ワーカーズ544号 2015/9/15
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戦争体制づくりと暮らし破壊に突き進む安倍政権を打ち倒そう!
粘り強く持続的な反戦の運動の組織化を!
戦争体制づくりへの批判の高まりに対して、安倍首相は「万が一への備え」「戦争をするわけではない」とすっとぼけています。しかし、そんな言葉を誰が信じるでしょうか。
安倍政権と米国が、日本が実際に海外で戦争を行うことが出来るようにするための体制づくりを急いでいることには、意味があるはずです。
米国がこれまで繰り返してきた数々の戦争の実例を見れば明らかなように、米国の軍産複合体は極めて狡猾で用意周到です。そして非理性的で野蛮な存在です。事実、自分たちの野心や目的の達成のためなら、何でもやってきた連中です。
したがって、米国の軍産複合体と安倍政権、そして今や日本の軍部と呼んで良い自衛隊は、戦争に向けての何らかの計画をすでに持っていると疑う必要があります。
アフリカのジプチにはすでに自衛隊の海外基地が建設されています。アフリカのどこかで、自衛隊のPKO部隊が「駆けつけ警護」か何かの軍事行動に乗り出すというシナリオでしょうか。それとも、別の紛争地で別のやり方が選ばれるのでしょうか。
日本のメディアは、憲法学者たちの戦争法案違憲発言に触発されて少しばかり政府批判を強めたかに見えますが、実際には抑制と自粛が急速に広がりつつあります。
自衛隊による海外での武力行使があり、自衛隊員にもしものことがあれば、それこそ安倍政権にとっては願ってもないチャンスということになるでしょう。ここぞとばかりに、すでに牙を抜いておいたメディアを利用し、「憲法が足手まといだ」と国民を煽って、明文改憲に突き進んでいくつもりなのかもしれません。
そのときには、多くの国民は「抑止力を高めるため」「戦争の危険性を無くすため」という説明が真っ赤なウソであったと思い知るのでしょうが、それでは遅すぎるし、代償が大きすぎます。
安倍首相は、軍事費の増額の必要も主張しています。武器輸出三原則が投げ捨てられ、日本の軍需企業は兵器の国際見本市などへ参加し、武器の国際セールスに力を入れ始めています。それと歩調を合わせて、軍需産業から自民党への献金が倍増しています。
一昨年の消費増税強行は、社会保障のためと説明されましたが、実際には介護保険制度は改悪されました。消費税収は大企業減税や無駄な大規模公共事業に注ぎ込まれています。働くものを苦しめる雇用ルールの改悪も進められようとしています。
軍事費増、福祉切り捨て、雇用破壊など、暮らしの圧迫と一体の戦争体制づくりに対して、粘り強く持続的な反対運動を対置していこう!(阿部治正)
戦争をしない、させない! 世界に拡がる反戦平和の闘い
戦争法案が最後の山場にさしかかっている。安倍政権は、とってつけたような国会答弁や院外で繰り返される妄言にみられるように、傲慢で支離滅裂な対応しかできない。にもかかわらず、過半数を持つ議席を唯一の武器として強行採決を図ろうとしている。
私たちは世論でも多数を占める反対の声を背に、安倍政権の暴走を強く糾弾するとともに、闘い抜く決意を固めるだけである。(9月10日)
◆強行採決?
安倍政権は、本号が読者の手元に届く直後の16日にも、参院特別委員会での強行採決で戦争法案を成立させようとしている。
その戦争法案は、〝限定的であれば行使出来る〟と、歴代自民党政権などがこれまで〝保持はしているが行使できない〟としてきた集団的自衛権の行使を、180度ひっくり返した。要は、存立危機事態や重要影響事態など、時の政府がどうにでも解釈できる概念をひねり出し、武力行使──戦争への道を大きく拡げたいということなのだ。現に政府は、「最後は政府が総合的に判断する」と言っているように、武力行使を政府に白紙委任するような代物に他ならない。この法案が通れば、再び〝政府による戦争〟や〝国策の過ち〟が繰り返される土俵がつくられることになる。
また、自衛隊法改定などによって,戦闘行動を実施している米軍への後方支援などもこれまで以上に拡大した。PKO協力法改正案では、自衛隊員の武器使用の緩和や、駆けつけ警護を可能にするなど、戦闘行為を前提とした法改正も強行しようとしている。
国会審議をはじめとして、この間の国民的な関心と議論の高まりのなかで、多くの人々は、この法案が日本を戦争が出来る、戦争をする国にしようとしているのではないかと、安倍政権の本音を見透かしている。
その政権不信や怒りが、国会をとりまく大規模な集会やデモ、全国に拡がる反対の声と行動、あるいは各界から発せられている決議や声明などとして、連綿と吹き出している。
その怒りを結集し、強行採決を目論む安倍政権にノーの声を突きつけていく以外にない。
◆戦争をする国
私たちがこれまでも訴えてきたように、今回の戦争法案の問題点は二つある。
一つは日本を武力行使──戦争が出来る国へと大転換させようとする軍事優先主義の野望だ。
戦後日本の圧倒的多数の国民は、あの敗戦を教訓として非戦・平和国家としての再出発を誓い、戦争を放棄し戦力も持たないという憲法を受け入れ、〝平和国家〟としての道を歩んできた。
しかし朝鮮戦争以降の米国の世界戦略の転換に寄り添うように、普通の国家、一人前の帝国主義への回帰を目論む勢力の主導によって、一つ、また一つと方向転換を重ねてきた。今回の戦争法案も、その大きな転換の一里塚に他ならない。しかもその一里塚は、その先に見据える武力行使と戦争のさらなる拡大に道を開くものでもある。
今回の法案審議でも、自民党議員などの質問や政府答弁は、敵基地への先制攻撃の必要性や核兵器保有の可能性について何回も言及した。これまで敵基地攻撃などは、「憲法で認められた自衛権」を超えるものだとして否定されてきたが、自衛権の拡大解釈でそれを可能にする道も画策されている。〝自衛権〟とは、何とも便利な言葉だという以外にない。
