ワーカーズ572号 2017/7/1
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森友・加計隠し、共謀罪さらに憲法改悪へ・・開き直り、ますます暴走する安倍政権を打倒しよう
加計学園問題で国民的な不信を突きつけられしぶしぶ「反省」の弁を口にした安倍首相。6月23日の沖縄慰霊の日式典でも罵声や県民の令視線を浴びた安倍首相。
だがこの権力者は、ますます強硬な姿勢に固執しており、安倍首相は24日の神戸市での講演の中で、政府が獣医学部新設を限定的に認めた経緯を「こうした中途半端な妥協が、結果として国民的な疑念を招く一因となった」とし、「地域に関係なく、2校でも3校でもどんどん獣医学部の新設を認めていく」などと語った。(朝日)
これは従来政府見解も否定するもので、「加計学園に絞った経過は適切」「今治特区指定は適切・・」と矛盾するものだ。
すかさず山本地方創生相が「特区の成果がしっかり上がれば、全国展開が一番望ましい」とお追従に励んでいる。これでは会議や決議の意味もないだろうに。今や政府や国家機構のうえに安倍首相個人が君臨するという構図が見えてきた。すでに国会は機能不全と言わなければならず、安倍一強=独裁体制のもとで恣意的なお友達政治がまん延する事態である。
そもそも特区制度を内閣や政治主導でやる体制は、ますます権力の集中と腐敗=縁故政治に帰着するしかないし現にそうなった。これが加計問題の核心だ。
かさにかかって、安倍首相は「九条に自衛隊明記」案などで秋には憲法改正に着手すると6月24日に宣言した。「来るべき臨時国会が終わる前に、衆参の憲法審査会に自民党案を提出したい」と。この憲法改正案は国民投票を視野に入れた案になる見通しだ。この急ぎぶりには自民党内からも反発があるが、ようは「加計隠し」が見え見えだ。
強気の安倍首相だが、各種世論調査でも支持率急落しており、折からの東京都議選では安倍隠しすら生じている。 告示直後の土日である24、25両日は選挙区に入らなかった。26日も街頭は避けるというありさまだ。われわれは選挙でも街頭でもあらゆる機会において安倍政権の反動性と闘い政権の座から引きずり降ろそう(文)
東京都都議会選挙の持つ政治的な意味と選挙戦の焦点とは何か?
東京都議会選挙の持つ政治的な意味
6月23日東京都議会選挙が告示された。その投開票日は7月2日である。東京都議会選挙とは、東京都内23区と多摩地区及び島嶼部を含めた市町村を42の選挙区に分け、1人区の小選挙区と2~8人の中選挙区で合計127人の都議員を選出するものである。しかし勿論、単なる一地方の選挙だとは単純に言い難い。
過去においても1993年の東京都議会選挙では、日本新党が東京都議会で2議席から20議席を獲得し、直後の衆院選挙の躍進で党首の細川護煕氏が首相となって非自民政権が誕生する飛躍台となった。その時、現都知事の小池氏が細川氏と政界にデビューしたことは忘れてはならない。その間小池氏は小沢氏らとともに行動し政界渡り鳥と評されるほどの政党間の移動を繰り返して、最終的には小泉自民党に所属することになった。
さらに2009年の東京都議会選挙では、民主党が都議会第1党に躍進し、続く衆院選挙では劇的な政権交代を果たした。その民主党が自壊した後の自公政権は数にものを言わせた暴政が続いており、その煽りの中で桝添前都知事のせこさから辞職に追い込まれた。その後行われた東京都知事選挙では自民党は分裂選挙となり、小池都知事が誕生した。
小池都知事の支持率の変動
2016年8月に都知事に就任して以降、最初にしたことは自分の報酬を引き下げたことであり、「都政改革本部」に膨らんだ東京オリンピック予算について検証するための調査チームを設置しこれまで費用削減案が種々に検討したが、結局の所は当初の3施設を新しく建設する期待はずれの方針となる。昨年12月に開かれた都政改革本部会議で当初の計画より整備規模を縮小する等により、約400億円が削減できることになった。
そして今年5月11日に小池都知事は、都以外の仮設施設の整備費用を都が全額負担する意向を伝えた。そのため、それまで絶大な人気を誇った小池都知事への支持率も落ち、5月連休明けには東京五輪の都外仮設費問題で、首相官邸や関係知事によって「小池包囲網」が作られ「都の全額負担」表明を余儀なくされた辺りから流れが変わった。豊洲移転問題での決断先延ばしへの都民の不満、不安の拡大などもあって、ピーク時には80%を誇った小池都知事の支持率も、5月末には世論調査で軒並み60%台まで下落した。
しかし第二次安倍内閣の下で様々強行される議会運営とこの6月国会では三度にわたり廃案となった共謀罪法を手直し有無を言わさずの強行採決をした安倍暴政に対し結果的に自民党に痛打を浴びせる格好の場を与える選挙となり、小池都知事は強運の復活を果たす。
今回の東京都議会選挙戦の焦点
