあったのだろうか。バブル崩壊以後、日本は雇用削減や非正規労働者の拡大や下請けたたきでコスト切り下げに傾斜し、さらには生産拠点の海外移転などもあわせ、海外生産型、輸出主導型の成長路線を追い求めてきた。内需は縮小し、そこで生じた需給ギャップ=過剰生産はこれまで一度も解消されることなく、度重なる景気対策でつじつまを合わせてきただけだった。その結果が失われた20年であり、また1000兆円を超える国の借金の山だった。
では内需中心型経済でやってきていればどうにかなったのかといえば、そうとも言い切れない。目先の方策としては必要な選択ではあっても、中長期的には展望があるともいえないのだ。内需拡大には賃金引き上げなどコストアップが含まれ、グローバリゼーション時代にあっては対外競争で不利になるからだ。いずれにしても、資本制経済のもとでは、成長を追い求めること自体が成り立たないという、矛盾に満ちた時代が到来したということなのだ。
集団的自衛権の行使容認など、戦前体制への回帰路線を突き進む安倍首相。その基盤となっているのが50%前後の支持率だ。その支持率を支えているのは一時の景気回復への期待を振りまいてきたアベノミクスだ。しかしそのアベノミクスは失速し始めている。4月からの消費増税が、その幕引きを告げることになるのだろう。私たちとしては、新年度を安倍政権の終わりに始まりとすべく、反転攻勢の年にして行きたい。(廣)
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色鉛筆・・・ベビーシッター事件に思う
また、幼い子どもの命が失われた。先月の17日、横浜市でベビーシッターに預けた男の子2人が埼玉県のマンションで見つかり、2歳の兄が亡くなっていた。また、というのは約4年前の2010年、大阪で母親がマンションに置き去りにして幼い子どもが2人亡くなった事件があった。この2つの事件とも若い20代の母親が幼い子どもを2人かかえて、父親もいなく一人で子育てをしている母子家庭であることや、夜の飲食店や風俗店で仕事をしていたことが共通しており、こうした状況におかれている女性達が増えていることを現している事件だ。 今回の事件で驚くことは、母親がインターネットの紹介サイトを通じて依頼していたようだが、私はネット託児というもがあることも知らなくこの事件で初めて知った。私の知っているベビーシッターは、預かる子どもの家に行って一緒に過ごすものだと思っていたが、今は、親の希望とベビーシッターの条件を紹介サイトに載せて、当事者同士で交渉をして成立したら親は子どもを預けるようになっているようだ。いやはや子どもは小荷物か?と思いたくなるが、ネット託児を利用している人たちは、「近くに頼れる人がいなく、不安もあるし信用できない面もあるが、頼まざるを得ない場合もある」と切実だ。子どもが病気になった時、仕事は休めない、病気の子どもを預かってくれる保育園はない、どうにもできなくなって利用しているのだろう。幼い子どもをかかえて仕事をしている女性達には、勤務時間を短くして病気の時は休めるような体制があれば、ネット託児は必要がないはずだ。 また、ネット託児の依頼者には収入が少ない人や、飲食店や風俗店で深夜に働く女性が多く、相場の半額程度で利用できる安さも売りになっているという。今回の母親も託児所に毎夜、子どもを預けると手取りが少なくなってしまい、働かなければ生活が苦しいので安いネット託児を利用したようだが、幼い子どものいる母子家庭の女性達には、昼間の仕事ができるように就職先を斡旋してあげたり、安心して預けられる保育園があればこんな事件は起こらないはずだ。2歳の子どもが、見ず知らずの初めて会う人に預けられてどんなに不安で怖かっただろうと思うと切なくなる。
保育園で働く私は、ときおり一時保育の子どもをみることがあるが、1歳から3歳ぐらいの子どもは初めての環境に驚いて泣いて泣いて泣き続けるのが普通だ。泣いていると周りの大人や子ども達が声をかけてくれると、一瞬泣き止みまた泣くが徐々に慣れていき時々思い出しては泣いたりしている。知らない人と知らない家で24時間以上過ごすことになれば、幼い子は泣いて食べたり飲んだりもしないで泣き続けるだろう。ベビーシッターも狭いマンションの一室で四六時中、泣いた子に一人で関わっていればついカッとなってたたいたり口をふさぎたくなってしまうのかもしれない。現に、今回の2人は発見された時衣服を着けていなく、8ヵ月の弟は裸の状態で寒さや飢えなどで起こる低体温症と診断され、亡くなった2歳の兄は窒息死の疑いがあるというのだ。なんと痛ましい事件だろう。若い母親もベビーシッターの若い男性も生きていく為にした事で悲劇が起こってしまったが、根本的にあるのは今の格差社会の中で貧困からきているのではないかと思う。(美)
「沖縄通信・46」・・・京都・丹後半島に米軍Xバンドレーダー基地建設!