日本は、,すでに実質的な偵察衛星を保有しているし空中給油機も持っているので、現時点でも長距離攻撃は可能だ。ただしそれは敵基地攻撃にはまだ限定的なもので、彼らの次のターゲットは弾道ミサイルや攻撃型空母の保有などだ。すでに離島防衛のためと称して日本版海兵隊が創設され、空母保有を視野に入れた疑似空母(ヘリ搭載護衛艦)も持っている。核兵器の保有についても、自民党議員や自衛隊制服組の一部にとどまらず、原子力ムラ、それに官僚や民間にも積極的な面々が存在しているのが実情だ。
「攻撃は最大の防御なり」という言葉を地でいくような、〝抑止力〟や〝自衛権〟を拡大解釈した際限のない軍事拡大路線が、まさにいま進められようとしているのだ。
◆立憲主義
今回の法案の二つ目の問題は、いわゆる立憲主義の否定、その破壊である。
安倍首相は当初、憲法改定で集団的自衛権の行使に道を開こうとしていた。が、それが困難な状況を見て、憲法96条改定による改憲のハードルを下げる方策を目論んだが、それも頓挫した。やむなく目をつけたのが、歴代自民党政権が多用したいわゆる解釈改憲だ。今回の戦争法案も、これまで出来ないとされた憲法解釈を強引に変更することでそれを可能にするものに他ならない。
憲法の解釈を、時の政権、時の多数党が思うがままに変更できるとするならば、憲法で規定された国会発議と国民投票という改憲のハードルは取り払われてしまう。憲法は単なる飾り物にされてしまうのだ。自衛権を認めたこれまでの解釈自体が、すでに憲法を飾り物にしているのだが、それでも「ガラス細工」と称される苦しい解釈でなんとか整合性を装ってきたのが実情だ。
次の転換が解釈改憲で強行されるかそれとも明文改憲なのかまだ不透明だが、国民投票で改憲を認めてしまっては、立憲主義の否定もなにも意味が無くなる。だから立憲主義の肯定か否定かという問題は、どちらが正しいかという原理原則の問題というより、結局は、軍事優先勢力と反戦平和勢力の闘いの問題なのだ。その闘いは今回で終わることはない。今後へと続く闘いなのだ。
◆戦争をしない、させない
軍事優先政治と立憲主義の否定。そのどちらも許し難いものではある。が、もっと素朴で普遍的な闘いのスタンスが、今回の戦争法案反対行動で垣間見えた。あのSEALDs(シールズ)だ。
武藤貴也衆院議員。その武藤議員が一躍クローズアップされた瞬間があった。ブログでは「彼ら彼女らは『だって戦争に行きたくないじゃん』という極端な利己的考え……利己的個人主義」なのだそうだ。権力につながる自民党衆院議員としての地位からすれば、巷で「戦争はイヤだ」と叫ぶ若者や下々は、徴兵拒否なども含めてお上の指示に逆らう究極の利己主義にしか見えないのだろう。かつての日本の支配層や軍部エリートがそうだったように、庶民や末端の兵士などは、戦争遂行や国体護持のための捨て駒に過ぎない、と言うわけだ。
そんな武藤議員、自民党では別に珍しい存在ではない。その他、トンデモ発言で物議をかもした議員はいっぱいいる。「マスコミを懲らしめる」「法的安定性はどうでもいい」「八紘一宇」…………。
ところで「戦争に行きたくない……」という発言、その立脚点は、反戦・平和の闘いにとって普遍的な意味を持っている。誰が何を言おうが、戦争はイヤだ、戦争に行きたくない、行かせたくない……。これは戦後日本の平和主義を根付かせた「もう戦争はこりごりだ」と通底する意識に他ならない。
世界を見渡せば、憲法で交戦権や宣戦布告権などが明記された憲法が多い。徴兵制を敷いている国もある。が、そうした国でも、かつてのベトナム戦争や近年のイラク戦争を目の当たりにして、大規模は反戦行動を巻き起こしてきた。それは憲法違反だから反対、ではもちろんない。戦争は結局は人と人の殺し合いであり、苛烈で残酷なものであることが理由だ。そして死ぬのは結局は末端の兵士であり、無垢な市民や子どもなのだ。そうした反戦・平和の願いは、世界中の反戦・平和の闘いとつながる、世界共通の旗印なのだ。
「戦争に行きたくはない……」は、だから反戦平和にとって根源的で普遍的な立脚点に通じるものだ。そうした利己主義、個人主義は,なにも恥じることではない。為政者にとってなんとも扱いにくく、具合が悪いから封じ込めたくなるのだ。
◆世界に拡がる闘い
ただし、「行きたくない……」は、戦争の原因、戦争推進者を視野に入っていない、ともいえる。戦後平和主義の最大の弱点はあそこにあった。軍部、軍需産業、国家至上主義……。戦争は、利益や権力・地位それに理念も含めて、それを推し進める人や勢力が必ずいるから起こされる。反戦・平和の願いは、そうした勢力との闘いでもある。武藤議員から難癖を付けられた若者は、これまでと今後の自分たちの闘いの中から、必ずそうした立脚点を学び取っていくだろうし、そう願わずにはいられない。
安倍首相が自民党総裁選で無投票で選出された。次の任期は再びアベノミクス──経済だという。来年夏の参院選を視野に入れた発言だという。
そういえば、昨年暮れの総選挙でも集団的自衛権の行使容認は、自民党マニフェストでは明記しておらず、「平時から切れ目のない対応を可能とする安全保障法制を速やかに整備します」と重点政策集の隅っこでさらりと記載されたものでしかなかった。が、実際に発足した第三次安倍内閣は、戦争法案を前面に押し出した。この次も同じ手法、参院選では経済対策、それが終われば憲法改定なのだろうか。そんな詐欺まがいの政治に乗せられてはならない。そうした先行きも見据えて、国会と政権を包囲し、廃案に向けて反対勢力は総決起しよう!(廣)
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エイジの沖縄通信(NO・16)・・・「集中協議を利用した分断工作」
9月7日、予想していたように沖縄と政府の集中協議は決裂した。
5日の辺野古現地県民大会時の稲嶺市長の言葉「辺野古を止める、高江を止める、戦争法案を止める」のように、沖縄は「工事再開」阻止の宣言を発して、断固辺野古工事を止める決意を固めている。
私たちも、沖縄の闘いを支援すると共に、断固戦争屋・安倍首相の戦争法案を止めよう!