今回の東京都議会選挙は、今後の日本政治の方向性を決する重大な選挙となる。その意味では、今回の東京都議会選挙は森友・加計問題が噴出する中、全くその事実すら認めず破廉恥な居直りを続ける自公政権に対して有権者が歴史的な審判を下す選挙でもある。
今回の都議会選挙においては、東京都の公明党には都自民党から距離を置き小池都知事を支持する立場を早々と打ち出すほどの危機感があった。選挙予想でも公明党は、都議会選挙で初めて現有議席を維持できず最大10議席を減らすとの予想があるのだ。
立候補者の党派別内訳は、定数127(42選挙区)に対して自民60(現有議席57)、公明23(22)、共産37(17)、民進23(7)、都民ファースト50(6)、地域政党「東京・生活者ネットワーク」4(3)、日本維新の会4(1)、社民1(0)だ。
都議選の焦点は、小池都知事が党首の「都民ファーストの会」が公明党と併せて過半数を取るか否か(過半数は64議席)、そして最近、加計学園各紙等で各紙で支持を急落させている自民党が引き続き東京都議会第1党の座を守れるかどうか、である。
6月1日、「決められない知事」批判に耐えられず、小池都知事はついに自民党に離党届を提出し、特別顧問を辞め地域政党「都民ファーストの会」の代表に就任した。6月14日には都知事として初めて写真集を出版するなど、タレント顔負けの私生活を露出する演出の人気取りをし出したのである。これらはすべて小池都知事と「都民ファーストの会」の代表とが同一人物だと東京都民に意識させるための実にあざとい自己宣伝である。
さらに都議会自民党への対立姿勢を、現在、首相官邸を揺るがす状況を踏まえて“都議会にも忖度政治が存在する”と手厳しく批判し、今後は子育て女性の社会参画やシングルマザー支援など、女性候補たちの政策をより取り上げて女性票を固める戦術の他、情報公開を政策の目玉に位置づけ、今回の東京都議選挙の構図を「ブラックボックス化の自民党」対「情報公開(透明化)の都民ファーストの会」と強調したことで自民党との“バトル”は更に激化している。更に選挙直前の豊田衆議院議員の暴言・暴行事件の出来は大きな追い風となって小池都知事に吹いている。この闘いに東京都自民党は競り勝てるのか。
つまり「情報公開イエスか―ノーか」の二者択一の選挙を仕掛け、分かり易い都民ファーストは躍進が伝えられる。選挙では自ら招いた暴政のため、23日24日の両日、選挙の応援演説に登場できない安倍総理の哀れさや自民党の劣勢はあまりにも明らかである。
小池都知事の豊洲移転と築地に市場機能を残す方針
また「決められない知事」批判に対して6月20日、小池都知事は築地市場(中央区)を豊洲市場(江東区)に移した上で、跡地を5年を目処に再開発し、市場機能を持たせる方針を発表した。この突然の提起に今までの小池都知事支持者層には、賛否両論が出てきて混乱が生じている。自民党は2つの市場の提起を中途半端になる批判し、共闘する公明党は豊洲移転を早く表明すべきと知事に助言したのだと支持している。都民ファーストと共闘する築地再整備を主張してきた「東京・生活者ネットワーク」は、小池都知事の提起に困惑し、共産党は築地を残すとの立場に一定の理解を示すが、従来通り豊洲移転には絶対反対している。呆れることに共産党は小池都知事に対して明確な批判をさけている。
そして民進党の蓮舫党首は、党内の意見を一本にまとめられない指導力のなさである。東京都議会の民進系2会派は2月中旬に合流し新会派「東京改革議員団」を結成して小池都知事のキャッチフレーズである「東京大改革」にすり寄り、自民党との対決姿勢を強めたが、当の小池都知事は民進党との協力について 「まったく考えていない」との実に素っ気ない返事であった。また頼りない党首のために民進党からは17人もの公認候補が離党し、内6人が都民ファーストの公認を受け、残り11人が無所属で推薦を受けた。19日時点で小池新党は49人に公認、36人に推薦を出しており、約2割が「ヤメ民」(民進党離党組)といえる。かくて都議会選挙で民進党は存亡の危機に瀕することになる。
こうして小池都知事の築地市場の豊洲移転提起で、豊洲と築地の二つの市場を併用する計画の是非や小池都政の評価が都議選の争点となる。しかし提起には具体的な計画や予算規模すら明らかにされていなかった。小池都知事は詳細な説明ができなかったのである。
小池都知事の焦り
そのため、自民党は「決められない知事」から「説明しない知事」にその批判の観点を移した。実際の所、豊洲市場は整備費に約6千億円を要したが、売却予定だったの築地を売却せずしてその経費負担などほとんど出来ないからである。全く説明不足なのである。
