ワーカーズ524号  (2014/11/15)   号案内へ戻る

 ヘイト行為を抑え込もう! 煽る安倍政権も根っこは同じ

 ヘイトスピーチなどがあちこちで続いている。「朝鮮人殺せ」とか「朝鮮人をレイプしろ」とかいった『在特会』などによる過激で露骨な拝外的な言葉の暴力が拡がっている現状を見るに付け、暗澹たる想いにさせられる。

 天皇制・軍国主義の時代から歴史に翻弄され、大多数の朝鮮人はこの日本で本意ではない生活を余儀なくされてきた。

 その在日に何か『特権』があるかのように攻撃し、朝鮮人をすべて悪人やごろつき呼ばわりするヘイト・スピーチやヘイト集団。彼らは意図的に社会的マイノリティーに対する攻撃を強めている。事実上、時の政権や過去の歴史の正当化に別働隊として動員されているとしか思えない。
 『在特会』以外にも右翼・保守の団体・グループは他にも数多存在する。が、そのこと以上に危惧の念を覚えるのは、彼らの偏狭で時代錯誤の主張を、なんの疑いもなく信じ込んでいる若者も決して少なくないことだ。

 ヘイトデモがいまでも各地で行われているようだし、ネット上ではそうした言説が大手を振ってまかり通ってもいる。

 ヘイトデモなどと連動するかのように、言論界でもそうした論調が跋扈している。安倍政権の登場に並行するかのように、従軍慰安婦はなかった、あるいは南京虐殺事件などなかったというような、歴史無視の極論を吐き続ける〝論者・識者〟なども多い。そうした言説が、ヘイト集団を勢いづかせてもいる。

 日本で拡がるヘイトに危惧する諸外国からの論調におされ、日本でもヘイト行為規制に踏む込むべきだ、という主張が出始めたまさにその場面で、安倍内閣の閣僚などはヘイト規制に消極的な態度を露わにした。言論統制の危惧があるからだという。笑止千万、冒頭に記した悪罵が『言論』だというのだろうか。

 ヘイト行為と連動し、その規制に消極的な政権の本音が見え隠れしている。

 南京大虐殺や従軍慰安婦を事実上否定している張本人は、安倍首相その人だからだ。安倍首相は植民地支配と侵略を謝罪した村山談話や、従軍慰安婦での強制性を認めた河野談話などを敵視しているのも、その一端だ。

 これら、政権と呼応・連動したようなヘイト行為は、すでに妄言の範囲を超えている。

 それらは『朝日』バッシングも含めて、日本の歴史や現状、それに政権批判それ自体を否定するような極端な傾向を示し、すべての批判を封じ込めるような、言論圧殺の様相を帯びるまでに先鋭化している。

 すでにヘイト行為に反撃する行動も各地拡がっている。私たちの行動でヘイト行動を止めさせたい。(廣)


 大衆行動と衆院選で、安倍政権を打ち倒そう!

 国会を取り巻く形で開催された、戦争をさせない1000人委員会などが主催の11・11総掛かり行動に参加しました。1万人近くの市民が参加し、「集団的自衛権行使容認の撤回」「安倍政権を倒そう」の声をあげました。

 集会の中で、幾人もの国会議員が、衆院解散は近いと発言しました。来週の水曜日、という具体的な日程も語られました。いよいよ、安倍政権の賞味期限切れが迫ってきました。

 私は、2012年の第2次安倍政権発足の当初から、この政権へのユーフォリアは2年しかもたないと明言してきました。当てずっぽうではなく、根拠があっての発言です。

 今日の日本をはじめとする先進諸国の経済は、資本主義の業病としての過剰生産・過剰資本の状況に逢着しています。この状況からの脱出口は、過剰資本(つまり新たな投資をしても資本として成り立つだけの利潤を上げることが出来なくなっている資本)を生み出すそもそもの根底である利潤動機の経済システムの克服を追求する真剣な試行錯誤の中からしか開けてきません。

 この状況に手を着けないまま、いくら市場にマネーをジャブジャブ注ぎ込んでも、カネ余りに拍車をかけるだけで生産と経済は回復するはずもありません。国家財政を投入しての公共事業の大盤振る舞いに経済活性化の効果は全く無く、財政危機を深刻化させるだけであることもすでに実証済みでした。

産業競争力の強化などと言っても、モノの生産活動に伴う技術革新が行き詰まっている中では、労働法制の破壊による働く者への更なる搾取の強化や、経済活力とは全く無縁のカジノ振興策などに行き着くしかありませんでした。

 金融緩和策の行き詰まりは、先月末に日銀が再度の大型追加緩和を強行せざるを得なかったことによって、逆に証明されました。大型公共事業頼みの政策も、本予算や補正予算に盛り込まれた公共事業予算の前倒し執行が続いてタマ切れとなり、新たな大型補正予算という無謀に手を染めざるをえなくなることによって、国家財政への配慮を完全に見失った政権のどん詰まりの姿を浮き彫りにしました。

唯一の頼みの綱となった労働法制規制緩和も、格差・貧困が拡大する現実の中で、派遣法改正案を与党自体が事前修正せざるを得なくなったことによって、成立の展望を失いました。靖国参拝や慰安婦問題で中国や韓国をさんざん挑発しておきながら、政権がぐらつき始めるや中国・韓国との融和の演出で点数稼ぎをしようとしましたが、当然の報いとして不発に終わりました。

 すべてこうしたことは、安倍政権の発足時から分かっていたことであり、予定どおり2年きっかりで安倍政権への陶酔効果は切れ始めたということです。

 迫り来る衆院選が、歴史を画する大政治闘争になることは必至です。大衆行動と結びついた衆院選を通して、安倍政権を追い詰め、打ち倒しましょう。(阿部治正)号案内へ戻る


 日銀 「追加金融緩和」  景気後退への焦りかも

■バブルとは何でしょう?

 実体経済をはるかに超えた、株、債権、土地などつまり「架空資本」の値上がりのことです~。私はそう考えています。

 現代日本について考えてみましょう。

今日もまた、指標の発表ありました。7~9月のGDP成長率。大幅下方修正のプラス1.9%の民間予想。いい材料は、悲しいほどないのです。IMF、日銀、民間予想は次々下方修正が続いています。

 そんなとき、株価がまた上がり始めたようです。89年では三万円まで行きましたが、その半分とは言え、一万六千円も十分に「小バブル」です。現状では。

 問題は、いつこれが弾(はじ)けるかでしょう。誰にも分かりません。

■株価が米国市場につられて大幅に上昇

 米国は、今年2%程度の成長が見込まれていますが、それにしても異常な株価の上昇です。

 それに対して日本は、景気下降中。政府は「緩やかな回復基調」などと今でもいっていますが、「緩やかな下降基調」ではないかと、エコノミストも投資家も、政府日銀でも本音は疑心暗鬼なはずです。