この集中協議の決裂の予兆は8月29日の第4回集中協議に見られた。
辺野古工事を中断して、この間に集中的に辺野古問題を話し合い解決の糸口を見つけ出そう、ということでスタートした集中協議であったが次第に変な方向にそれ始めていた。
8月29日の第4回集中協議は、菅官房長官が10時頃那覇空港到着で、夕方6時頃には那覇空港を飛び立つ駆け足の来沖であった。その間、翁長知事と菅官房長官との会談は午後4時から1時間だけだった。それも、冒頭約30秒だけ写真撮影に応じて後は非公開だった。協議後の会見では、「普天間の危機除去で一致したが、方法については『著しく距離』がある」と、特別進展なしという結論だった。
では一体、菅官房長官は何しに沖縄にきたのか?それを知る鍵は、この日の日程と会談者にある。
那覇空港到着後、すぐヘリコプターで北部訓練場を視察。ヘリを降り、すぐに移動したのは名護のホテル。12時から30分だけの会談。沖縄側の出席者は東村の伊集村長と村議会議長、国頭村の宮城村長と村議会議長、それに何故か?島尻安伊子自民党参院議員と比嘉奈津美自民党衆院議員が同席した。
会談内容は、辺野古問題ではなく、北部訓練場の過半の返還条件とされた東村高江のオスプレイのためのヘリパット基地建設問題。(高江部落に近接する基地建設予定地6カ所のうち2カ所は完成している)
菅官房長官は北部訓練場過半返還や基地負担の軽減について「目に見える形で、やれることを全力でやりたい」と強調。さらに「県にヘリパッド基地建設の協力も得なければならない」と付け加えた。
伊集東村長は「整理縮小、負担軽減をお願いしたい」と。また、やんばる地域の世界自然遺産登録について「地域の観光を拡大することにつながる」と協力を求めた。宮城国頭村長も「北部訓練場の過半を返還した後、世界自然遺産登録を進めてほしい」と要請。
このように菅官房長官は世界自然遺産登録と高江のヘリパット基地建設をセットで提案し始めている。今後、高江の工事強行が懸念される。
次の訪問地が宜野湾の普天間飛行場隣の普天間第2小学校。そこで佐喜真宜野湾市長と面談する。この佐喜真宜野湾市長は普天間飛行場の早期返還のためには、辺野古基地建設はやむ得ずという辺野古推進派市長。
そして、最後の極めつけの会談が、3時過ぎに那覇のホテルで開かれた「沖縄の振興を考える保守系市長の会」(なんと『チーム沖縄』と名のり、県内11市のうち稲嶺名護市長と城間那覇市長をボイコットして、9市の市長で結成する会)との会談。この9市長は知事選で仲井真前知事を支援しており、翁長知事の対抗勢力が結集した格好だ。
29日の菅官房長官の日程と会談内容を見ると、翁長知事との集中協議を利用して、翁長知事を切り崩す陣営のテコ入れのために来たと推測できる。
この事によって、今回の辺野古工事1ヶ月中断の真意がはっきりしてきた。工事建設の強行突破が難しいと判断し、時間を稼ぎ、その間に翁長知事を支える「オール沖縄」を分断させて翁長対抗勢力を結集させる工作に乗り出した。今後も、旧態依然とした様々な植民地政策「アメとムチ」を繰り出すだろう。
7日の集中協議の最後、菅官房長官が「近く工事を再開させていただく」と表明。それに対して翁長知事は「工事を再開するなら、全力を挙げて阻止する」と決意を述べた。
翁長知事がいつ、どのように「埋め立て承認の取り消し」に踏み切るのか?その事に注目が集まる。(富田 英司)
株乱高下 年金は大丈夫?
株価の上がり下がりは、普通に当たり前のことでしょう。しかし、昨今の急上昇と急降下はまるでジェットコースター。夏前には、「二万円越えの大相場」だと騒いでいたが、一転現在では、「一万六千円あたりまでは下がる」とか「日本株が世界最大の株下落になる」という予想まで登場し経済誌をにぎわしている。
そこで気になるのが、「年金は本当に大丈夫?」という庶民の声だ。誰だって、老後に支給される予定の年金が少なくなるのは深刻な問題になる。というのもGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が安倍内閣の肝いりで株式運用を大々的に開始しているからだ。
■日本の株域市場の様子
八月の日本株式市場で、過去最大規模の攻防戦が繰り広げられていたことが先週明(九月第一週)らかになった。世界株安が連鎖する中で、海外勢が大量の売りを出す一方、国内の個人投資家や「公的資金」が買い支える対抗図だ。ただ、相場の主導権を握っているのはやはり海外勢。金融緩和効果や世界経済減速への疑念が強まるなか、リスクオフ(危機回避の株売り)再開の気配を見せている。(ロイター9/5)
なぜこうなったかと言えば、公的資金を呼び水としてきた日本株式市場だが、「アベノミクスはもはやダメかも」という認識が膨らんだからである。そこで2015年の海外勢の日本株売買が売り越しに転じた。年初から8月第1週までに現物株と先物合計で約3.4兆円買い越していたが、8月第2─4週で計3兆6850億円の売り越し。特に第4週は1兆8830億円と2008年8月からのデータで最大の売り越しとなった。(ロイター)
もはや、海外勢は、沈みゆく泥船から退避しつつある、もしくはそのタイミングを見定めようとしている。
世界を見れば日本株だけが売られたわけではない。その過去最大規模の「大波」の中で、日本株のポジションも縮小されたわけだが、注目されるのは、売りの主体がヘッジファンドやCTA(商品投資顧問業者)など短期筋だけでなかったことだ。長期資金の海外投資家も、日本株を売り始めている可能性が大きい、というのが同ロイターの分析だ。
■危険にさらされている個人投資家
この売りに対抗したのは国内勢。国内年金の売買を経由する信託銀行は、8月第4週、現先合計で昨年12月第3週以来となる5155億円を買い越した。市場では公的年金や共済などを含めた「公的資金」の買いとの見方が多い。日銀のETF(上場投資信託)買いもハイペース。8月第4週は、24日の337億円1回だけだったが、金融調節のデータでみた8月は3494億円の買いとなり、月間最高となった。
「公的資金」以上に買いを入れたのが個人だ。8月第4週は現先合計で、2674億円の買い越しだったが、投資信託の7922億円の買い越しと合わせると1兆円超のプラス。海外勢が過去最大の売りを見せるなか、週間で1.5%程度の下げにとどめたのは、こうした個人と公的資金の買いだ。しかし、海外勢の売りは止まらず、4日の日経平均は一時500円以上の下落となり、26日に付けた安値を割り込んだ。「日本経済への自信というよりも、値ぼれで安くなったから買ったという個人投資家は、大きな損を抱えることになりかねない」(松井証券・シニアマーケットアナリストの窪田朋一郎氏)と警戒されている。(以上ロイター九月五日)
■「日の丸連合」vS海外投資家
ただ、市場を取り巻く不安感は色濃い。「各国がこれだけ金融緩和しても経済は依然弱いままだ。世界的な景気減速懸念の中で、政策に対する不安が強まっている」(シティグループ証券・チーフエコノミストの村嶋帰一氏)という。(ロイターより)
金融緩和への疑念が海外投資家に広まっているのは間違いない模様。これまでなら、金融緩和環境が継続されるメッセージで市場センチメントが持ち直すパターンが多かった。しかし、金融緩和「マジック」の効果も薄れ始めているとすれば、グローバル金融相場は、大きな転機を迎える。海外勢の怒涛の売りを国内勢が吸収するのは容易ではないだろう。
今回先行したのが、ご存知の中国上海市場だ。このケースでま、政府は市場を国家の圧力で、暴落を抑え込もうと必死であった。しかし、結果はどうだろうか。多少の効果があったかは知らないが、結果としては、ピークより半分ぐらいのところまで、降下している。
日本だって、事情は変わらない。日本も国家の管理相場であった。日銀やGPIFなどが年金や税金を使って大相場を張っていたからこそ(国民の了解も得ずに)、株価は維持できたし、海外からの投資家があつまり株価を押し上げていたのだ。
だから去年、GDPがマイナス1%の日本だが、株価は大幅に上昇できたのである。まさに「バブル」なのだ。ここから海外勢が撤退すれば、相場は下落する。そこで国家と日銀は必死で株価を買い込んで支え続け暴落を阻止でたとしてもピークよりは二千円以上下げている。日本の巨額な「公的資金」も早晩限界がきて買い続けられなくなれば相場が正真正銘の暴落になるのは目に見えているだろう。
■進退窮まりつつある株相場ーー年金資金を引き揚げるべきだ!