米軍基地は京都にも沖縄にもいらない!
2013年2月22日、日米政府は米軍Xバンドレーダーの日本国内への追加配備に合意した。それを受け、いま京都府京丹後市の経ヶ岬に新たに米軍基地をつくろうとする動きが進んでいる。米軍と防衛省は今春にも工事を着工しようとしている。
★Xバンドレーダーとは?なぜ経ヶ岬に?
遠方から飛んでくるミサイルを空中で撃ち落とすという弾道ミサイル迎撃システムの一部。このレーダーが捉えた情報にもとづき迎撃ミサイルが発射される。Xバンドレーダーの探査距離は1000キロ以上、強力で最新鋭の兵器である。
米軍のXバンドレーダーは、2006年に青森県つるが市の自衛隊車力基地に国内に初めて配備。経ヶ岬への配備計画はそれに継ぐ二番目のもので、近畿に初めての米軍基地建設となる。
想定されているのは朝鮮民主主義人民共和国からのミサイル発射。車力のレーダーはハワイに向けて、経ヶ岬に配備予定のものは主にグアム方面へと向かうミサイルをより前方で捕捉するためのもの。
現代の戦争においてレーダーは決定的に重要な役割を果たす。それゆえ、戦争の際にはレーダーは真っ先に攻撃対象となる。今回の米軍Xバンドレーダー基地の建設は、丹後半島を東アジアでの戦争の最前線に変えるとともに、周辺住民を戦争の脅威を日々さらし続けることになる。
★米軍人・軍属160人が駐留する新しい米軍基地
この米軍のXバンドレーダーの本体は、現在の航空自衛隊経ヶ岬分屯基地内に配備される。しかしそれ以外の制御設備や電源設備、冷却装置などの関連装備の設置は、新たに用地を取得してそこを含めて新たに米軍基地を造ろうと、あわせて自衛隊基地も拡張されようとしている。
建設予定の米軍基地には約160人の軍人・軍属が駐留予定。防衛省はそのほとんどが民間の技術者と警備員だと説明しているが。この「警備員」とは、いわゆる民間軍事請負会社から派遣される、いわば「傭兵」である。私たちが普段日本で接する警備員とはわけが違う。車力基地の警備は米ブラックウォーター社の関連会社が請け負っているが、このブラックウォーター社の警備員はイラクやアフガニスタンでは戦闘も担い、イラクでは民間人虐殺によって非難を浴びてきた。
この民間の技術者と警備員は基地の外に居住する予定。その住宅建設も付け加わる。こうした米軍基地及び関連施設の建設と維持のために必要とされる費用は、すべて私たち国民の税金で賄われることになる。沖縄の米軍基地を始め政府の米軍基地予算は湯水のごとく費やされている。進まない東北の被災者救援こそが大事であり先ではないか。怒りの声を上げよう!
★米軍基地はどこにもいらない!
防衛省は現地の人たちにの不安に応えず、十分な情報を公開せず、事前調査も行わず、ひたすら基地建設に向けた動きを進めている。強引な手法によって2013年末までに米軍基地建設の用地を確保し、この14年春からいよいよ具体的な建設工事を着工しようとしている。こうした防衛省の強引な姿勢・態度は、沖縄の辺野古でも高江でも同じである。
この経ヶ岬に新たな米軍基地が建設されれば、さらに近畿地方に第二・第三の米軍基地が建設される突破口ともなりえる。戦争のための基地は、沖縄にも京都にも岩国にも、どこにもいらない!
安倍政権はいま、集団的自衛権行使の容認、さらに憲法改悪など、戦争への道を突き進もうとしている。それを許さず、沖縄でも本土でも米軍基地の建設反対、基地撤去の闘いを広めていこう!