 そんな焦りがこの10月31日の追加緩和と、予想される補正予算での追加投資となったのでしょう。

この日銀大緩和が米国の株式を押し上げ、それにつられて経済不振の日本やEUの株を押し上げました。
ますます株式市場は実体経済から遊離した「バブル」となっています。

■バブルへゴーゴー

 株価維持だけが、政権の最後の砦、とばかりに無茶なことばかりしてきた、安倍さん。ムリにムリを重ねる。

あらためて今回の金融緩和策とは。

 三〇兆円の国債買い。そして隠し球は「年金積立金管理運用独立行政法人」の投資対象を国債を減らし株式投資を倍増させた。

 ある証券会社の証言です「追加緩和で増えた長期国債年間購入額は三〇兆円。〈同行政法人〉の運用見直しで減る国内債権の額と同じだ。」とある。

 この〈年金独立法人〉はおわかりの通り、これから三〇兆円の株買い取りのために、三〇兆円の国債を手放し市場に放出する。それを買いうけるために日銀は三〇兆円の国債買い取りを昨日発表したわけ。ややこしー。

 日銀・政府・年金独立法人と三者が図って(圧力で?)、株価上昇の舞台を準備したのです。これってムリがないですか?安倍さんのために株、株、株・・株を上げろ~というわけです。株だけは下げてはいけない、さがれば政権崩壊だろうと。

 これから困るのは、タガの完全に外れた財政でしょう。世界最大級の大赤字は増大一途。それだから「消費税増税」なんて国民に押しつけられてはたまりません。

 安倍首相は、「賃上げが不十分でも、株の資産価値が上がれば国民は豊かになれる」主旨、国会で発言しているようです。

ちがいます。株の売買益は、とても不安定です。年金などなけなしの資産を失いかねません。株の売買益に頼る家計や経済なんてありえません。当然、賃上げやいままでの年金保障制度と同じではありません。

 今後予想される株価の下落による損失は、一体誰が補填してくれるのですか?(堀)


 アベノミクス まるでポンプアップ経済

◇大企業利益増大 勤労者所得下降

 何度も報じられれてきましたが、日本のGDPは実質でゼロ%台の成長と、低迷をつづけています。

 ところが一部大企業の「好景気」は前から報じられてきました。先日も「トヨタ最高益」という新聞見出しがおどりました。

 今月六日の報道では、「自動車五社が最高益」とか。めでたしめでたしですね、一部大企業は。実際この中身は、連結決算で国内輸出がふるわず、海外生産・販売のちからによるものです。

 かなりの円安なので、その分の「為替水増し」ということもあります。しかし、企業として最高益はバンザイということでしょう。

 他方、その前日五日の統計、厚生労働省が発表した9月の勤労統計調査結果。実質賃金指数は前年同月比マイナス2,9%。これで実質賃金は15ヶ月連続低下です。これもまたアベノミクスの結果でしょう。

 そもそも、GDPというのはいい加減な指標です。国民の豊かさではなく、市場の大きさや活発さを図る指標なのです。それが増えていないのにどうして大企業は「最高益の更新」が達成できるのですか?

 ゼロ%台の成長ですから、国民のほとんどが水面下の(生活の悪化)に悩み、一部企業だけが水面の上で輝いているということになります。どうして??

◇けた違いの大企業優遇

 この一部大企業の繁栄には、アベノミクスが大いに関わっています。

 プラス三%の消費税大増税を一般国民に押しつけたばかりではなく、日銀の「異次元大金融緩和策」で三%程度のインフレが進行中です。

 単純な話し、そのままでは誰しもが六%の所得減となります。大企業は、これらの値上がり分を上乗せする力があります。市場支配力と言い換えることもできます。

 それができない一般勤労者は賃上げを闘い取る必要があります。ところが、実際には賃銀は上がっても一~二%。実質賃金・所得はその分下降するばかりとなっています。

 そこで問題です(古い言い方ですが)。この所得のマイナス分は何処へ消えたのでしょう。答え。価格転嫁のできた企業に「移転」しました、ハイ。

 インフレは市場支配力のある企業に「インフレ利得」をもたらすのは常識です。

(一方、消費税は国庫に行くはずです。大企業は価格転嫁で「損」は出ませんが国民は転化できずにその三%も所得減に直結します。)

 そればかりか、大企業税制優遇により、トヨタはさまざまな大企業減税の恩恵を受けて、2008年度から12年度までの5年間、国内で法人税を払っていませんでした。有名な話しです。一般国民からすれば、企業減税のために消費税増税を忍んでいることになるのです。

 法人税の優遇は、すでに具体化されてきています。大企業の内部留保はGDPのゼロ成長下でも、史上最高を更新しています。国民間の格差はこうして拡大の一途です。

●ポンプアップ経済へ

 アベノミクスの第1、第2の矢。金融大緩和と大型財政は、建築受注やインフレ利得を通じて大企業に空前の利益をもたらしています。その上国家財政の大きな穴は、消費税増税でまかなおうとしているために国民の窮乏化は進みます。

 安倍政権が固執している消費税増税もインフレも、非力な国民のさらなる窮乏化と引き替えに、その富を大企業に吸い上げさせるという経済政策なのです!

「トリクルダウン」という経済通念がありますね。米国流の新自由主義の中心的考えとか。

 大企業が繁栄すれば、それがしだいに中小企業や労働者・国民に「したたり落ちる」と言う意味です。これも身勝手すぎの理屈ですね。

 アベノミクスつまり政府と日銀は、この少しばかりの「したたり落ちた」国民の収入を再びまとめて吸い上げる(ポンプアップ)という仕組みを意識的に作りだしたのです。ヒドイと思いません?(竜)号案内へ戻る


 「エイジの沖縄通信」(NO.1)・・・「沖縄県知事選の意義を考える」

★はじめに

 沖縄問題を論じると、よく「本土と沖縄との温度差」という事が指摘される。

 一つの理由として、沖縄で起こっていることが本土にはほとんど伝わらない。なぜ、伝わらないのか?本土メディア(特に在京メディア)が積極的に沖縄問題を伝えようとしない。なぜ伝えようとしないのか?本土メディア(特に在京メディア)は日本政府にコントロールされているからだ。

 一例を上げると、2004年8月13日沖縄国際大学に米軍普天間飛行場の「CH53大型ヘリ」が墜落炎上し、米軍が現場一帯を封鎖・占拠する大事件が起こった。しかし、なぜか本土メディアはこの大事件を報道せず。

 これまでの「沖縄通信」というタイトルから、本土と沖縄の温度差を埋めるかけ橋をめざして「エイジの沖縄通信」とします。

①沖縄県知事選に4人が立候補

 この記事が皆さんの手元に届く頃は、沖縄県知事選の結果が判明しているかも知れない。

注目の沖縄県知事選は10月31日公示され、予想通りの4名が立候補した。なお、注 目の沖縄公明党は「自主投票」を決めスジを通した。

(1)下地幹郎氏(53歳)・・・元自民党議員であったが地元政党「そうぞう」を立ち 上げ国政選挙などに出馬してきた。最近は「維新の会」との連携を強めている。

(2)喜納昌吉氏(66歳)・・・元民主党参院議員。民主党から除名されても立候補す る。「翁長氏と喜納氏の分裂選挙を避け、仲井真氏を打ち破るためにも翁長氏に一本化 してほしかった」との県民批判が多かった。
(3)翁長雄志氏(64歳)・・・元自民党県連幹事長で前那覇市長。沖縄のアイデンテ ィティを基礎に、保守・革新を乗り越えた「オール沖縄」をめざしている。