これ以上相場が下がれれば、GPIF(年金運用機構)も可なりの痛手になることは自明ではないか。ところが、海外勢が逃避する中、「日の丸連合」が唯一のつっかえ棒となってしまった。これを外すわけにはいかなに、という進退窮まっているのが、日本の株式市場だ。
しかし、われわれは言わなければならない。公的年金の勝手な株式運用は中止すべきだと。損害が出た場合の責任を明確にせよと。
それとも「株が暴落したら大変なことになる」と言うのだろうか。株の下落は現実の日本のファンダメンタルズが低調なのでありその現実の反映だ。資産階級の損害などは「自己責任」と言うものだ。なけなしの年金をこそ守るべきではないか。(竜)
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第
22回全国市民オンブズマン兵庫大会 「そんなんあかんでー! 役所と議会」
9月5日・6日、今年は神戸での開催となり、私たち西宮のメンバーも会場設営や受付の手伝いを行いました。会場は神戸学院大学で、広々とした芝生の庭園を囲んで校舎が建ち並び、海が見える景色は神戸ならではと、感じいりました。駅からの徒歩の疲れもこの清閑な趣に癒され、会場へと足を向けました。
昨年の元兵庫県議会議員の号泣会見が、全国的に報道され注目を浴びたことで、兵庫県での開催が決定されました。参加者も260名と、ここ最近では多い方で、初めて参加される方が目立ちました。報道関係者も地元だけでなく東京からも駆けつけられ、テレビカメラが会場では忙しく動いていました。
全体会では、2014年度の都道府県議会の政務活動費の返還額が、前年度より2億円増えて、11億円に上ったことが報告されました。とりわけ、兵庫県では野々村竜太郎元県議の不祥事が発覚してから、芋づるのようにベテラン議員らの不適正支出が明らかになり、執行率が11・0ポイント減の76・8%と大幅な低下となりました。年間600万円から540万円と減額したとはいえ、大切な税金がなぜこんなにも高額が認められるのか? 市民の感覚では理解できるはずがありません。
翌日の分科会は5つに分かれ、私は、昨年に続き「ギャンブル・カジノ」分科会に出ました。全国で536万人にも達するギャンブル被害者。今年も被害者の方からの訴えがありましたが、合わせて被害者の方を支えるグループからも話がありました。被害者の自助グループからは、60歳代の男性から、借金の返済で銀行が利子を10%を超え29%にも及んだことで、あまりにも残酷な仕打ちの銀行の姿勢を非難されました。40歳の男性は、20歳からパチンコとアルコールで借金を重ね、仕事も家も失い、自殺も考えた日々の体験を打ち明けられ、今も回復の途中とのことでした。
ギャンブル依存症の方の早期発見と治療に取り組む「NPO法人・京都マック」は、グループホームで、1日のスケジュールを決め集中リハビリを進めています。依存症回復者がスタッフとなって支えるという理想的な援助の方法に、私は心を動かされました。総合支援法内の施設として運営されている、そんな取り組みがもっと広がればいいなあと思いました。
他にも、司法書士で「全国カジノ賭博場設置建設反対連絡協議会」の新川眞一さんから、カジノに変わる物作り産業の発展を提起し、カジノ法案に反対する運動を広げたいと、訴えがありました。大谷大学の滝口直子さんの講演では、ギャンブリングの責任の主体は?というテーマで行われ、ギャンブラーへの救済の資源が少なく、広告の規制が無いなど国の姿勢が問われました。時間がまだまだ足りない分科会でした。来年は、四国の高松です。皆さんも、観光を兼ねて一度、参加してみてはどうですか? 折口恵子
オンブズマン 安保法案の廃案を求める決議
現在参議院で審議中の『安全保障関連法案』(安保法案)に対し、8月30日、日本全国300カ所以上で市民が自発的に集結し、安保法案の廃案を訴えた。12万人もの市民が参加した国会前の熱をBBCは「日本の若者は目覚めた」と世界に伝えた。法案に反対する市民は今日も日本全国で声を挙げている。こうした市民の声は、紛れもない、民主主義の声である。
安保法案は、内容のみならず、憲法改正手続きによらずに政権が歴代内閣の憲法解釈を一方的に変更した点で、大多数の憲法学者等が憲法違反と断じている。我が国の将来に重要な影響を及ぼす法案だからこそ、憲法には忠実に、市民の声には耳を傾けることこそ、政府与党は行うべきである。ところが政権は、選挙で多数の議席を獲得したことを盾に、安保法案を成立させる構えを崩していない。しかし、選挙で争点としていなかった安保法案について、選挙結果だけをよりどころとして、憲法解釈を一方的に変更し、国会での議決を強行するのは、立憲主義の破壊であり、民主主義への敵対である。
私たち全国市民オンブズマン連絡会議は、民主主義のツールである情報公開制度を用い、行政を監視し、行政に意思を表明し、行政を少しずつ変えてきた。憲法と民主主義の力を信じ、民主主義の制度を用いてきたものとして、私たちは安保法案の採決に強く反対する。そして、安保法案に反対の声を挙げる全国の市民と連帯して、安保法案の廃案を求めることをここに決議する。
2015年9月6日 第22回全国市民オンブズマン兵庫大会参加者一同
オンブズマン 大 会 宣 言
2015年9月5日から6日にかけて,私たちは「そんなんあかんでー!役所と議会」というメインテーマで,第22回全国市民オンブズマン兵庫大会を開催しました。
元兵庫県議会議員の号泣会見で注目が集まった政務活動費は,その後全国ででたらめな使途が次々と報道され,神戸市議会では自由民主党が同一会派に所属していた議員を刑事告発する事態にまでなりました。私たちは,これまでの大会でこの問題を指摘し取りあげてきましたが,本大会では,政務活動費が本来の調査研究に使用されていない実態が改めて明らかとなり,政務活動費が適正に使用されるための方策について制度の抜本的見直しも含め様々な議論を行いました。
また,私たちは民主主義国家にとって不可欠な国民の知る権利を実効性あるものとするために,行政機関等が保有する情報が適切に作成され,管理・保管されているか,市民が必要な情報に適時にアクセスできるかなどを調査してきました。その結果,行政機関等のお粗末な情報管理の実態が明らかになっただけでなく,これにより行政機関等にとって都合の悪い情報を意図的に廃棄することが多くの地方公共団体で可能であることが判明しました。
その一方で,私たちがこれまで活用してきた住民訴訟制度を改悪し,首長の責任を限定するなど住民訴訟制度を骨抜きにしようとする動きが報告されました。
さらに,多数のギャンブル依存症患者がいる中で,観光及び地域経済の振興・財政の改善をうたい文句にカジノ施設を核に据えた統合型リゾート法(IR法)が成立しようとしていることの問題点が報告されました。
私たちは,今回の大会報告や討議をもとに,震災からの復興,原発事故の収束がままならない中で,無駄な税金の支出や違法な使途を許さないこと,民主主義に不可欠な知る権利を後退させる動きを許さないこと,住民自治の実現へ向けた地方議会の改革を求めることを誓うとともに,私たちの活動をますます発展させるため,以下の4点を大会宣言とします。
記
第1 政務活動費が調査研究以外につかわれることのないよう,支出を監視し,とりわけ領収書のネット公開など支出の透明性の向上と,制度の抜本的見直しを求めていくこと
第2 県警・議会も対象とした公文書管理条例の制定を地方公共団体に求めること。
第3 住民訴訟制度の改悪を阻止する運動を継続すること
第4 IR法の制定に反対すること
2015年9月6日 第22回全国市民オンブズマン兵庫大会参加者一同
IRカジノに反対する決議
1.2015年今国会に「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」(以下、IRカジノ法案)が上程されている。そして安倍晋三総理を元最高顧問としたIR議連が提案したこの法案は、十分な審議もなく可決される危険性がある。