こうしたことが災いして築地に拘る小池知事が今焦燥感に駆られているのは、地元・中央区の選挙情勢である。1名区であるが5名の立候補者がおり、都民ファーストの会公認の西郷歩美候補の浸透は今一つだ。豊洲移転の自民党の石島候補にリードを許し、調査によっては無所属で建築エコノミストの森山候補に後れを取る。都民ファースト選対関係者は、「基本方針の是非を問う上でも、小池知事は自民に絶対勝ちたい選挙区。とにかく負けん気の強い人ですから、初日に応援に入るなど早速、テコ入れに必死」と伝える。
しかしこの西郷候補は民進党の現職中央区議から都民ファーストに鞍替えした人物で、3月に結婚した夫が西郷隆盛直系の5代目当主。彼女自身も敵の「勝海舟の会」の幹事を務めた“歴女”で母は鹿児島県出身。現在妊娠3カ月で小池都知事も「御曹司がお腹に」と応援する。実に話題には事欠かない人物である。今、有権者の判断が問われている。
東京都政で今問われているものは何か
しかしそもそも東京都政の第一の問題点とは一体何か。築地再整備でも豊洲移転でもないことは明らかである。それは第二次世界大戦中に強制的に統合された東京都政の大改革が喫緊の課題だということである。このことが東京都政の闇を生んでいるからである。
早稲田大学マニフェスト研究所による2016年度の議会改革度調査では、東京都議会は都道府県で36位と低迷している。それは常任委員会の動画や議員個人の賛否の結果は非公開。請願者や陳情者が意見を述べ、都民と直接対話する場を用意していない。情報を住民と共有し、住民参加を促す姿勢を欠如する。何せ出てくる公開資料が海苔弁なのだ。都知事との緊張関係を保ち、政策論議を活発にする議会基本条例さえない。更に都民の暮らしを支える議員提案条例すら見当たらない等々。こうした東京都政の闇が百条委員会で石原元都知事を招請したにもかかわらず、その悪行を支えた巨悪を取り逃がしたのである。
つまり東京都政が実際に日本第1の住民本位にふさわしい東京都政とする大改革こそ、今回の東京都議会選挙ではしっかりと提起されなければならないのである。
共産党は口を開けば、「自民・公明 対 共産党」が真の対決構図だと強調し、危ない豊洲移転を中止し築地を再開発・巨大開発をやめシルバーパス、特養ホーム、認可保育所を増設と国民健康保険の1万円減額をいう。しかし本当にこれだけでよいのか。共産党もまた小池都知事と真剣に対決していない。東京都予算案に賛成する暇があるのなら、まさに戦前の負の遺産であり“癌”の東京都政の大改革こそ今真剣に提起しなければならない。
小池都知事と安倍総理との間に決定的な違いはあるのか
そもそも小池都知事の思想が安倍総理と決定的に異なるとの人物評価は正確であろうか。私たちは決してそのようには考えていない。何よりも私たちワーカーズが強調しておきたいのは、小池都知事は政治思想的にも実際的にも安倍総理の仲間であることである。
『日本会議の正体』の著者の青木理氏は、『AERA』2016年11月14日号に「『自民党をぶっ壊す』と言って大勝した小泉元首相と似たように、自民党都連を『ブラックボックス』と批判し、都民の共感を得る中で東京都知事に就任した小池百合子氏。就任後100日過ぎても、豊洲問題や東京五輪問題でさらに人気を高めていますが、『核武装』論者であり、『日本会議国会議員懇談会』加入議員であることは余り知られていない。小池劇場も落ち着いて考えれば、同じ自党の不祥事を批判して正義者ぶる『マッチポンプ』の感もしないではない」とある。
その他、現行憲法破棄、“お試し改憲”積極論、そして核武装容認。小池氏の日本会議的なタカ派ぶりは際立つ。2012年12月には「在特会(在日特権を許さない市民の会)」系の団体で講演したが、2016年7月8日に日本外国特派員協会で実施された記者会見でジャーナリストの江川紹子にこのことを問題視されたこともある。
ところで6月25日に在特会(在日特権を許さない市民の会)の政治団体「日本第一党」が東京・八王子市で行なわれた共産党の街頭演説に介入し志位委員長の真横で演説する妨害を行った。桜井誠元会長は「昨年の都知事選挙時に共産党が妨害した」などと主張し妨害したのだが、その背景は不明ながら共産党の躍進に危機感を募らせた結果であろう。
桜井氏は、昨年都知事選挙で落選したが、その後小池都政において都副知事に推す声があったことに気をよくしていた。勿論、任用などされなかったが…。
小池都知事が今真になすべき事は何か
また知事も議員も選挙で選ばれる二元代表制の下で、守らないといけない原理がある。それは知事が地域政党の代表にならないことだ。前大阪府知事・前大阪市長の橋下徹氏が地域政党・大阪維新の会の代表になった時にも、提案する側とチェックする側が事実上、一緒になってしまったからこそ出鱈目な橋下政治が出来してしまったのである。
小池都知事の党首就任による都知事の政治的基盤の形成とは、首都故に今後大変危険なものとなりうると現実性を持つものになると断言する。