(4)仲井真弘多氏(75歳)・・・知事3選をめざす。自民・次世代の党推薦。選挙前 の仲井真陣営(「沖縄21世紀ビジョンの早期実現を求める県民の会」の発行)の新聞 広告(地元紙の一面全部を使って)を見てあきれた。「辺野古の基地は小さい」「飛行 ルートに住宅地なし」「騒音区域は0戸」など。さらに「V字型滑走路」の地図を見る と、わざと滑走路を右下に向けて住宅地に飛ばないような細工をしている。ウソとごま かしの新聞広告だ。

②「翁長陣営の総決起集会」報告

 翁長氏の総決起集会に参加した知人から次のようなコメントが送られてきた。

 「11月1日午後、セルラー・スタジアム野球場(東京ドームよりも客席が狭く定員1万5千人前後)に1万4千人が結集した。過去のあらゆる選挙戦では見られなかったといわれる規模の総決起集会。ウチナーンチュウの見せた感涙に、心が一つになった実感を体験した」と言う。

翁長陣営のアピールは、毎日半歩づつ前進し、本人から「圧倒的に勝利する」「新基地はあらゆる手段によって必ず止めて見せます!」という言葉が飛び出した。

 琉球新報の候補者アンケートによると、憲法9条改正に「反対」を明言するのは、なんと翁長ただ一人!翁長は球場で「ブレなかったおかげで皆さまとご一緒にできてよかった」と、しみじみとした口調で言い大歓声を招いた。

 さらに知人は「1609年の薩摩侵略いらい見失いがちだった『自立心』がようやく再興していたのを、仲井真によって崩された悔しさ、住民の盾になるべき日本軍が住民を盾にしたため多くの命が奪われ、伝来の土地をも奪われた怨念、長い間ヤマトやアメリカに対して抱かされたコンプレックス・・・そうした複雑な事情から、ようやく『翁長と共に抜け出せる』確かな展望を見た事による”感涙”だったのではないか」との感想を述べている。

③この県知事選の意義を考える

 本土には、「翁長氏は自民党だ!」「安保容認派だ!」「承認撤回を明確に言っていない」など言って、翁長氏を批判する人がいる。これはあまりにも沖縄の状況を理解していない意見である。

「オール沖縄」がどんな経過を経て結成されてきたのか、2013年1月28日まさに「オール沖縄」で上京して、「建白書」を安倍総理に提出した意義はどこにあるのかをしっかり理解すべきだ。

同時に、この「県知事選」の勝利で沖縄の諸問題が一挙に解決するわけではない。しかしこの勝利をバネにして、さらに沖縄自立に向けて前進していくことが重要だ。

 だからこそ「オール沖縄」に驚いた日本政府は、「沖縄県民を結集させない。分断させ対立させる」という植民地政策を押し進める工作に出たのである。それが、沖縄自民党国会議員5名に対する恫喝であり、仲井真知事を東京に呼び出し屈服させた。

 仲井真氏を支援する勢力を見ると、古い政治保守(まさに自民党)と古い経済界(国場・大米建設という土建業界や沖縄電力という大企業)が応援。日本政府からの交付金増額などを期待する本土癒着・植民地支配を託された支配層である。

 それに対して、翁長氏を支援する勢力は、革新政治勢力(自民党から飛び出した地域保守と革新諸政党)と新しい経済界(基地と観光は両立できない、基地経済からの脱却、沖縄自立経済の確立をめざす)が応援。日本政府から自立した沖縄をめざす勢力である。

 参院国会議員を引退した山内徳信氏は、この県知事選の意義を次のように述べている。

 「戦後69年という歳月をかけて培ってきた意識の変革で、真の沖縄をつくり上げていこうという歴史的な変化だと捉えている。・・・保守、革新ではなく、県民の生命財産、安全を守り抜くという、新しい沖縄党のようなものが誕生する可能性を秘めている。新しい歴史を切り開くこの選挙をチャンスとみるかどうかだ」。

 このように、沖縄の新しい歴史を切り開く重要な県知事選である。(富田英司)


 コラムの窓・・・命を守る災害危機管理を!

 2014年8月20日午前3時20分。局地的な短時間の大雨によって広島市安佐北区から安佐南区などの住宅地背後の山が崩れ、同時多発的に大規模な土石流が発生。行方不明者の捜索は約1か月間に及び、両区の被災地域での死者は74人、重軽傷者は44人に。

豪雨の中、広島市は市民へ的確な情報が出せず避難勧告が遅れたこともあり74人もの死者をだしてしまった。この土砂災害による死者74人は、過去30年間の日本で最多だ。

 9月27日午前11時52分。御嶽山がいきなり噴火し、大惨事となった。戦後最悪の死者57人、行方不明者6人を出す。

 御嶽山は活火山だが、噴火直前まで噴火警戒レベルは1(平常)で登山者は無防備だった。犠牲者のほとんどが、噴石の直撃による損傷死だったことを考えると、事前段階で噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)へ引き上げる情報発信をしていれば多くの命を救えたのではないかと指摘された。気象庁の判断が問われるのは当然だ。

 その後明らかになったことは、世界には約1550の活火山があり、日本にはその約7%に当たる世界遺産・富士山を含め110の活火山がある。

 北海道から九州までの26都道府県に110の活火山がひしめき、気象庁はうち47を常時監視すると。だが、専門家が常時観測しているのは桜島(鹿児島県)や有珠山(北海道)など一部にすぎず、ほとんどの活火山が常時観測されていないという。

 さらに、その常時観測するための予算については、国の地震と火山の研究に関する配分を見てみると、総予算額のうち、おおむね地震が9割、火山が1割にすぎない。

 桜島に常駐する京都大防災研究所火山活動センターの井口正人教授は「地殻の異常や雷鳴、臭気など生き物としての火山の変化や鼓動、異常を示すシグナルは、その場にいれば察知できる。さらにその火山からのシグナルを判断し、行政や住民へ的確に伝えるための情報伝達手段の整備や、地元で相互に顔の見える関係をつくり続けることが重要だ」さらに「年々削られる研究観測予算、若い学生が火山観測に集まらない深刻な研究者不足、観測態勢を維持する人材不足の厳しい現実。火山国ニッポンなら、国土強靱の中に、火山観測の整備充実と人材育成を組み入れるべき。情報で命を救う体制を整備しなければならない」と、今回の教訓を語っている。

 地震の専門家は、1995年(平成7年)1月17日の阪神淡路大震災以降、日本列島は地震活動期に入ったと宣言していた。その後、新潟地震などが続き、そして2011年3月11日に東日本大震災が起こった。専門家は「大きな地震が発生し、火山活動が活発になった9世紀に状況が似ている。大規模な噴火が短期間に連続して発生することも考えられる」と警告している。こうした状況の下での、川内原発の再稼働も含めて原発「再稼働」などはトンデモナイ愚策である。

 私が考えたもう一つの問題は「災害救助」である。

 御嶽山の噴火の後、多くの家族が山の麓に集まり「早く救出して下さい」と叫んだ。各地から結集した「消防隊」「自衛隊」などが、いつまた噴火するか分からない危険な中、泥だらけになり毎日の危険な救出活動を展開した。まさに貢献的な救出活動であった。

 しかし、なぜ日本にはもっと多くの専門の「災害救助隊」がないのか。国内や海外で大地震の際、「災害救助隊」が派遣されるのは知っているが。

 災害があると、当然のように「自衛隊」が派遣されるが、現場に到着した「自衛隊」の装備を見ていると、人数はたくさんいるが専門の「災害救助隊」ではない。今回の御嶽山の災害派遣で、自衛隊の装甲戦闘車(戦車らしき)と呼ばれる車両が派遣されたことに対して疑問が噴出した。