★「米軍Xバンドレーダー基地反対・京都連絡会」「近畿連絡会」の取り組み
京都府民が中心になり「京都連絡会」が結成され、近畿各府県の闘う仲間の結集によって「近畿連絡会」が発足した。これらの経過の上に、昨年12月15日京丹後市峰山において「京丹後市経ヶ岬に米軍基地はいりません!平和の叫びと人間のくさり」行動が約1200人が結集して取り組まれた。
そして、4月20日(日)午後1時~3時に、京丹後市丹後町の「宇川農業会館」で現地集会「京都にも沖縄にも、どこにも米軍基地はいらない!Xバンドレーダー基地建設着工反対!」が開催される。新たな米軍基地を止めるために、共に力を合わせましょう!(富田 英司)
当日は京都、大阪などからバスが出る予定。詳しくは事務局まで連絡を。 ・事務局番号090―1590―9469(山本純) ・eメールはkyogamisaki2013@yahoo.co.jp
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コラムの窓・・・国家主義や民族優位意識を乗り越えよう!
歌謡曲「人道」(作詞:いではく、作曲:原譲二)の歌詞に「受けたご恩は世間に返す 日本人なら変わらぬ道理さ昔から 人生はこころ通わす行き帰り 橋情けがみちづれ 人の道」と言う下りがある。「人の道」を説く時に「日本人」だからこそ変わらぬ道理があり、道理を理解できるとなぜ日本人を強調し持ち出すのか?外国人は「人の道」を理解できないのか?
今日、日本(人)を強調し褒め称える風習は、意識的に持ち出すかしないかに関わらず、生活のあらゆる場面で見ることができる。
Jリーグの浦和レッズのサポーターが「JAPANESE ONLY」という垂れ幕をかざしたことで、『人種差別』的として、無観客試合処分を受け、浦和レッズは一億円もの収入を得ることができなかったが、垂れ幕をかざした行為を『人種差別』として認識し反省しようとする姿勢には、世界中で起こっている政変や民族対立の現状を見る中で、少しだけホッとする気持ちである。
最近報じられているウクライナ情勢は、混迷を深める経済不安の中で、ロシアからの援助や支援にしがみつきその利権を守ろうとしたヤヌコビッチ旧政権に変わって、欧米よりの反ロシア派が勝利し、それに対抗する形でロシアのクリミア併合が行われつつある。米・欧州連合とロシアによる制裁処置合戦がエスカレートしかねない状況下、ロシア系住民とウクライナ人や他の少数民族を巻き込んで、今まで仲良く暮らしていた隣人同士が互いに相手をののしり合い、対立を激化する傾向さえ見せている。
日・韓、日・中関係では、「歴史問題」「領土問題」で対立し合い、企業の海外進出と市場のグローバル化に見られる経済的交流とは裏腹に、互いに、自国や民族の優秀さを強調し、対立の根を一向に絶とうとはしていない。
その背景には、経済のグローバル化に伴い交通手段や文化交流が図られ、互いに相互依存関係が作りだされているのだが、自社や自国の利益のみ優先せざるをえない資本の本質がある。
資本主義経済が未発展な国や時代には、生活の糧となる土地や水などの確保の為に、部族や民族単位で争い、集合と離散を繰り返しながら、各々が境界線を持ち、国を形成し、勝者となった部族や民族は国を代表するものとして優位意識も持ち、征服者として君臨した。
そして、資本主義経済の先進国は安い労働力と市場を求め(一時は軍事力に物言って)海外進出を果たし、多くの利益を得たが、一方、進出を受けた後進国の技術力や経済力を高め、対等もしくはそれ以上の力を持たせることになり、互いに物流の交換が行われているのだが、その市場では各企業間で激しい競争と対立が行われており、それが国家間の対立と競争として現れ、国内統一と対外敵視政策の為に、民族や国家意識を強調し、対立するまでになっているのである。
中国や韓国の経済的発展は日本経済界にとっても脅威であり、安倍政権の「集団的自衛権の行使容認」等の軍事的・国家主義的政治姿勢もそうした背景の中で持ち出されてきたもので、民族優位や国家主義を主張することが今後の人類(日・韓・中の人々にとっても)にとって良いことなのか考えてゆかなければならないだろう。
日本の国技である大相撲では、この春場所、鶴竜が優勝し、三人のモンゴル人力士が頂点の横綱を張ることになりそうである。日本人優位の説を説く人にとっては何ともやりきれない思いがするだろうが、そういうこともあり得るのが、国際交流が深まっている、今の世の中なのである。