2.IRカジノ法案は、今後2年以内に政府に民営IRカジノの実施法をつくらせ、2020年の東京五輪に間に合わせようという法案で、カジノに伴う①ギャンブル依存症等の発生・拡大、②治安悪化、犯罪の発生、③マネーローンダリング、脱税、④教育・文化環境の悪化を招き、そして本来許されない賭博を営利業者に認めるという利権まで発生させ、法秩序の否定をもたらすものである。
3.政府や地方自治体は、現在でも刑法185~187条の例外となる特別法で公営競技を主催したり、富くじ(宝くじとサッカーくじ)を販売しており、10兆円の公営ギャンブルがある。また、パチンコ・スロットの「三店方式」による換金を事実上黙認する警察の監督下で日本では既に売上24兆円、12000店と世界最多の「ミニカジノ」が存在する。
4.これによる日本のギャンブル依存は厚生労働省の委託調査で536万人と推計されている。そして、既存ギャンブルの周辺で既に客の借金や生活破綻、自殺、さらに家族の財産喪失から子どもの熱中死までが発生している。そして、ギャンブルに投ずる金のために窃盗、強盗、横領の犯罪も絶えない。
しかるに、この弊害を生む主催者・企業はその防止の責任を全く果たしていないし、政府や自治体も被害救済に動いていない。よって被害救済と防止こそ急務である。
5.IRカジノは、人の射倖心を利用して、人の富を効率的に収奪するものであり、金を賭けないゲームとも異なり、人の弱みを利用する大規模な組織的企業活動である。
国内外のカジノ企業、IR議連(カジノ議連)、カジノを推進する経済団体、そして誘致活動を行う一部地方自治体の首長は観光振興などというが、その経済効果さえ疑問で、市民から娯楽の名の下に財産を収奪する事業を進めるものである。
6.これは憲法の定める日本国民の幸福追求権、生存権、生活基礎となる財産権を侵害するものである。IRカジノを国会が認めることは、これまで日本にない民間企業に刑法違反の賭博開帳を認めるもので、憲法上、最大の尊重を必要とする人権と公共の福祉に反するものであり、絶対に許されない。
以上、決議する。2015年9月6日 第22回全国市民オンブズマン兵庫大会参加者一同
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シリーズ「戦争」・・・第2回「遅すぎた聖断」
前回は、「8月15日終戦記念日」昭和天皇の聖断(玉音放送)を取り上げた。
この天皇の聖断問題を調べる中で、この聖断問題を取り上げたテレビ番組があることを知った。
1988年6月23日の沖縄慰霊の日に沖縄琉球放送(RBC)制作の特集番組「遅すぎた聖断ーー検証・沖縄戦への道」である。
この番組を制作したプロデューサーの仲里雅之氏は、この番組制作のキッカケを次のように述べている。
「沖縄に生まれ育ち、いまも残る様々な戦争のつめ跡や親族からの体験談など、私たちはいくらか戦争の疑似体験をもっている。しかし、それが一つに結びつかない。なぜ沖縄で地上戦があったのか?なぜ集団自決や住民虐殺がおこったのか?『沖縄戦』を歴史の断片的な点としか理解できなかった。『沖縄戦』が歴史的にどんな意味をもつのか。それはいまの沖縄の諸問題とどう関わっているのか。点と線をつなぎ、わかりやすい番組がTVに少なかった。こうした「沖縄戦」への素朴な疑問が番組づくりの契機になった。契機は、あるカメラマンが家永教科書裁判を東京で取材中、歴史学者の藤原章氏の講演があった。内容は『沖縄戦は住民の命を守る立場での戦いではなく、本土決戦を前にしての捨て石であった。このことを証明する資料は多いが、一般には知られていない。』と力説したという。この話に私はとびついた。平面的に観ていた『沖縄戦』が立体的に見えるかもしれないと感じた。さっそく藤原氏と連絡を取り、その後番組を完成させた。」
この完成した番組の内容は「昭和天皇の『聖断』が、1945年8月13日ではなく、もっと早くなされていたならば、同年の4月1日の沖縄本島・読谷への連合軍上陸によって本格化する沖縄戦の開始もなく、あの『鉄の暴風』と呼ばれた、壮絶な戦いのなかで15万人という死者を出すことはなかったであろう、という歴史事実への思いが強く打ち出された優れた作品である。」
この作品のキーポイントは、沖縄戦が開始される45年2月14日に近衛文麿によって昭和天皇に提出された早期の「終戦」を訴えた「近衛上奏」(「敗戦は遺憾ながら最早必死なりと存候・・・敗戦は我国体の一大瑕瑾たるべきも、英米の世論は今日迄の所国体の変更とまでは進み居らず。随つて敗戦だけならば、国体上はさまで憂ふる要なしと存候」と述べた。)に対して、「もう一度戦果を挙げてからではないと」一蹴した昭和天皇の言葉を取り上げていることにある。
戦力の底をついていた日本陸海軍の現実を直視する事ができない昭和天皇の非合理な判断と「国体(天皇制)護持」一点にのみ執着する余り、甚大な犠牲を生み出すことになった、昭和天皇の『不決断』と『無責任』とを厳しく衝いた内容となっている。
この事を藤原章氏は著作「沖縄戦ーー国土が戦場になったとき」(青木書店)で、次のように述べている。
「1944年(昭和19)10月、アメリカ軍はフィリピンに進攻し、フィリピン沖海戦で日本の連合艦隊は事実上全滅した。地上戦でも日本軍はレイテ島ついでルソン島でアメリカ軍に圧倒され、全滅状態となった。・・・もしこのとき天皇が近衛の上奏をうけいれ、断固として戦争の終結を命じていたならば、歴史は一変していたであろう。天皇は陸海軍大元帥であり、陸海軍の最高統帥者(最高司令官)であって、その命令に軍部が背くことは許されない。・・・この時点で戦争が終結されたならば、原爆投下はもちろん、沖縄戦も存在しなかった。」
同番組は沖縄だけでなく、各方面から大きな反応を獲得し、番組にJCJ(日本ジャーナリスト会議)賞、地方の時代映画最優秀賞、ギャラクシー賞特別賞が贈られている。
最後に、この昭和天皇の「聖断」問題に関して纐纈厚氏の著作「聖断虚像と昭和天皇」(新日本出版社)を参考にさせてもらった。
纐纈氏は「本書は、第一に、昭和天皇の『聖断』に至る歴史の過程を、いま一度読み直すことにあった。そこでは『国体護持』を究極の目標とする政治判断であり、戦後をも射程に据えた政治戦略であったこと、その結果として天皇制や戦前権力が、戦後へと円滑にスライドさせる結果となっていったことを強調しようとした。さらに第二に、戦後における『聖断神話』や『聖断礼賛論』が、戦後保守体制や日本の天皇観にどのような効果を付与し続けてきたかを検証することであった。そのような『聖断神話』や『聖断礼賛論』の呪縛から解放されない限り、冷静で客観的な歴史の読み込みも不可能ではないかと思われる」と述べている。(沖田未来)
軍部の暗躍が止まらない
先月には、自衛隊が中谷防衛大臣の指示で「安保法案成立」を前提として日米の連携による戦争準備が着々とおこなわれていたことが暴露されました。これは国民無視の軍部の独走と言わざるを得ないと批判が巻き起こりました。
今度は、河野克俊統合幕僚長が去年十二月に米国の軍トップと「安保法案の見通し」や意見交換をしていたことが明らかになりました。共産党議員が九月二日に追求したものです。
去年十二月はもちろん法案提出前であり与党協議すらなかった時期にです。安倍首相ですら法案成立見通しを語ってもいなかった時期です。
最高幹部とはいえ一軍人が、国会運営や議会の論議を待たずに「夏に可決」を前提として米軍部と新日米同盟について政治的分析を米軍に示しています。さらには「沖縄に基地建設反対派知事が誕生したが、安倍首相は建設を強力に推し進めるだろう」などなど防衛大臣顔負けの政治論議を展開したとか。
議会も政府も、自衛隊=軍部を制御できていないことは深刻です。軍部は勢いを増して議会や政治家を軽く見ています。もちろん国民も彼らの眼中にないでしょう!このような軍隊がいったい誰を守るのでしょうか!