 私の意見をまとめれば、まず日本列島は危険な「地震活動期」に入っていることを認識すること。今後、大きな地震や火山噴火が起こることを覚悟すること。そのために、地震や火山の予知観測に国家予算(人や機器)を注ぎ込み、情報体制を整備すること。そして、もしもの大地震・火山噴火・土砂災害などを想定し、自衛隊を削減してでも、様々な災害に対応できる救命救助を専門にした「災害救助隊」を編成し、危機管理体制を強化する。

 国民の命を守ることを優先した国家予算を編成する政府及び官僚が必要だ。(英)号案内へ戻る


 連載29回 オジンの新◆経済学講座  水野和夫氏 〈利潤率の低下と金融革命〉によせて 
      上藤 拾太郎
●道草の言いわけ

 「デフレ脱却」に懸命な安倍内閣だが、その原因を分かっていない。それに切り込んだのが、水野さんだ。
利潤率の歴史的低下により、資本は投下先を見いだせない。過剰資本がジャブジャブあるのにそこに「大型財政投資」や「金融大緩和」をしても効くわけがない、と。

 まさにその通りじゃ。たまには痛快なエコノミストがいてもよい。
ところが、水野さんは「労働価値」という理解に欠けている。惜しいことだ。

 そこで、オジンが老骨にむち打って、「水野説」を労働価値の視線から解釈し直してみよう。さらに脇道にそれるが大切なことでもある。こんな事情で「協同労働」論をしばらくお預けにしているというわけだ。

●「利潤率の低下」現代モデル

 では話しをつづけよう。前回までの話しは以下のようなものだ。

 生産的産業(A)資本が百万円を投下し、十万円の富(剰余価値)を生み出したとする。いままでは上記の例のごとく利潤=十万円を二つの産業(A)と(B:サービス業)で分けてきた。
利潤率は5%である。(利潤率=10万円/200万円×100=5%)

 ところが突然、「金融産業(C)」が急速に成長したとする。八百万円が投入されているとすれば、どうなるのか?

 生産的な産業がそのままであれば、剰余価値つまり創り出された新しい富は十万円のままに止まる。その富を全資本一千万円という分母で分け合うことになる。この三つの産業の利潤率が低下するのは明白だろう。

 各産業とも平均利潤を得たという前提であれば、利潤率は1%となる。(利潤率(%)=十万円/一千万円×100=1%)

つまり、ここまでをまとめれば。

 「資本の有機的構成の高度化」と最近では「産業構造の高度化(経済の金融化)」という両面から、利潤率の低下が進行しているという事がお解りいただけたろう。

●現代も問われる 先進国と「周辺」

 上のはあくまでモデル的計算だ。金融産業等不生産的な産業の急速な成長が、平均利潤率を低下させることを理解してほしいからだ。

 金融資本の異常な発展は、ここ二十年程度だ。他方、世界経済を見れば、その間に韓国、中国などのアジア新興国が「世界の工場」として発展した。今また、インドや、インドネシア、ベトナムなどが新たな工業国として飛躍する可能性はある。そのあとには、アフリカ大陸だと言う者たちも少なくないぞ。

 そこで、現実は上記のモデルとどこが違うのか君はお分かりだろうか?
そうだ。ここまでのモデルは「生産的労働」から生まれる「利潤(剰余価値)」を不変として仮定しているが、現実はそうではない。先進国では生産的産業の伸びが停滞しているが(日本では縮小しそうだ)、そのお株を奪うがごとく新興国で増大しているのだ。

●新たな世界モデル

 この新しい世界展開も、ワシらのモデルに組み込んでみよう。

生産的産業(A)100、サービス業(B)100、金融業(C)800。がクダンの「先進国」だ。新たな新興国とボーダレスな経済交流が実現していると前提しよう(現実、国境においての関税障壁、労働力移動障壁などが実際には残る)。

この新興国の産業構造が(A)100,(B)50,(C)50としよう。
利潤率をそのまま計算する。利潤率(%)=300/1200×100=2.5%
かくして先進国内だけでの利潤率=1%と比べて1.5ポイント上昇する。

 しかし、このモデルにも欠陥がある。決して世界はフラットにボーダレス化していない。だからこそ金融のグローバル化経済の歴史的意味が浮き出てくる。

●新興国から富をくみ上げる金融資本

 数十年前から先進国資本が現地化する「多国籍企業」は進んでいたし、今もそうである。しかし、国境線も敷居は低くなったが、新興国も先進国の意のままにはならない。富の流出を制限し産業自立に向かう。

また関税や人的移動に対する国境規制は残る。そのてんで、現在もっともボーダレス化しているのが、金融資本の国際取引だ。新興国は経済飛躍の資本を欲しており、他方、先進国資本は実入りの良い投資先が少なく困っている。こうして先進国所有の過剰貨幣資本が新興国・途上国開発へ向けて大量に導入されたのだ。

 こうして先進国の金融資本は投資先を見いだせない過剰貨幣資本をかき集め、大量に新興国・途上国に投下し、先進国の金融業に「キャピタルゲイン」「インカムゲイン」を還流させているのだ。

 かくして先進国に新たな超過利潤を提供し、先進国の利潤率低下を緩和することができる。

 しかし、水野さんご指摘の通り、この近年の金融革命がもっとも成功したのが「強いドル」を武器にした米国であり、乗り遅れたのが日本である。(この理由からも、日本の利子率=利潤率は低いままだ。)

 ようは、ウォールストリートの繁栄は、米国国内の中間層の搾取ばかりではなく、ますます新興国の労働者の生み出す剰余価値に依拠している。

 投下された貨幣資本は、見知らぬ途上国で生み出され「利潤」を利子としてあるいは配当としてあるいは株式・債権の売買益として、金融資本と投資家のフトコロに吸いこまれてゆくのだ。ニューヨークのオフィスビルやリゾート地の別荘に居ながらにして。

*  *  *  *  *  *  *  *  *  

いやいやまた時間切れだ。金融資本と中間階級の没落、は次回以後だな。


 『二万五千年の荒野』原発の危険性を告発した   三十年前の 「ゴルゴ13」

 米国のスリーマイル島原発事故が、1979年。ウクライナのチェルノブイリ原発事故が86年。それぞれ過酷事故だ。

福島原発事故が、2011年。

それぞれに事故に至る経過は異なっているが、「安全神話」がもろくも崩れ去るという筋書きは全く同じだ。「完璧な安全性」「大事故は起こりようがない」という愚かな思い込みがここにはあった。

この、ゴルゴ13シリーズで原発事故がとり挙げられたのが、83年という昔だ。

当時、スリーマイル島事故は「特殊」である、「日本の原発で事故はありえない」と原子力産業とそれに連なる政治家が自信ありげに公言していた時代でもある。

『二万五千年の荒野』は、その意味でも大変先駆的だ。

小さな事故から外部電源、内部電源の喪失にいたり・・・幾重にもめぐらされた「安全装置」は、次々と無力さを暴露する。放射能の放出がはじまり、そして炉の圧力は高まるばかりとなる・・・。