今回の都議会選挙でも、小池都知事は公務そっちのけで応援演説に出ずっぱりになることだろう。しかし本来行政の長たる都知事が今現在緊急になすべき事はあまりにも明確である。それは、安倍番・山口記者の強姦事件の警視庁のもみ消し事件の徹底解明とその責任追及である。この一事のために山口記者自身が安倍総理に隷属しているからである。
既に所轄の高輪署の逮捕状を取っていたにもかかわらず警視庁本部の広報課長がTBSの記者を逮捕するのは大事だとして警視庁警視総監の耳にも達し、中でも菅官房長官の絶大な信頼を得てきた中村格刑事部長(当時)が高輪書に山口記者の強姦事件の隠蔽を指示したとされている。まずはその事の真偽を徹底的に追及すべきである。
都議会選挙より何よりも、そのことを警視庁不祥事として東京都の警察行政を統括する小池都知事が適切に処理して警察行政に対する信頼回復のため、東京都に住む女性のみならず日本に住む全女性のためにまずは第一番に緊急でなさねばらないことのである。
東京都政における女性に対する政策の核心は、陰惨な性犯罪に対する施策である。不幸にも強姦された女性が性奴隷のようにして歓楽街を維持するため、常に卑劣な男たちの欲望の犠牲になっているからである。この負の連鎖を徹底して断たなければならないが、安倍総理は彼らの一人である山口記者を庇ったのである。私たちはこの事を断固糾弾する。
小池都知事に突きつけたいこと
さらに小池都知事に突きつけたいことがある。オリンピック選手村の敷地の9割の大幅割引きした約130億円で大手ディベロッパー11社に売却したことである。選手村事業は「都市再開発法に基づく市街地再開発事業」だ。地方公共団体が施行者になる場合、許認可権者の国交相と施行規程を条例で制定する議会のクロスチェックを受けるなど、様々な規制が定められている。ところがこの売却が土地の所有者である東京都が「個人施行者」として申請する。この場合、許認可権者は都知事となり、国のチェックなどを免れる。地権者も施行者も許認可も東京都という1人3役の規制逃れの悪知恵に、昨年4月、ゴーサインを出したのはあの舛添前知事だ。なぜ小池都知事はそれを見直さなかったのか。
それにしても東京都を「個人」とするとは無茶苦茶だ。意見陳述で都の都市整備局の担当課長は開き直った。「再開発法は、個人施行者の定義で地方公共団体を排除していない」東京都が「個人」になり得ないことは、わざわざ法に記すまでもない常識である。こんな屁理屈の脱法手法で、東京都はあの森友学園の国有地でさえ実施された地下埋設物及び土壌汚染調査も省略し、実勢価格の10分の1で都民の共有財産を売り払ったのである。
東京都都市整備局は、9割引きの根拠について「大会後は11社がマンションとして分譲する計画。廊下幅を広く取るなど『選手村仕様』による設計制限で収益性が低下する」等と説明してきたが、新たに壮大なムダが判明した。それは東京都の負担で選手村3900戸分のエアコンやユニットバスなどの内装を整え、1カ月足らずの大会後には全部取っ払うという。そして整備と撤去の負担額は何と数百億円に上る。呆れるではないか。
そんなことではますます破格の安値をした理由が分からない。6月16日の会見である新聞記者が小池都知事にこの件の見解を求めたが、「基本的には法に則って進めていると聞いている」などと答えるのみであった。都知事は自分の関心事にだけ興味があるのか。
「論より証拠」とはよくいったもの。口先でこそ改革大好きの小池都知事は、舛添前都政の負の遺産や都政の闇への関心や東京都政大改革に対する関心は極めて薄いからである。
小池都知事の仕事ぶりの実態
最後に小池都知事の無責任な仕事ぶりを象徴する事案を紹介する。東京都が進める都市計画道路の第四次事業化計画では、小金井市内でも2路線(3・4・1号線と3・4・11号線)が「優先整備路線」として2016年3月に選ばれた。優先整備路線とは、街づくりや防災などの観点から都が「今後10年以内に整備すべき」と認めた路線のことである。ところが2路線とも計画決定は今から55年前の1962年。既に予定地には住宅が立ち並び、更に「はけ」と呼ばれる自然豊かな地形を貫く事から周辺住民の多くが計画の見直しを求めている。これらに対して小池都知事は当然にもリップサービスをしていた。
東京都が実施したパブリックコメントでは、2路線への賛成意見70件に対して反対は2041件。住民で作る「はけの自然と文化をまもる会」共同代表の安田桂子さんらは昨年7月、小池百合子氏ら都知事選の立候補者を対象に、小金井市内の2路線への姿勢を問うアンケートを行った。小池候補は「知事に就任したら、地元から強い疑義が提起されている路線を実際に巡視し、住民とも対話する。優先整備路線への選定が不適切と判断される路線は、大胆に見直しを進めたい」と回答。ところが就任から10か月を過ぎても、小池都知事は2路線の現地視察と住民対話を行っていないのである。
これが小池都知事の仕事ぶりを象徴するような実態である。 (直木)