さらに問題なのは、自衛隊=軍部は米軍と高度に密接な関係を構築しているということです。米国の世界戦略にほとんど一体化しているのではないかと考えられることです。米国は、中東やアラブ圏、さらには中央アジアで現在でも戦闘に参加しあるいは支援している戦争国家なのです。米国との親密な同盟を構築することは、日本が他国でも戦争行動に参加するということ以外の何物でもありません。
八月12日の沖縄県うるま市の伊計島沖合で米陸軍ヘリコプターUH60が米軍輸送艦への着艦に失敗して墜落したことも想起しましょう。負傷者のうち二人が陸上自衛隊員だった二人とも陸自の中央即応集団所属であった。米陸軍参謀総長は、特殊作戦部隊の訓練中だったことを明らかにしてます。「研修」どころか実際は集団的自衛権行使を前提とした日米共同訓練であり、このような憲法違反の自衛隊の行動が、安保法制「成立」はるか以前から公然と行われていたわけです。たまたま偶然に事故で今回露見したが文民統制もあったものでないし憲法も立法府も無視です。
安倍首相の「世界の安定と平和を守るための法案」というのが改めてでたらめであることが明らかになったと思います。
自衛隊=軍部の暗躍は許せない!河野克俊統合幕僚長を国会に証人喚問しよう!(文)
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色鉛筆・・・LNG火力発電所建設に反対!
私の住んでいる家から2㎞ほどの所に、LNG(天然ガス)を燃料とする国内最大級200万KWの火力発電所建設計画が今年の1月に発表された。原発が止まっていても電気は余っているのに発電所をつくるの?着火するとファイヤーボールが爆発して100キロを焼き尽くすといわれている危険なLNGなのに?・・・様々な疑問を持っていると市民による「LNG火力発電所の建設を考える協議会」が立ち上げられ5月、8月に学習会が開かれ参加した。
東燃ゼネラル石油(株)は、遊休地に1500℃の燃焼ガスで回すガスタービンと、600℃・245気圧の蒸気で回す蒸気タービンの両方を組み合わせたコンバインドサイクル発電施設を3基作ろうとしている。発電所の燃料は、敷地内に静岡ガスと共同で設立したLNG基地から供給を受けるという。考えられる問題点として・天然ガスを燃焼した排ガス(CO2と窒素酸化物)の影響・LNG消費量増に伴うタンカーの入港回数増またはタンクの増設によるLNGの貯蔵量増・水蒸気を水に戻すための復水器の冷却水(工業用水を使用)が温排水として海に放出される影響(桜エビ、しらす)・計画地点は民家密集地、ここから600m以内にJR駅、イベント広場、多目的公園、文化会館、河岸の市(魚介類観光市場)等の市街地が隣接・埋立地における地震、津波、液状化、地盤の勃起や沈下の危険等々があるという。あまりにも危険すぎる!!いつ起きてもおかしくない南海トラフ地震では、未曾有の被害がでると予測されているのだから危険なものは作るべきではない。
ところが、利益を上げることが第一の資本主義社会では、危険を冒してでも儲かると思えば人の命はどうでも良いのだろう。現に東燃ゼネラル石油は、石油から電力事業に参入して規制緩和による電力自由化で儲けようとしているのだ。東燃は計画を発表してから半年以上何もしてこなかったのに、ここにきて急に動き出し9月の初め、立て続けに4回も地域の自治会で説明会を開いた。私の自治会では回覧板が回り「興味のある方は出席ください」と、書かれていたので出かけていった。
入口の所では背広姿の東燃の社員が2人深々とお辞儀をして向かい入れ、受付に行くと居住区ではない人は入れないと断られて帰る人がいたり、各町内で5人の動員がされているので50人以上の人が集まった。始まる前にわざわざ地区会長が『この中に居住地以外の人がいるようだが、発言は控えていただきたい』と言ったり、初めの挨拶では『東燃さんとは何かと縁があって、今日はいい話が聞けると・・・』と言いだした。住民の代表ならば中立の立場なのに東燃側の発言ばかりだった。作業服を着た社員がスライド写真を見せながら説明していったが、私たちが受付でもらった方法書とは違うスライドなので、見ながらメモをとるのは大変でよく分からなかった。この事については質疑応答の中で参加者から出され、資料を文書化して欲しいことを言うと東京の本社から来ている社員が低姿勢で答えていたが、『大まかなことは手元にある方法書を見て頂きたい』と逃げていた。 また、参加者からどんなリスクがあるのかという質問には『安全対策は万全に可能な限りやっている』と答え、どんなガスがでるのかという質問には『窒素酸化物はシュミレーションでごく微量排出されることだが、CO2は把握していない』と答えたので驚いた。さらに『計画段階なので・・・』という答えにもあきれてしまった。そこに住んでいる住民の命が大事ならまずは大気汚染をしっかり把握するべきなのにやっていないとは、やはり東燃を信用することはできないと確信した。
私は、スライド写真の中で防災対策としてこんなにもやっていて、津波が来ても大丈夫だと説明を受けても3.11東日本大地震の教訓からとても安心できない。危険なLNG火力発電所は反対です。震災後、安全な太陽光発電が進められているのだから東燃もやって欲しいことを訴えた。すると、今度は違う社員が『トラブルが起きた時、設備もあるが人の意識の訓練が必要・・・安全環境かどうか企業風土が問われている』『クリーンな太陽光発電は、40万hで3万KWしか発電ができなく効率が良くないので無理です』という答えで、やはり人の命より効率=利益優先ということだった。どうして危険なのか説明ができれば良かったのかもしれないが、危険だから反対という意思表示はしてきた。
参加者はほとんど自治会の動員だったが、地区会長のような推進する発言は少なく80㍍の煙突にイルミネーションをつけたらどうかという(推進派?)意見が出たり、もっと分かりやすいように説明して欲しい、今日いない若い人にも聞いてもらいたいという意見もあった。参加した人はスライド写真を見ながら説明を受けてもよく分からないのが本当のところで、住民が分からなくても説明会をやったという事実があれば東燃は計画を進めて行ってしまうだろう。東燃は、LNG火力発電所が儲かるから建設するのであって住民の命は二の次であることを訴えて反対の声を上げていきたい。(美)
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科学技術の使い道、軍事か平和利用かはその国(社会)のあり方にかかっている。