大地震という出発点は違え、福島原発事故と類似したストーリーが、不気味な臨場感をつくりだす。

狙撃手ゴルゴ13が、逃がしベンを銃で打ち抜き、原子炉爆発という最大の危機からのは逃れられる。最寄りの大都市ロサンゼルスは救われた。

それにしても、さいとうたかおプロダクションの、徹底した取材と研究には舌を巻く。「水素爆発」「放射能による病理」等にも結構詳しく論及されている。

「安全神話」の脆弱(ぜいじゃく)性を突いたそのストーリーの視角も、先見の明のあることに驚かされる。

上は『二万五千年の荒野』最後のメッセージだ。その後チェルノブイリと福島という二回の過酷事故を考えれば、重い物がある。

「二万五千年」は、原子炉でウラン235がプルトニウム239となる。その半減期のことである。

この劇画本は今でも入手可能と聞いている。(文)号案内へ戻る


 世界の今・子どもの今 ~今を生きるネパールの子どもたち~

 自宅から徒歩10分ぐらいの西宮市内にある公民館で、表題のテーマで講座があり参加してきました。講師のアジア友好ネットワーク・代表世話人の石丸雄二郎さんは、以前からの知り合いで、講演を心待ちしていました。

 1996年からネパールの支援活動を始め、19年間で73校の学校を建設、現在2万人の子どもたちが学んでいます。ライフラインが未整備のネパールでの学校建設は、資材を運ぶにも車が入れない所がほとんどで、人力での作業となります。時間がゆっくりと進むネパールでは、必ずしも順調に作業が運ばず、1年経過しても建物の基礎だけという例もあるようです。100校建設を約束してしまった石丸さんにとっては、頭の痛いことですが、それも承知の上でネパールの人々との関わりを大事に育む姿勢には、現代の日本人には無いものを感じます。

 そもそも、ネパールと関わるようになったきっかけは、石丸さんの次女・伸子さんの病気にあります。生後まもなく胆道閉鎖症を発症、25歳で死去されるまで入院・退院の繰り返しでした。94年の7月、その胆道閉鎖症にネパールの8か月の子どもがかかり、手術を受けに日本に来ましたが、もう手遅れでした。その後調査を兼ね96年に、ネパールに初めて行った石丸さんは衝撃の連続だったそうです。

 学校に通うのに片道2~3時間も掛けて来るこども、帰れば家の仕事(落ち葉集め・水汲み・兄弟姉妹の世話)など遊んでいる暇もありません。でも、学校に通える子どもはまだ恵まれていて、煉瓦造りの仕事があり学校に行けない子どももいます。一般的には児童労働を非難しがちですが、家族単位を大切にするネパールでの煉瓦造りは、まさに生きるために欠かせない労働です。子ども自身から、学校よりも家族と一緒に煉瓦造りをするほうが良いと言っています。石丸さんは、この煉瓦工場の責任者と週に1回でも学校に行ける方法を考えているところだそうです。

 学校づくりから始まり、今では病院・孤児のためのケアハウス・助産施設など建設の支援は広がりつつあります。そんな石丸さんの献身性に感謝をこめ、次女の伸子さんの慰霊碑を現地の人々が建設ててヒマラヤを目の前に眠っています。貧しくても生き生きとして目が輝いているネパールの子どもたちに、私も是非会ってみたい、そんな気持ちになった講演会でした。 (折口恵子)


 シリーズ田母神を読む 論文『日本は侵略国家であったのか』① 朝鮮、中国侵入は「合意」なのか?

●田母神論文とは?

 2008年10月に「真の近現代史観」懸賞論文第一回最優秀藤誠志賞の受賞作は田母神俊雄航空幕僚長の「日本は侵略国家であったのか」に決定し、論文内容が公表された。

 その後、航空自衛隊幹部が政府見解に反する論文を出したとして大問題化し、田母神は更迭され退官となった。当時の防衛大臣が石破氏だ。それ以来、田母神氏は石破氏に恨みを抱いている様子だ。

 また論文の構成の稚拙さや、田母神氏が賞の主催者であるアパグループの代表である元谷外志雄と懇意にしている事が明らかになったことから、田母神氏を最優秀賞にするための工作があったのではないかとの疑惑がある。(ウィキペデイア「他母神論文」の項参照)

 私が実際に読んでみても、事実検証に基づく筋道通ったクールな学究論文と言うものではなく、右翼のプロパガンダそのものである。「引用文」もあるが、すでにおなじみの戦前の軍事体制を美化する時代錯誤の面々による文章が組み込まれた、偏りのひどいものである。

 正直な感想を述べさせてもらえば、「論文」というよりも田母神氏の心情告白が満載されている、ウエットな文章だと思う。

【全文はコチラ http://www.apa.co.jp/book_report/images/2008jyusyou_saiyuusyu.pdf 】

●「田母神論文」は何を証明したのか

 田母神氏が第一に目指したのは「戦前の日本の中国、朝鮮進出は現地政府との合意=合法であり」ゆえに『侵略』はなかった、ということだ。果たしてその企図は成功したか?

 「アメリカ合衆国軍隊は日米安保条約により日本国内に駐留している。これをアメリカによる日本侵略とは言わない。二国間で合意された条約に基づいているからである。我が国は戦前中国大陸や朝鮮半島を侵略したと言われるが、実は日本軍のこれらの国に対する駐留も条約に基づいたものであることは意外に知られていない。日本は19世紀の後半以降、朝鮮半島や中国大陸に軍を進めることになるが相手国の了承を得ないで一方的に軍を進めたことはない。」(同論文)

 氏はさらに「条約には圧力がつきものだ」と開き直る。
「これに対し、圧力をかけて条約を無理矢理締結させたのだから条約そのものが無効だという人もいるが、昔も今も多少の圧力を伴わない条約など存在したことがない。」(同論文)

 ゆえに日本占領下で当時の日中の諸条約、例えば対華二十一箇条要求(二条約および十三交換公文)に基づくのであれば「合意」であり、「侵略ではない」というわけだ。

 これは田母神論文冒頭の見解だ。もっとも重視した論拠なのであろうが、どうにも稚拙だ。

●カタチばかりの「合法」でなく実態こそ問題

 米軍基地は「日米安保」による。日本の中国占領や朝鮮支配は、地元政権の「合意」に基づき、違法ではない。違法なのは「合意」を踏みにじり抵抗する蒋介石=国民党、コミンテルン=中国共産党であり、テロリストだ、と語る。

 歴史は言葉の問題ではなく、実態の問題だと私は考える。だから、日中の条約が大国の都合を、弱者に暴力的に押しつけたものかを問うべきだ。

 だが、そのまえに国家間条約が常に「(軍事)圧力」に基づいてた成立しているという氏の認識は、正しいか?