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跳ね返すぞ!アベ改憲シナリオ――不遜と焦りの改憲暴走は許さない!――
安倍首相による改憲に向けた独りよがりなご託宣が止まらない。
改憲への度重なる前のめりなスケジュールづくりは、安倍首相の偏狭な傲慢さと裏腹の焦りの表れでもある。
安倍首相による戦前回帰のもくろみが露骨な改憲策動の意味を見極め、アベ改憲への包囲網づくりに邁進していきたい。
◆改憲号令
安倍首相は、共謀罪の強行成立を図る一方、自身が描く改憲シナリオに関して相次いで発言している。
まずはじめは、5月3日の憲法記念日に読売新聞に掲載されたインタビュー記事、それに同日の改憲派が主催する集会へのビデオ・メッセージだ。内容としては、いずれも憲法9条の1・2項を維持しながら3項として自衛隊の存在と役割を明記する、という「9条加憲」提案だった。さらに改憲スケジュールについても、東京オリンピック・パラリンピッグが開催される2020年の新憲法施行を明言したものだった。
これらの提案は、改憲条項にしても、改憲の政治日程化にしても、本来、改憲案の発議権がある国会や自民党の憲法草案をも飛び越した、国家・国民への直接提案の色合いを帯びたものだった。あたかも昨年の天皇の「お気持ち表明」のごとくだ。これ自体、安倍一強体制の傲岸不遜の表れであり、自身が国会や国民の上に超然として存在するかのような振る舞いでもある。
そんなアベ改憲シナリオ、私たち自身の声と行動を拡げることで跳ね返す以外にない。
◆スケジュールの前倒し
5月3日の9条加憲の提案以後、安倍首相は、矢継ぎ早に改憲スケジュールに言及するようになった。
第2弾は、5月15日のテレビでの共同インタビュー。そこで首相は、改憲の国民投票と国政選挙の同日実施に言及している。
第3弾は5月21日のラジオ番組。そこで20年新憲法施行に向けて、年内の自民党改憲原案のとりまとめと18年中の国会発議の可能性にも明言したのだった。
そして6月24日の改憲団体の講演会では、さらにスケジュールを前倒しした。直前に発言した年内の自民党改憲原案とりまとめから、秋に見込まれている臨時国会に自民党改憲案を提出し、国会審議を始めたい、というものだった。こうした改憲スケジュールの前倒しは、自身の政権での改憲実現を確実なものにしたいという思惑に駆り立てられたものと受け取る他はない。
いま安倍政権は、公明党や維新の会も含め、改憲の国会発議に必要な衆参での3分の2の議席を確保している。現在の衆議院議員の任期は、来年18年の12月までであり、その時点までに行われる総選挙の結果次第で、改憲勢力の3分の2の議席が失われる可能性もある。だから2020年までの総選挙―改憲の国民投票―新憲法施行ではなく、3分の2を確保している来年12月までの国会発議と国民投票実現にシフトしたわけだ。
こうした安倍首相の改憲シナリオの思惑は、自民党内には着々と浸透しているかのようにみえる。たとえば自民党改憲推進本部の陣容を安倍首相の思惑どうりに拡大再編したり、本部長の発言をコントロールしたり、トップダウンで改憲を進める陣形づくりが進んでいるからだ。
こうしたアベ改憲シナリオに乗って、首相の取り巻きからは、多数決による採決をほのめかす発言もあった。実際、安倍政権は、巨大与党の数の力を剥き出しにして強行採決を繰り返してきた。特定秘密法もそうだったし、安保法制もそうだった。先の共謀罪法も成立ありきの強行採決だった。そうした安倍政権で、しかも安倍首相の取り巻き議員からの「多数決」発言だ。両院憲法審査会での合意とりまとめなど省いて、多数決による改憲に突き進むということだろう。
◆自信と焦り
安倍首相が改憲条項を妥協してでも改憲スケジュールで前のめりになるのは、安倍一強政治のおごりや暴走のゆえというばかりではない。安倍首相の焦りもある。
その一つが、「9条加憲」であり、改憲条項としての教育無償化の言及だ。
安倍首相は、これまでの憲法調査会による改憲のための与野党の調整や自民党の取り組みに不満を募らせていた。それに9条改憲に慎重な与党の公明党の説得も確実に担保されていたわけではなかった。そこで改憲勢力である公明党や維新の会を確実にアベ改憲シナリオにグリップすること、そのための改憲条項での妥協や教育無償化の持ち出しだった。
とはいっても、なんとしても改憲の実績を手にしたいという思惑が露骨な安倍首相の軌道修正は、自民党内外の保守派の抵抗に遭遇せざるを得ない。これまでのところ、首相をとりまく保守派の一部とは相通じてはいるようだ。が、今後の成り行きによっては党内外からの批判や抵抗を封じられるかどうかは見通せない。その上、より厳しいハードルが待ち構えている。いうまでもなく、安倍政権自体への求心力の低下だ。