無人機ドローンは農薬の散布や、老朽化した道路の点検、火山の監視など、人間の社会生活に役立ついろいろな用途がある。そういう使われ方をする限り、災害現場で使われているいろいろなロボットも同じで、これからの人間社会においては益々有効的に使われていくだろう。
しかし、首相官邸への落下事件などを受け、監視カメラ搭載でスパイ行為やロケットを搭載すれば攻撃用の武器になる等その危険性が指摘され、住宅密集地や夜間は、原則として飛ばせなくなる、無人飛行機(ドローン)の飛行を規制する改正航空法が9月4日、参院本会議で可決、成立した。こうした規制強化は、ドローンの有用性や発展性を制限するものとして疑念を持つ声は多く出ている。
社会生活に役立つ平和的利用か軍事的利用によって戦争にも使われる科学技術の進歩・発展と利用、今の社会では表裏一体である。
北朝鮮のテポドンは軍事的ミサイルとして脅威的に報道されているが、人工衛星打ち上げ用液体燃料ロケットとしては初めて主要技術の全てが国内開発された日本のH2ロケットは平和利用としての宇宙開発の為と言われている。
しかしH2ロケットは、爆発物(爆弾)を搭載し、軌道計算を攻撃側に向ければれっきとした軍事的ミサイルに変身するのである。
JAXA(宇宙航空研究開発機構)が2019年度に打ち上げ予定の災害状況把握に使われた地球観測衛星「だいち」の後継先進光学衛星は、防衛省の「2波長赤外線センサー」を搭載する予定で、発車直後のミサイルの探知に生かすための試験データーをとる日本独自の早期警戒衛星でもあるのだ。
平和利用か軍事利用かは益々曖昧になりつつあるが、軍民どちらにも使える「デュアルユース技術」は、その国や社会が持つ政治的方向によってはどちらかの性格が重要視され使われると言うことである。
日本は戦後、軍の研究や軍需産業はGHQ(連合国軍総司令部)により解体され、航空、レーダー、原子力関連の研究は軍事技術にあたるとして禁止された。52年のサンフランシスコ講和条約発効で独立国となり、「平和憲法第9条」の制定もあることから軍事技術を民生に利用する「軍民転換」が大きく進んだ。
戦闘機を作っていた軍需企業は自動車産業に移行し、その他の軍事産業も、レーダーや潜水艦探知の技術を転用して無線電話や魚群探知機、胎児用超音波カメラの開発。「風船爆弾」に使われたこんにゃくの天然高分子研究が炭素繊維や合成繊維に応用される例もあった。
日本学術会議は、原子力研究については「公開・民主・自主」を原則とする原子力の平和利用を発表し、1967年に「戦争を目的とする科学研究は絶対行わない」等の声明を出している。
しかし、近年、大学研究者と防衛省との関係が密接になりつつあり、防衛省の技術者が大学の研究室に籍を置き、データの交換や実験装置の融通をする研究協力制度ができ、大学の研究者に年最大3千万円の研究費を出す「安全保障技術研究推進制度」も始まり、交流は人・データ・お金と進んでいる。
安倍政権は「自衛権」行使を理由にした安保体制強化の政策を推し進めているが、こうした政策が推し進められる限りは、介護福祉等で使えるロボット技術も病気の治療や予防などに役立つバイオ技術も、敵の探知と攻撃・生物兵器に応用するなど、全てにわたって軍事利用として利用され、優先されることは明らかである。
科学技術の平和的利用のためにも、集団的自衛権の容認の安倍政権に反対していこう!(光)
読書室 矢部宏治氏著『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』
集英社インターナショナル 本体価格 千二百円
ついに暴かれた戦後日本国家の驚愕すべき歴史とその「最大の秘密」の解明
なぜ戦後70年たっても、米軍が首都圏上空を支配しているのか。
なぜ人類史上最悪の事故を起こした日本が、原発を止められないのか。
なぜ被曝した子どもたちの健康被害が、見て見ぬふりされてしまうのか。
だれもがおかしいと思いながら、止められない。
読者は、孫崎享氏の『戦後史の正体』という本をご存じであろうか。またこの本を嚆矢とするベストセラー群「〈戦後再発見〉双書」をご存じであろうか。矢部氏こそは、これらの双書の企画&編集総責任者である。そして矢部氏のこうした出版活動の原点となったものこそ、『本土の人間は知らないが、沖縄の人々はみんな知っていること 沖縄・米軍基地ガイド』であった。取り上げられたのは、沖縄にある28基地の全部である
今はこのガイド本を取り上げられないが、一読の価値ある良書である。その内容はまさにこの沖縄・米軍基地のガイド本を作成する中で、矢部氏の問題意識が研ぎ澄まされ今回書評で取り上げた著作へと熟成していったのである。
この本は、その矢部氏が自ら書き記した戦後日本国家の真実の歴史とその「最大の秘密」を解明し、アメリカ公文書によって次々と明らかになる、驚くべき日本の歪んだ具体的な現状分析の数々を明らかにしたものである。
それだけでもたいへんな驚きであるが、矢部氏は更に一歩進み出てその見事で精緻な戦後日本の構造解析を成し遂げた事により、その根本的原因と実際的な解決策を提示する。
まず目次を紹介する。以下の全五部構成に「はじめに」と「あとがき」がついている。
PART1 沖縄の謎――基地と憲法
PART2 福島の謎――日本はなぜ、原発を止められないのか
PART3 安保村の謎(1)――昭和天皇と日本国憲法
PART4 安保村の謎(2)――国連憲章と第2次大戦後の世界
PART5 最後の謎――自発的隷従とその歴史的起源
先に矢部氏の問題意識が研ぎ澄まされたと書いた。「PART1 沖縄の謎」は、その取材時に矢部氏が考えたことを中心に書いてあるところで、本書の導入部分になる。
そこにおいて日本の法体系の上位法として安保法体系が、つまり日本国憲法より上位に位置付いていることがまず暴露されている。そして日本の官僚が忠誠を誓っているのは、日本国総理大臣ではなく「安保法体系」があることが展開されていくのである。
本書の51頁に「日米合同委員会の組織図」が掲載されているが、殆どの日本国民は、その存在すら知らないであろう。最近矢部氏は、鳩山由紀夫元総理とこの本について対談下のだが、鳩山氏自身その事を知らなかったとの重要な告白をしている。
「PART2 福島の謎」は、あれだけの大事故であったのにもかかわらず、今の今に至るまで誰も責任を取っていないという事実の重みだ。端的に言えば「被害者は仮設住宅で年越し、かがす社にはボーナス」という実態の凄まじい落差がそこにある。そのなぜの解明が「アメリカで機密解除されたふたつの公文書」を読み解く中で明らかにされている。
「PART3 安保村の謎(1)」以下では、昭和天皇と日本国憲法、国連憲章と第2次大戦後の世界、自発的隷従とその歴史的起源といった重いテーマについての分析がなされている。