日本人や単一の民族の優越を強調する前に、世界に目をやり、人類全体の未来のことを考えるよう心がけるべき時期にきている、まずは、身近な民族優位意識・国家主義的策動に反対し、競争や利潤追求の資本主義経済から、信頼と協調による協同社会をめざし共に活動して行こう!。(光)
何でも紹介・・原発の大増設目論む原子力マフィア
東芝・三菱・日立
国際原子力開発(ジーネッド)という経産省肝いりの会社がある。2010年10月22日の設立、電力9社と東芝、日立製作所、三菱重工が加わる、原子力関係企業総がかりの会社である。そして、設立趣旨は次のようなもの。
「弊社は、原子力発電プロジェクトの受注を通じて、新規導入国での安全で信頼性の高い原子力発電の確立に貢献するべく、日本政府による制度整備等に関する支援をいただきながら、わが国がこれまで培ってきた原子力発電所の建設、運転保守、人材育成等の技術・ノウハウを官民一体となって包括的に提案してまいる所存であります」
この会社の情報は3・11東電福島原発事故後、何故か一度しか更新されていない。2011年9月29日、「ベトナム電力公社とのニントゥアン第二プロジェクトに関する協力覚書の締結について」である。これはベトナムへの原発輸出に関するものだ。関連情報として2012年6月27日、東電が原発輸出事業から事実上撤退を表明したというものがある。
民主党政権下においても、3・11後においても、日本の原発輸出は一貫して進められてきた。それはひとえに、日本の〝優秀な官僚〟がぶれることなく既定路線を堅持しているからだ。それでも、核燃料サイクルから撤退、使用済み核燃料の直接処分を検討しようという動きが一度ならずあったが、そうした動きは異物として排除されてきた。
安倍政権の登場によって完全復活した原子力ムラの勢力は、汚染水に溺れるフクシマを放置して再稼働競争に熱中している。また、IAEA(国際原子力機関)が福島県に乗り込み、フクシマをコントロール下におこうとしている。かつて、ハンス・ブリクス事務局長は「原子力産業の重要性を考えれば、チエルノブイリ規模の事故が年一度くらいあっても、それで良しということだ」(1986年)と言っている。
目を世界に転じれば、原子力マフィアは原発輸出にしのぎを削っている。ロシアと韓国は国家ぐるみで輸出競争を勝ち抜こうとしている。日本は仏アレヴァ社と組む三菱、米ウェスティンハウス社を傘下におく東芝、米GEと提携する日立が参戦している。
「電力需要も高まる新興国や先進国の一部は別だ。日本の3社はここに照準を当てて新たな計画を立てた。原発事業の年間売上高を、東芝は2017年度に1兆円、三菱重工は2014年度に4000億円、日立は2020年度に3600億円と、現状よりいずれも2倍程度か、それは以上を見込む」(j‐CASTニュース)
安倍晋三首相は3月20日、参院予算委員会において荒井広幸議員(新党改革)の「原発再稼働後、事故が起きた場合の責任は」との質問に対し次のように答えている。
「安全確保の一義的な責任は事業者が負うのが世界共通の考え方だ。東京電力福島第1原発事故の反省の上に立ち、これまで原子力政策を担ってきた社会的責任は国が重く受け止めなければならない」
さらに、福島瑞穂議員(社民党)の「トルコとの原子力協定は福島原発事故の教訓を踏まえるべきだ」との質問に、岸田文雄外相は「他の協定にはない原子力安全に関する定期協議を実施する規定を設けている」と答えている。原発メーカーは事故の責任を負わないことの再確認、それが〝世界共通の考え〟というのだから、輸出においても同じ考えである。その上で、事故が起きたら何らかの国家的対処を行おうということか。
主戦場はインド
朝日新聞GLOBE(3月24日)によると、インドで稼働中の原発は20基、建設中5基、計画が18基。原子力委員会委員長は「インドの原発は100%安全だ」と強調し、3・11後も原発推進を崩していない。しかし、ヒンドゥー紙は次のように指摘、警告をしているそうだ。「高い安全意識と先進技術を持つ日本でさえこうなったのだから、インドの状況はたやすく想像できる」
インドは1960年代末、米GE製の沸騰水型軽水炉を稼働させているが、国産では加圧重水炉しか建設できない。昨年7月にはクダンクラム原発、ロシア製加圧水型軽水炉が臨界に達している。ロシアは使用済み核燃料を引き取るようだ。日本からの輸出の動きとしては、ジャイタプール(三菱・アレヴァ)、ミティビルデイ(東芝・WH)、コバータ(日立GE)と総力戦となっている。
1月26日、訪印した安倍首相は「福島を繰り返すな!安倍さん、あなたは歓迎しますが、原発はいりません」というポスターに迎えられた。日印原子力協定を決めることが出来ず、安倍訪印の目的は果たせなかった。ノーニュークスアジアフォーラム通信(2月20日)は次のように報じている。