 当の日中関係ですらそうだ。七十二年日中共同声明が公表され、七十八年日中平和友好条約が締結された。これらの条約は決して一方的な圧力ではない。対等互恵で相互利益の認識で成立したと言えるだろう。

 ASEAN、EUなども決して大国の圧力で結ばれた連合条約ではない。南米南部共同市場(メルコスール)等もそのようだし、最近では対等互恵の条約が増えているという国際動向を田母神氏は知らないようだ。

 これに対して例えば、対華二十一箇条要求(1915年、一部は中国国民や諸列強の反対により撤回)は、日本の軍事圧力により中国(袁世凱政権)に「飲ませた」のである。その証拠に中国国民はその後長らくその要求を受諾した日(五月九日)を「国恥記念日」と呼んだのだ。

 あからさまな軍事圧力のもとでの「条約」を楯に、「合意だ」とうそぶくべきではない。
ここで長々と書けないので、歴史資料をネットで見てほしい。少しだけ引用してみよう。

【 第二号 南満州及び東部内蒙古について】

*旅順・大連(関東州)の租借期限、満鉄・安奉鉄道の権益期限を99年に延長すること(旅順・大連は1997年まで、満鉄・安奉鉄道は2004年まで)

*日本人に対し、各種商工業上の建物の建設、耕作に必要な土地の貸借・所有権を与えること

*日本人に対し、指定する鉱山の採掘権を与えること

*他国人に鉄道敷設権を与えるとき、鉄道敷設のために他国から資金援助を受けるとき、また諸税を担保として借款を受けるときは日本政府の同意を得ること

*政治・財政・軍事に関する顧問教官を必要とする場合は日本政府に協議すること

*吉長鉄道の管理・経営を99年間日本に委任すること」(ウィキペディア『対華二十一箇条要求』一部)

 多くを語る必要があるだろうか。中国人にとってこれは果たして「屈辱」ではなかったか?植民地主義の典型的な内容ではないか。

 ちなみに【同要求の第五号】は、中国政府に政治顧問、経済顧問、軍事顧問として有力な日本人を雇用すること、また警察権への日本の介入の定めであったが、さすがに国民の反対と英米仏列国の警戒感がそれを撤回させた。

 田母神氏にどうか考えていただきたい。脅かして金品授受の約束をさせれば、それを「合意」とは誰も言わないし、言うべきでない。それは普通「恐喝」と言うのではないか。

 田母神氏は、こんな初歩的な理解も持ち合わせていないようだ。

●米軍基地と安保条約

 田母神氏は米軍基地は「日米安保条約(や地位協定)」に基づく、ゆえに適法だという。そんな簡単なことなのか、これも実態から見るべきだ。

 日米安保条約はその内容からしても、経緯からしても「対等互恵」ではない。米国の圧倒的な軍事的・政治的・経済的圧力の前で、日本が強引に世界戦略に組み込まれたことを意味する。このことは米国の「謀略や圧力」をつねづね警告する田母神氏だから、少しは認めるであろう。

しかし、これを「侵略」か「合意・適法」かといった無意味な白黒問題にしてはならない。

 米軍基地は日本国民、とりわけ基地の周辺住民に生活上多大の苦痛をもたらせている。そればかりではない、世界中で戦争行為を展開する米軍基地は「敵」の標的でもあり危険ですらある。そもそも米軍の世界戦略の片棒を担ぐことに違和感を覚えている日本国民も多いはずだ。

 うけねらいの「米国非難」をくり返す田母神氏だが、次のことを認識すべきではないか。

 戦前日本の中国・朝鮮侵略をもっとも厳しく批判する人々こそが、米国のベトナム侵略戦争やイラク戦争に反対し、そして米軍基地の存在と日米安保条約を一貫して批判することができるのである。(文)


 色鉛筆・・・アレルギー

最近まで、ブタクサ満開でした。

かわいい花ですが、私にとってはアレルゲンです。

私は中学生の時からアレルギー性鼻炎で耳鼻科通いでした。鼻が苦しくなると鼻も目も真っ赤になり友達から「うさぎみたい」と笑われ、父親からは、お嫁に行けないから直すようにと言われましたが、未だに治りません。

 アレルギー症状の人が増えたのは、文明が発展するほど増えたような気がします。文明病と言う人も。

ある先生はアルミサッシ論。

 昔の家は寒いけれど風がすかすかとおる家だから、カビやダニなどのアレルゲンが発生しにくかった。アルミサッシの家のように風の流れが悪くなかった、湿気も多くなりアレルギーの温床になってしまった!

あと食事の変化論も。

 病気にならないように抗生剤入りの餌を食べさせられた牛や豚や鳥、もうけ主義の結果、私達の体内に病気でもないのに、抗生剤が蓄積され、過敏な体になっているという説も。
 
 アレルギーはアトピー、喘息、鼻炎、リュウマチ、頭痛など症状を変えて全身をめぐるそうでアレルギーマーチと言われ、私も季節の変わり目は呼吸が少し苦しい。

 アレルギーは、治らない、抗アレルギー材を飲み、症状を抑え、一生上手にアレルギーと付き合っていかなければいけない。抗アレルギー材の単価は高く、薬代も1ヶ月5000円はかかる!大変!

 昔、私のことを笑った友達も、今アレルギー性鼻炎で苦しんでいて「あの時笑ってごめんね」ものすごくしんどいねと話していた。

 アレルギー人口が増えて、アナフィラキシーショック死事故後は、学校給食もアレルギー食専用ラインが出来ました。

 資本もうけ主義の産業展開の結果アレルギー人口が増えたのではと私は想います。学童では半分ぐらいにアレルギー症状があるとか。おかしいですね。

 もちろん、アルミサッシがあることは助かります。クスリもやはり大切です。防腐剤や「食品添加物」も全てがダメではないでしょう。

 でも、人も動物も、身体は自然の一部です。人工的化学物質が生体の免疫機能を狂わせないような「限度」が必要でしょうね。慎重な長期のデーターの積み上げが求められます。

今は、食べ物も無農薬とか、平地がいニワトリ卵とか購入し、高い食品に目がいきます。原発爆発で魚にもセシュウムなどの影響が・・・なんか悲しいなと想います。(宮城 弥生)号案内へ戻る


 『関東大震災時の朝鮮人虐殺とその後』 山田昭次著 2011年 創史社 2200円

●虐殺

 ヘイトスピートが拡がり、社会的少数派排除の風潮が拡がりを見せるなか、思い起こさずにはいられないことがある。

それは関東大震災時の朝鮮人虐殺である。

1923年9月1日に起こった関東大震災、犠牲者総数10万人を超える甚大な被害と出したその影で、多数の朝鮮人が流言飛語に惑わされた日本人群衆に襲われて虐殺された事件だ。本書は、近代日本におけるアジアへの侵略責任などを追及することをライフワークにしている著者が、永年追求してきた真相解明と国家や民衆の責任を問う集大成として刊行されたものだ。

 関東大震災が起こったのは1923年(大正12年)9月1日正午前。マグニチュード7・9の大地震と津波。その震災では地震による死者も多いが、とりわけ地震直後から発生した火災被害の死者が突出してた。

 朝鮮人虐殺事件というのは、そうした阿鼻叫喚の地獄絵ともいうべき街で、9月1日夕刻から突如「朝鮮人が殺人・略奪。放火している」とのうわさが広まり、その夜から各地で朝鮮人の虐殺が広まった、という事件だ。
本書にも引用されているが、戒厳令が敷かれたなかでの噂の出所は「各町で不逞鮮人(朝鮮人の蔑称)が放火・殺人をしているから気をつけろ(交番巡査)」とか「井戸に毒を投ずるものあり、各自注意せよ(警察の張り紙)」という、官憲によるものだった。内務省警保局長による「朝鮮人は各地に放火し、……朝鮮人の行動に対して厳密なる取り締まりを加えられたし」という電文もある。いわゆる「流言蜚語」は官憲が流していたのだ。これらは震災発生数日して撤回されることになる。