本書の核心がここにある事は、読書後の個々人の感想からも言う事が出来るだろう。
私自身、矢部氏の論証の緻密さに圧倒され、従来から知りたかった事がここには明確に述べられていると驚かされた。
天皇の「人間宣言」も「日本国憲法草案」も最初は英文であった事の秘密が、矢部氏によって徹底解明されている。まさにここは読ませる部分である。
その核心は、「天皇+米軍」が戦後日本の国家権力構造になった事にある。そしてこの事は、また「アメリカの占領政策=日本の国家再生計画」という共同プロジェクトを進めていく事でもあったのだ。
それらの解明の結論として、日本はなぜ「基地」と「原発」を止められないのかが、矢部氏の丁寧な説明により徹底的に明らかにされたと言う事が出来る。 (直木)
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コラムの窓・・・注目!オフグリッドシステム。
東日本大震災後、電力の供給源だった原発を止めることで、夏場の電力需要のピーク時の供給には不安が上がっていた。電力各社は老朽化で止めていた火力発電所もフル稼働しつつ、太陽光発電等を新しく設置し、原発がなくても、電力需要をまかなうことができることを示していたが、この夏、沖縄を除く電力各社で、電力需要が最も多かった日の日差しが強まる時間帯に、太陽光発電が電気の約1割を担ったという。
電力会社はもともと、ピーク時に電気が足りなくならないよう、普段はそれほど使わない発電設備を抱えているが、夏のピーク時の電力需要も、LED照明への切り替えなど、企業や家庭で節電の取り組みが広がり、震災前と比べて十数%ほど少なくなっていることも、太陽光発電や既存の発電設備で需要をまかなうことができた要因でもあるが、現在、太陽光の年間発電量は全電源の2%程度の規模、制御が高度化する原発や二酸化炭素排出量が多い石油火力に替わって、日照条件も良い夏のピーク時は、頼りになる電源になる事を示したものとして注目すべきだろう。
再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)のもと、太陽光発電の導入量がこの5年間で10倍近くに急増。晴れた日に発電量が多くなる太陽光が夏のピークに対応し、電力供給の安定につながることは明らか。
暑くてエアコン使用が増え、電力需要などが大きくなる真夏の日中は、日照条件が良く、太陽光は発電能力を十分に生かせるし、二酸化炭素を排出する石油(ガス)火力に替わって太陽光が「肩代わり」する日も近いだろう。
太陽光発電の将来像を考えると、新しい生活様式が浮かんでくる。
太陽光発電をオフグリッドソーラーと言うが、オフグリッドとは送電系統(電線を伝って電力会社から家などに送られる電力網)と繋がっていない電力システムで、停電時などで交通の混乱を回避する信号機や道路標識・街灯などで使われている。
2011年3月に起こった福島原発事故後、原子力発電の安全神話が崩壊し、電力会社への不信も起こり、個人によるオフグリッドソーラーシステムへの関心も高まってきている。
今のところ、太陽光発電は発電量が太陽の日照量に影響されるため非常に不安定で、各家庭でオフグリッドソーラーを始めるには太陽光発電と蓄電池の併用が必要で、発電や蓄電性能にもよるが数十万円から数百万円程かかる高価な物です。
再生可能エネルギーを一定価格で買い取る「固定価格買い取り制度」(FIT)が始まって3年あまり。太陽光が夏の電力供給を支えつつあることが明らかになりつつありますが、天候で発電量が左右されたり、コストが割高だったりする課題をクリアできれば、普及はさらに進む可能性はある。
オフグリットの導入で各家庭で電力需要をまかなうことが出来れば、電力会社から電気を供給する電柱や電線は減らすことが出来るし、各家庭から余った発電電力を電力会社に逆に送ることも出来るので、今ある専有・独占化した電力会社の存続の意義も失われる可能性も出てくる。
太陽光発電だけに留まらず、燃料電池(水素と酸素のもつ化学エネルギーを電気エネルギーに変換する「発電設備」)の開発と低価格化とも合わせて、水力や風力などその地域に適合した自家発電システムの開発と設置は『個人の自立』という社会改革をももたらすことは確かだろう。(光)
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消費税還付にマイナンバー活用??
こうなると、マイナンバーもポイントカード並みですね。しかし、1年で最高4000円では、①ありがたみもなし、②常時携帯で紛失の危険、③番号漏えい確実。これで、個人番号カード100%普及なんて、霞が関のお役人は何を考えているのでしょう。4000円に釣られて誰もがカードを持つとでも思っているのでしょうか。彼らの期待の応えて、カードは持たないことにしましょう。 (晴)
ロシアのシリア介入を非難する!
「 ロシア軍が、内戦の続くシリアでアサド政権軍を支援するため、戦闘に加わったことが分かった。事情に詳しいレバノンの関係筋3人が明らかにした。
ロシア軍のシリア内戦への関与拡大は米国が懸念する事態。ただ、レバノンの関係筋によると、戦闘に参加しているロシア軍兵士は、今のところ少人数だという。
複数の米当局者は、ロシアが最近シリアに戦車揚陸艦2隻や輸送機などを派遣し、少数の海軍歩兵部隊も派遣されたと述べた。ロシア側の意図は不明だという。」(ロイター九月九日)
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ロシア軍が介入したとすれば、「イスラム国」や反政府勢力の攻勢で苦境に立っているアサド・シリア政権に対するてこ入れとみられる。劣勢なシリア軍に対して加勢するのは、現在の戦局からして「火中の栗を拾うようなもの」だが。
それとも、来るべき「終戦」を念頭に、ロシアの政治的発言力を確保するための行動なのかもしれない。
前者だとすれば、前時代的な大国主義的介入であり、戦局を長引かせ中東諸国民の苦痛を引き延ばす愚劣な行為となるだろう。さらに悪くすれば、米ロ直接対立という危機に陥る可能性まで生み出すかもしれない危険な道でもある。
もし後者だとすれば、ロシアは「国際社会に復帰した」ばかりの地域大国イランとこの問題では提携できるという狙いがあるだろう。しかし、いずれにしても中東の運命を再び三度と大国支配や交渉の下に追いやることになる。欧米諸国の介入につづいてロシアが介入することは許されない。このような欧米ロ諸大国の軍事的・政治的行動こそが「イスラム国」の主張を正当化し、元気づけているのである。(文)
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