「これには、日本側の事情があったようです。国内では、原発輸出に対して、とりわけNPTに加盟していない国への原発輸出に強い反対の世論があります。トルコとの二国間協定も、国会で承認できませんでした。協定の発効には国会の承認が必要です。岡田条項を白紙にして、協定を結ぶわけにはいかないのです」
以上のように、国際原子力マフィアはチェルノブイリがあろうが、フクシマがあろうが原発輸出という巨利を手放しはしない。インドがそうであったように、原発の導入が核武装への第一歩である事実は今も変わらない。原発輸出は核拡散防止条約(NPT)に反する行為であり、〝唯一の被爆国〟などといっている日本がすべきことではない。
日本が原発輸出しようとしているインドやトルコは、国内でに原発建設反対は強固である。日本初の原発輸出、GEが落札(1996年)し日立と東芝が原子炉を輸出した台湾貢寮原発は今も稼働できないである。2013・3・9には22万人デモが、14・3・8には雨のなか13万人デモが敢行されている。インドのおいても非暴力の実力行動が継続されている。こうした闘いに応えるためにも、われわれは核の害悪が流れ出すことを許してはならない。 (折口晴夫)
*岡田条項 岡田外相が「再度、核実験を行ったならば、協力は停止」と表明した。
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橋下さんこれで信任されたと思うなよ! 投票率はわずか23・59%の大阪市長選!
大阪市長選は3月23日、投開票され、「大阪維新の会」公認で前職の橋下徹氏(44)=日本維新の会推薦=が再選しました。橋下氏は大阪市を特別区に再編する「大阪都構想」の議論を進めるかどうかを争点に掲げましたが、都構想に反対する自民・公明・民主・共産は候補者の擁立を見送りました。投票率は23・59%(前回60・92%)で過去最低でした。
再選した橋下氏の任期は、自らの残り任期の2015年12月までで、橋下氏は大阪都構想の設計図を夏までに作る方針です。
大阪府知事選とのダブル選となった前回11年は75万票余りを獲得しましたが、今回は約38万票でした。有権者数に占める得票の割合は35・67%から17・85%と大幅に下落し、無効票は過去最多の6万7506票(うち白票4万5098票)に上り、投票総数の13・53%でした。
橋下氏は選挙期間中、街頭でのタウンミーティングや個人演説会で、都構想の必要性を訴え続けましたが、自民・公明・民主・共産など都構想に反対する政党が対立候補を立てませんでした。
この市長選の後も、維新が過半数に及ばない大阪市議会や大阪府議会の構成は変わりません。橋下氏は10月に住民投票で賛否を問い、来年4月の大阪都移行を目指していますが、大変厳しい状況です。
全然盛り上がらなかった大阪市長選挙
今回の大阪市長選挙は、橋下氏以外の3人は大きな組織を持たない人でした。二野宮茂雄候補は、都構想反対! 街頭犯罪をなくすため自転車の2ロックを義務付けるという主張でした。選挙戦は、街頭にはほとんど立たずツイッターで訴えていました。それでも、11273票もありました。マック赤坂候補は、脱原発やうつ病自殺対策などを主張していました。マックさんの演説には、常に多くの人が集まっていました。これは、10万票ぐらい取るのかなと思いましたが結果は18618票に終わりました。
藤島利久候補は、脱原発、都構想ではなく経済対策・防災対策、冤罪事件をなくすため陪審員制度の導入を主張していました。藤島さんは、インターネットを使って街頭演説などを生中継していました。 私は、藤島さんの主張が一番まともだと思ったので彼に投票しました。
暴力的な体質 橋下維新
今回の選挙で、橋下陣営に政策討論会を呼び掛けていたが無視されていたマック赤坂さんと藤島利久さんは、3月12日の橋下氏のタウンミーティングに一般聴衆として参加しました。そこで、この2人は橋下陣営のスタッフに強制排除させられ怪我も負わされました。マックさんは質問しようとしたら排除、藤島さんは、質問できたがすぐ排除させられました。2人は、警察に被害届を出しました。橋下維新の暴力的な体質がよく表れています。
橋下氏は再選されましたが、彼にかつての勢いはありません。次の選挙では必ずや橋下氏を市長の座から引きずり降ろしましょう。(河野)
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静岡地裁、袴田事件の再審開始決定!