 虐殺の実情も残虐を極めたものもあった。「問答無用とばかりに、手に手に握った竹ヤリやサーベルで朝鮮人の体をこづきまわす。……頭をこずくもの、目に竹ヤリを突き立てるもの、耳をそぎ落とすもの、……」「いちばんあわれだったのは、まだ若い女が、腹をさかれ、6・7ヶ月くらいと思われる胎児が、腹ワタの中にころがっているのを見た時だ。その女の陰部には……」

 虐殺を実行したのは、大震災で急きょ各地につくられた自警団だった。在郷軍人会、青年団、消防隊などでつくられた自警団の結成は、警察の指示や各地の地主や有力者の声かけで瞬く間に拡がった。

 虐殺人数はいまだに確定したものはない。ただ当時の司法省の調査では233人、内務省警保局は231人だとしている。

しかし当時の朝鮮人団体や日本の支援者などによる調査では、警察が朝鮮人虐殺者の死体引き渡しの拒絶や遺体隠しが横行しいたという。

この程度に止まったことはあり得ない。大韓民国臨時政府の『独立新聞』の調査では6661人、2613人だとする吉野作造の調査もある。

『独立新聞』の調査では明らかな間違いもあるというが、少なくとも数千人に及ぶことは事実だと思われる。大震災当時に東京や関東地方に在住していた朝鮮人の総数が14000人ほどだったというから、まさに大虐殺事件だ。

 虐殺を実行した日本人はどう裁かれたのか。虐殺に関わる日本人の検挙者は300名を超えるとされているが、実刑者は極めて少なかった。それも警察署への襲撃や日本人虐殺者に対するものが多く、朝鮮人虐殺に対しては、その後のおこなわれた恩赦も含めて実刑率がごく少数だった。朝鮮人を虐殺した軍人は1人も裁判にかけられず、処罰されなかった!。

 大震災時には、こうした朝鮮人虐殺の他、それに乗じた官憲や軍隊による日本人社会主義者の虐殺もおこなわれた。

亀戸署に検束された共産主義系や無政府主義系の労働者10人が騎兵隊に殺害された「亀戸事件」や、大杉栄とその妻伊藤野枝や甥が憲兵隊に殺害された「甘粕事件」など多数有り、本書でもその一覧が紹介されている。

●『トンデモ本』も

 このような忌まわしい事件を、私たち日本人は決して忘れてはならない。

ところが「やはり」というか、こうした現実から目を背けさせようとする言説もある。あの従軍慰安婦や南京虐殺事件がなかったかのようにいうのと同じだ。

 たとえば加藤康男著『「朝鮮人虐殺」はなかった!』(2014年8月・ワック株式会社刊=旧刊はノンフィクション作家で保守派=国家基本問題研究会評議委員の工藤美代子著・2009年産経新聞出版)という本だ。

 この本は「虐殺など無かった。あったのは自警団による正当防衛だった」というものだ。実際には有りもしなかった朝鮮人による殺人・放火などが現実に多数あったとの前提に立ち、自警団などによる朝鮮人殺害などは、朝鮮人による殺人や放火・強盗などから自分や妻・子を守るための正当防衛だった、と強弁している。デマに対処する(正当防衛?!)ためには、無差別な朝鮮人狩りや集団暴行による虐殺も許されるのだ、と。

残虐な仕方で殺害された朝鮮人やその家族の無念さや苦しみなどへの想いなど、片鱗もない。いわゆる右翼〝言論人〟による「トンデモ本」だ。

 この本は、徹頭徹尾、公安や軍、それに自警団の立場からの妄言と正当化で埋まっている。朝鮮人による襲撃があるという流言飛語もデマではなかったとしているが、朝鮮人による殺人・放火・強姦などの事実の検証などどこにもない。あるのはデマを煽る類の伝聞情報や新聞報道だが、その新聞報道も結局は内務省・警察発表の垂れ流しだ。

当時は天皇制・警察国家なのだ。司法省による朝鮮人犯罪の分析表(山田昭次の本書所収)は朝鮮人による犯罪事例を収集しているが、その大多数が個人の刑事事件で、しかも氏名不明、容疑者不在が多い。結局は、日本政府の責任を回避するために「でっち上げた創作物(山田)でしかないものだった。

 こんな本が良く出版されたものだと呆れかえってしまうが、「従軍慰安婦はいなかった」とか「南京虐殺はなかった」と強弁する「トンデモ本」と同じで、事実をねじ曲げても自分の思い描くストーリーを創作したいという右翼〝言論神〟が存在することもまた現実なのだ。

●国家責任・民衆責任

 従軍慰安婦や南京大虐殺など無かったかにいう最近の右翼ジャーナリズムによる歴史の歪曲は許し難いが、その場合、関東大震災における朝鮮人虐殺事件についても、歴史から真摯に学ぶべきだろう。

 本書は、2003年の旧著『関東大震災時の朝鮮人虐殺??その国家責任と民衆責任』を絶版にして、新たに発行したものだ。本書では、天皇制国家による社会主義・無政府主義運動の取り締まり体制など、いくつかの新たな視点が加えられてもいる。

 本書では、流言蜚語は官憲の主導によって広められたこと、朝鮮人の政治的、集団的な殺人や放火などの暴動は存在しなかったこと、虐殺の拡がりで諸外国からの批判を恐れた当局が、数日後に流言蜚語の規制に廻ったことなどを、証拠を重ねて告発している。政府や警察・軍などが、虐殺の原因を大震災の極限状況や自警団による過剰防衛に押しつけて、自分たちこそ根も葉もない噂を誤認して流言蜚語を拡大しながら虐殺を煽ったことの責任を回避したことも含めてだ。

 とはいっても、著者の真意はこのことだけにあるのではない。旧著の表題が示すように、本書の主眼は、大虐殺を実行した自警団や官憲・軍隊ばかりでなく、虐殺の責任逃れを決め込んだ国家に習って、朝鮮人虐殺から目を背けてきた私たち日本人自体の民衆責任も厳しく問うている。その重みも含めて、また民衆による虐殺などという忌まわしい事件を再現させないためにも、今一度朝鮮人虐殺事件を振り変える必要があるのではないだろうか。(廣)


 読者からの手紙
 疑惑の“本丸”になぜ追及がなされないのか


 政治資金規正法違反や不適切問題の責任を取って小渕・松島両女性大臣が辞任したが、政治資金規正法上の不適切な処理を問題視される大臣の数は、日々に増え続けるばかりで止まるところを知らないような展開です。

 こんな中、日刊ゲンダイ2014年10月26日に「“SM大臣”が霞む…安倍首相&麻生大臣『政治資金』放蕩三昧」と題する暴露記事が掲載されました。その記事は具体的で実に徹底したものです。しかしダマスゴミと赤旗は、その内容に全く沈黙しています。ダマスゴミはともかく、赤旗が沈黙を続けているのは全く理解できないことです。

 では日刊ゲンダイのその記事を以下に引用します。

 安倍首相の資金管理団体「晋和会」の10~12年分の収支報告書をみると、「行事費」という名目で多額の飲食代を計上。その規模は3年間で3000万円近い。

 支払先は銀座の老舗ワインバー「アムールズ」、恵比寿の3つ星フレンチ「ジョエル・ロブション」、四谷の予約困難店「オテル・ドゥ・ミクニ」、都内有数の高級ふぐ店「博多い津み 赤坂」など、1人当たり2万円を超える名店ばかり。