今通常国会終盤での共謀罪の強行成立や森友学園、加計学園にまつわる疑惑の拡がりを受けて、安倍一強政治を謳歌してきた内閣の支持率の低下傾向がはっきりした。主要なメディアの世論調査で、軒並み安倍内閣支持率が10ポイント前後下がったからだ。仮に今後も低下傾向が続くとすれば、改憲までこぎ着ける体力が安倍政権に残っているかどうか問われる事態になる。
安倍首相とすれば、このまま支持率が下がるのを座して過ごすわけにはいかない。自身のリーダーシップ、あるいは突破力で、なんとしても改憲を成し遂げたという実績を手にしたい、という焦りの表れでもあるのだ。
◆クーデター
安倍首相が前のめりになってる改憲について、現時点では「9条加憲」の是非に焦点が集まっている。が、現実の改憲発議までにはそれ以外の改憲条項も浮上する。
安倍首相の周辺で有力視されている「改憲4本柱」は、9条加憲の他に、教育無償化、合区解消、それに緊急事態条項の新設などだ。その他、天皇の元首化や改憲要件の緩和なども浮上する可能性がある。改憲第二弾を想定してのものだ。
こうしたことを考える時、直視すべきなのは、安倍首相による改憲策動が、単に現実の自衛隊の存在と役割――たとえ集団的自衛権の限定行使を認められたものとしても――を認める、などというものに止まらない大きな問題が含まれていることだ。
一言で言えば、現行憲法が立憲主義、いわゆる主権者たる国民が国家権力を縛る、という観点に立脚していること、それをひっくり返して国家が国民を指図する、という国家中心主義になっていることにある。自民党改憲草案を読めば、それは単に9条改憲に止まらず、改憲草案全体を貫くもので、いはば戦後民主主義体制へのクーデターなのだ、と想わずにはいられない。多数決による強行突破路線を見込んでいる安倍首相のことだから、改憲条項を次々と増やしてくる可能性も否定できない。
繰り返すが、安倍首相は、改憲に向けて与野党の歩み寄りではなく、改憲勢力による多数決での強行突破の姿勢を見せている。それに、国会審議ばかりでなく、改憲に向けたいろいろな環境整備の手を打ってくるだろう。北朝鮮の核実験やミサイル発射での危機を煽ったり、尖閣諸島や南シナ海での緊張づくりなど、対外的な危機を煽るかもしれない。そうした外敵脅威論に煽られてもアベ改憲に対峙できるだけの陣形を形成していくことが急務だ。
私たちとしては、9条加憲の意味するところを余すことなく暴き出し、それを身近なところから拡げ、安倍政権から改憲策動のエネルギーを奪うことに全力を傾けたい。(廣)
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紹介 堀木訴訟判決から35年 -日本初・最高裁大法廷に白杖と車椅子を持ち込む-
私は、今、電車に乗って通勤しています。これまでの私の職場は比較的近隣で、徒歩や自転車・バイクなどでまにあっていました。この通勤時間を利用して、読書をすることにしています。電車待ちのホームのベンチでほんの数分ですが、その積み重ねで、「全盲の母 堀木文子からあなたへ」という裁判記録を綴った力作を読み終えました。この本の発行が1982年6月25日で、最高裁判決がその直後、同年7月7日だったのです。最高裁への意気込みと温かい支援を、あらためてこの文章を書きながら思い返しているところです。
最高裁に新しい風を吹き込んだのは、白杖と車椅子だけではありません。盲導犬、手話通訳、スロープの造成など、障がいを抱えていても裁判の傍聴を保障する条件を整える契機を作ったのです。同様に70年代当時は過激ともいわれましたが、社会を変えようと実践していた脳性マヒ者グループ「青い芝」の活動が、障がい者にも生きる権利を主張した画期的な運動として評価されると思います。私も、障がい者と健全者という立場の違いに向き合わされた経験を持ち、自分はどうなんだろう? と考えさせられた日々がありました。障がい者の自立に公的なサービスが無い頃、介助者捜しがどれほど困難なものだったか、私の記憶から消えることはないでしょう。
本題の堀木訴訟ですが、神戸市に住む2人の子の母である堀木文子さんは視覚障害があり、夫とは離婚し障害福祉年金でなんとか生計を立てていたが、人づてに聞いて知った児童扶養手当の支給を求めたことから始まります。当時月額2500円の手当の支給に対し兵庫県知事は、母または養育者が他の公的年金を受けていると手当を支給しない併給制限規定の存在を理由に、支給を却下しました。そこで1970年、堀木さんは兵庫県知事を被告として、却下処分取り消しを求め神戸地裁に裁判を起こしたのです。