1966年、静岡市清水区(旧静岡県清水市)で、一家4人が殺害された「袴田事件」で、死刑が確定した元プロボクサー袴田巌(いわお)氏(78)の第2次再審請求審で、静岡地裁(村山浩昭裁判長)は3月27日、「重要な証拠が捜査機関に捏造(ねつぞう)された疑いがある」として、再審開始を認める決定をくだし、死刑と拘置の執行停止も決定「拘置を続けることは耐え難いほど正義に反する」と言及し、判決を受けた東京拘置所は袴田さんを釈放した。
死刑囚の再審開始決定は、無罪が確定した免田、財田川、松山、島田の4事件と、後に覆された2005年の名張毒ブドウ酒事件の名古屋高裁決定に次いで6件目。
袴田事件とは、1966年6月30日、旧清水市でみそ製造会社専務宅が全焼し、一家4人の遺体が見つかった事件。従業員で元プロボクサーの袴田巌氏が強盗殺人などの疑いで県警に逮捕された。袴田氏は一審から一貫して無実を主張したが80年、最高裁で死刑が確定。81年に再審が請求されたが最高裁は2008年3月にこれを棄却したが、08年4月に姉のひで子さんによって再審請求が静岡地裁へ申し立てられ、第2次再審請求審では、事件から1年2カ月後にみそタンクの中から見つかり、犯行時の着衣とされた血染めの衣類5点のうち、白い半袖シャツの右肩のB型の血液のDNA型が「袴田死刑囚とは一致しない」との鑑定結果やズボンのサイズが被告の体型と合わないなど、検察側が主張する「証拠」に、捜査機関が捏造(ねつぞう)した疑いがあるとして、再審開始が決定した。
地裁の決定に対して検察側の即時抗告が行われれば、東京高裁で改めて再審開始の可否が審理されることになるが、事件発生から48年近く、死刑確定からは34年が過ぎ、袴田氏は外部から閉ざされた生活を続けてきたのであり、再審の重い扉は開かれたのだ。被告の高齢化等を考えれば、一刻も早くこの裁判を終わらせ「無罪」判決を勝ち取らなければならないだろう。 (美)
3/31静岡地検の即時抗告に抗議!、一刻も早く「無罪」放免を!
3月31日(月)静岡地検は、静岡地裁の「捜査機関の捏造(ねつぞう)」との指摘と、袴田さんへの死刑と拘置の執行停止・再審決定を「遺憾」とし、東京高裁に即時抗告を申請した。
死刑囚の再審による無罪判決前の拘置停止決定と釈放はきわめてまれな処置で、地裁の再審開始判断はそれほど重く重要な内容であった。そして、袴田弁護団は、袴田さんは「えん罪被害者であることは明らか」だとして検察側に即時抗告しないよう申し入れていましたが、こうした多くの人々の“声”を無視して、地検は即時抗告した。
袴田さんを死刑囚とした過ちを隠蔽し、いたずらに冤罪が濃厚な事件を長引かせ様とする検察当局を私達は許さない!。
今後、再審開始の可否は東京高裁で審議されるが、再審開始はもちろんのこと、冤罪を認め、一刻も早く“無罪”放免を勝ち取ってゆこう!。
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