 12年9月10日には銀座の一流すし店「久兵衛」をはじめ、1日で計10店、総額約80万円を支出。安倍首相が同月の自民党総裁選への出馬を正式表明したのは2日後のこと。5年ぶりに総裁に返り咲いた直後、安倍首相自身が支部長を務める「党山口県第4選挙区支部」の怪しい支出が発覚した。

「09~11年の3年間にキャバクラやクラブなど女性の接客を売りにする店に計59件、総額127万円を政治資金から支出していたのです。下戸の首相本人は一度も参加せず秘書らが通っていたようですが、安倍サイドはメディアの指摘を受け、慌てて報告書から支出を削除。秘書らに全額返納させました」(地元政界関係者)

 ミスと言い張るSM大臣と違って、安倍サイドのキャバクラ支出は「確信犯」だ。当時は「政党活動に必要な情報収集、意見交換を行う中で、関係者に応じてさまざまなシチュエーションが必要だった」と説明した。キャバ嬢をはべらせて一体、どんな相手に意見を求めていたのか。

■「元愛人」に1805万円

 安倍首相をはるかにしのぐのが、麻生大臣のデタラメ支出だ。資金管理団体「素淮会」の10~12年分の収支報告書によると、「交際費」名目で消えた飲食代は12年分だけで3000万円を突破。3年間の総額はナント、1億円近くに上る。

 常連店は銀座の3つ星すし店「すきやばし次郎」など美食三昧も安倍首相に負けず劣らず。1日の支払先が10店オーバー、1店20万円を超える高額出費は日常茶飯事。12年2月10日には神楽坂の高級料亭「幸本」に54万円をポンと弾んだほか、銀座の高級クラブなど計15店に総額230万円もの大金を落としたほど。

 気になるのは、居並ぶ高級店に交じって「オフィス雀部」という六本木の有限会社への支出を3年間で計22回、総額1805万5000円も計上していることだ。

「六本木の会員制サロンを経営する会社で、麻生大臣はその店の“太い客”。経営者の女性は麻生大臣と過去に愛人関係にあったことを認めた、と6年前に週刊誌で書かれたこともある。ちなみに安倍首相も店の常連です」(自民党関係者)

 1万8230円の支出で批判されているSM大臣が、ちっぽけに思えてくる。

 少々長くなりましたが、その内容を読者の皆様にお知らせするためにほとんど全文引用させていただきました。この点、無ご理解の上お許しいただきたいと考えます。

 読んでどうでしょうか。なぜこの記事が無視されているかがお分かりになったでしょうか。この記事には、安倍総理も麻生大臣も現段階では何の反論もしていないようです。

 この記事の内容を認識すれば、ダマスゴミが“疑惑”の大臣が何人もいると騒いでも全くむなしく響く雑音でしかありません。なぜ安倍・麻生両氏への批判がないのでしょうか。

 これとは別に前々から、安倍総理の遺産相続時の脱税問題が噂されてきました。本当かどうか、前回安倍総理が突然辞職したのはよく言われていた健康問題ではなく、脱税問題であるとのしたり顔の解説がなされているのです。

 11月4日、既に時効になっているこの脱税問題を社民党党首の吉田党首が、参院予算委員会で安倍総理に糾したのです。そしてその時の傍目から見て余りにも異様な安倍総理の態度から、日刊ゲンダイがまたまた暴露記事を掲載しました。

 11月6日、その記事の題名は「捏造と断定できるのか 安倍首相が激高『脱税疑惑』の中身」というものです。以下に引用しておきます。

「重大な名誉毀損だ。議員として恥ずかしくないのか」――4日の参院予算委員会で社民党の吉田忠智党首に激高した安倍首相。吉田氏は過去の週刊誌報道を基に「脱税疑惑」を尋ねたのだが、安倍首相は記事を「全くの捏造」と決めつけ、ブチ切れた。

 菅官房長官は5日の会見で、「全く根拠のない記事で<脱税した>と断定的に言われて、反撃しなければ認めたことになる」と安倍首相を擁護したが、痛くもない腹を探られただけにしては、安倍首相の取り乱しようは尋常ではなかった。

 小渕前経産相の辞任は週刊新潮のスクープが発端だ。問題の週刊誌記事も「捏造」と断定できるほど、「全く根拠がない」と言い切れるのか。

■報道直後に第1次政権崩壊

 吉田氏が取り上げたのは、07年発売の週刊現代(9月29日号)の「安倍晋三 相続税3億円脱税疑惑」という特集記事だ。当時、週刊現代は1年にわたって安倍首相の政治団体を徹底調査。その結果、安倍が父・晋太郎元外相の政治団体をフル活用して、相続税を逃れたのではないか、と報じた。

 記事が指摘した「税金逃れの手口」をかいつまんで説明すると――。

 晋太郎氏は82年から病没する91年まで自身の政治団体「晋太郎会」「晋和会」「夏冬会」に計6億3823万円を個人献金。3団体は当時の「指定団体」に該当し、政治家はこの団体に寄付すると、金額に応じて所得控除を受けられる“特典”が認められていた。

 安倍首相は亡き父が残した6億円以上の個人献金ごと政治団体をそっくり継承。安倍首相は主な相続遺産を地元・山口の2軒の家屋のみとしてきた。記事は、晋太郎氏の6億円もの献金がそのまま安倍首相に渡っていれば「政治活動に名を借りた明白な脱税行為ではないか」と糾弾していた。

 安倍サイドは当時、週刊現代の質問状の回答期限直前に電撃辞任を発表。その後、疑惑はウヤムヤになったが、前出の「晋太郎会」は現在「東京政経研究会」と名称を変え、存続する。収支報告書によると、資産残高は約2億円。10年からの3年間で安倍首相の資金管理団体に計8100万円を寄付し、うち総選挙があった12年は5000万円と突出していた。

 なぜ、安倍首相は疑惑に答えないのか。全く根拠を示さず記事を一方的に「捏造」と決めつけるのは、週刊誌全体への「重大な名誉毀損」となる。

 これまたほとんど全文を引用しておきました。

 この安倍総理が脱税問題を吉田社民党党首に糾された事実も、先に取り上げたごとくダマスゴミや赤旗は不問に付しているのです。実に驚くべき共闘関係ではありませんか。

 かっての共産党の主張をもじって言えば、赤旗はダマスゴミの別働隊として動いているかのごとくです。なぜ赤旗は“正義”を追及しないのでしょうか。

 最近、共産党は安倍政権のお陰で長年減少一方だった党員数を増加させており、志位党首はいたくご機嫌だと週刊誌に揶揄されています。安倍政権の“反動攻勢”は、ながらく停滞していた党勢を回復させ増大させる条件になっているからです。

 私は共産党が言葉での批判とは裏腹に安倍政権の延命を望んでいるから追及の手を緩めているとは結論しませんが、兎も角も疑惑の“本丸”の安倍・麻生両氏に対する追及の手が伸びていないことは誰の目にも明らかです。

 こうした疑問を書き付けておくことにも意義があると思い、投稿いたしました。(S)

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