提訴から2年後の1972年神戸地裁は、堀木さんの主張をほぼ全面的に認める判決を出しました。憲法14条1項は法の下での平等を求めて「すべて国民は法の下に平等であって、人種・信条・言語・性別・社会的身分又は門地により、政治的・経済的又は社会的関係において差別されない」としています。憲法が生かされた判決を勝ち取ったのです。母子家庭である堀木さんは、堀木さん自身が障害福祉年金を支給されていたから、児童手当との併給は却下されました。しかし、夫婦で夫に障害福祉年金が支給される場合、妻に対し児童扶養手当が支給されます。判決では『このような事例は差別として合理性のないもので、併給を禁止した児童扶養手当法の規定(4条3項3号)は、児童を監護する母であるという地位にある女性を、一方において同程度の、視覚障害者で、障害福祉年金受給者である父たる男性と性別により差別し、他方において、公的年金を受給しうる障害者でない健全な母たる女性と社会的身分に類する地位により差別する結果となり違憲無効である』としました。
この二重の差別論にたった判決は、国民の常識にもかない、マスコミなど国民世論の支持を受け、兵庫県知事もこれを認め、独自に併給を認めるに等しい児童扶養見舞金要綱を制定します。政府も、翌73年には児童扶養手当法の改正をし、児童扶養手当と障害福祉年金や老齢福祉年金との併給を認めることになります。したがって実質的には政府もこの判決の考え方を、つまり併給禁止の不合理性を認めたということになるのです。一人の勇気ある母親の素朴な訴えが法律をも変えていく、この当時は司法も健全だったのだと、私自身とても新鮮な気持ちを感じました。
ところが政府は、一方で知事に圧力をかけ控訴させ訴訟を継続することになります。この本では政府の意図するものが何であるか指摘しています。「ここには堀木訴訟を重なる児童扶養手当の併給問題をこえて、福祉見直し→切り捨ての全面展開のための武器を準備するという周到なねらいがあったのです」。
大阪高裁は75年11月20日、見事にこの政府の意図に答えました。判決は憲法第25条についてプログラム規定説をとり、「国は生活水準の向上につき、財政との関連において、できる限りの努力」をすればよいとしました。そして社会保障制度には憲法第25条1項によるものと2項よるものがあり、1項によるものが救貧施策としての生活保護制度であり、2項によるものが防貧的施策であって、これについてはどのようにその内容を定めるかは立法施策の問題であって立法裁量に属するとします。そして1項による救貧施策のある限り防貧施策については違憲問題を論じる余地はなく、児童扶養手当はこの2項に基づく防貧施策であって、その内容は国会が自由に決められるとするのです。したがって、立法府が「財源の公平且効率的活用のため」併給を禁止・調整したりすることは合理的であるとされます。「健康で文化的な最低限度の生活」の水準の決定も、すべて政府の手の中にあるということになり、生存権は実質は権利でなくなり受け身の姿勢にならざるをえないでしょう。
憲法第14条については「同一人について二つ以上の事故が生じた場合にそれぞれ支給することは、特定の者に対しての二重三重の保障をすることになり、事故が重複していない者との間の不均衡を生じ、全体的な公平を失する」としています。そして福祉年金、手当のいずれも無拠出制であり、費用が全額国庫負担で、一般国民感情がまだ併給を当然視するまでに至っていないことなどから、憲法第14条に違反しないとしています。神戸地裁での国民的支持を得られ法改正までしたことを無視し、高裁では全く逆の政府べったりの判決となったのです。
そして、1982年7月7日の最高裁判決は、残念ながら高裁判決を支持するものとなってしまいました。35年が過ぎた今も、むしろ軍事費は増えていき、社会保障は疎かにされたままです。憲法を生かすのは私たちの不断の努力しだいです。不当な最高裁判決を受けた時、堀木文子さんは62歳でした。13年間の長い闘いの記録は、これからもあとの世代に引き継がれていくことでしょう。私たちも頑張りましょう。(折口恵子)
コラムの窓・・・嘘吐きの系譜
はるかに過ぎ去った戦争の記憶のなかに〝殺しつくし、奪いつくし、焼きつくす〟という悪夢のような事実がありました。その敗戦時、かの戦争を遂行した者たちは悪事の跡を焼きつくし、なかったことにしようとしたのです。
その習性は今も変わらず受け継がれ、私たちの目の前で亡霊の仕種のごとく繰りひろげられています。もり蕎麦もかけ蕎麦も味わう間もなく消費され、目の前から消し去ろうというのです。そうして月がかわれば、元に戻ると高を括っているのでしょう。
そうした悪行のひとつ、中国人強制連行、強制労働の国家的責任を問う「大阪・花岡国賠訴訟」が大阪地裁で行われています。訴状には、「日本政府は、強制連行の事実を証する書面を戦後に焼却した他、強制連行の実態を調査した外務省報告書についても、その存在を長期間隠蔽していた」と書かれています。南京大虐殺や日本軍戦時性奴隷(従軍慰安婦)もなかったなどとする、歴史改竄はどれも同じ遣り口です。
ここに登場するのが安倍晋三首相の敬愛してやまない祖父、A級戦犯にして首相となった岸信介氏です。「戦前の商工官僚として、戦争遂行のための統制経済を推進した最も重要な人物」で、1941年10月に発足した東条内閣の商工大臣に就任しています。そこでの働きは次の通りです。
42年2月、朝鮮人労働者の「官斡旋」開始。同11月27日、「華人労務者内地移入ニ関スル件」閣議決定。44年2月28日、「華人労務者内地移入ノ促進ニ関スル件」次官決定、このとき岸氏は軍需次官でした。こうして「中国の華北においては、日本軍及び傀儡軍との戦闘によって捕虜とされた人、『労工狩り』により拉致された人が『石門俘虜収容所』などに収容された後、日本の事業場に強制連行されいくという事態が本格化」したのです。
このように俘虜(捕虜)として連行された中国人について、60年5月6日付の岸総理の答弁書は「戦争中わが国に渡来した中国人労務者が国際法上の捕虜に該当するか否かについては、当時の詳細な事情が必ずしも判明しないので、いずれとも断定し得ない」と、自らの悪行に白を切っています。同5月3日、外務官僚が国会で「そういう調書はございますが、戦犯問題の資料に使われて非常に多数の人に迷惑をかけるのではないかということで、全部償却いたしたそうでありまして、・・・」と答弁しているのです。
なんとまあ、現在進行形のモリ・カケ文書の行方と似ていることでしょう。敗戦時に悪行を焼き捨てた官僚の系譜がいまも絶えることなく続き、岸内閣を支え、安倍内閣を支えているのです。こうした強固な官僚機構と屑のような議員達の存在によって、安倍首相は安穏として居られるのです。
法廷においても、被告国は今すぐ結審と言い、裁判官も隙あらば結審と言うでしょう。侵略戦争の責任を問い、悪行を暴きつくそうとするこの裁判を支えることが、目の前の安倍政権を討つことに繋がるのです。所詮、司法も国家の一部ですが、傍聴することで裁判官を監視することは無駄ではないと思うのです。 (晴)
「エイジの沖縄通信」(NO・40)
1.6月23日の慰霊の日
沖縄全戦没者追悼式に登壇した安倍晋三首相が、会場で「帰れ!」などと多くのヤジを受けたことを海外メディア(AFP通信とロイター)が次のように大きく報じた。
『安倍首相が黒い沖縄のシャツを着て、「鉄の暴風」作戦として知られているほぼ3ヶ月の戦いで命を失った人々を追悼する献花をし、沖縄の式典が最高潮に達したときた。数人が「帰れ!」「戦争屋帰れ!」と叫び、黒いベレー帽の老人は立ち上がって安倍首相を指さした。日本の首相は、公衆の場で嘲笑されることは、あまりない。
しかし、NHKは「首相 引き続き沖縄の基地負担軽減に全力」などと報じたものの、現地での激しいヤジについて放送した様子はない。』
この日の安倍首相の沖縄滞在時間は、たった3時間45分。沖縄戦の実相を少しでも理解する意味で、「ひめゆり資料館」を訪ねるとか、「平和の礎」に刻まれた沖縄人・日本兵・米兵・朝鮮半島の人々の死者名を見ることだ。口では「沖縄に寄り添う」と良く言うが、まったく沖縄の人々には「空々しく」聞こえる。
それどころか、この日の警備のために本土からも機動隊や警備車両を投入して、平和公園付近は戒厳令並の警備である。この1日だけの警備費の支出は膨大な金額になると思える。まさに税金の無駄使いである。
2.安倍政権による強引な沖縄基地建設
①辺野古新基地建設の「K9護岸工事」が始まった。
違法・不当な石材投下が始まり、巻き上がる粉塵と白濁する海。
★政府は4月25日、辺野古新基地建設事業の埋立本体部分の護岸工事に着手した。
2014年夏の事業開始以来、とうとう大浦湾に石材が投下されたのだ。辺野古新基地反対運動は、いよいよ重大な局面に入った。
★安倍政権は翁長沖縄県政の「工事差し止め訴訟」を意識してか、梅雨の大雨で災害が発生している中でも、県警機動隊150人を投入して阻止・座り込みの県民を排除して、大型ダンプ50台を使用し、連日100台以上(多いときは180台)の石材を工事用ゲートから搬入している。
しかし、県民はずぶ濡れになりながらも「勝利するまで絶対に諦めない!」と県警機動隊、沖縄防衛局と対抗し、果敢に阻止行動を展開している。不思議なことに参加している県民には機動隊に何度排除されても悲壮感は感じられない。「必ず最後は勝つ」と確信して行動を継続している。
★なぜ「ボーリング調査」のやり直しか?
海上ヤードの辺りでは、まだ、スパッド台船と大型クレーン台船によるボーリング調査が行われている。防衛省の説明では、「ケーソン護岸(1工区)の施工のための確認ボーリング」というが、それなら何故、海上ヤードの場所でボーリングが続いているのか?
2014年から昨年までのボーリング調査が全面やり直しという事態になっているのだ。海底の地盤になんらかの想定外の問題が見つかったとしか考えられない。
★今後も、現地辺野古では下記のような集会・抗議行動が予定されている。
※辺野古座り込み行動3周年集会
・とき:2017年7月6日(木)11:00~
・ところ:辺野古ゲート前 ・主催:「県民会議」
※辺野古キャンプ・シュワーブ包囲行動
・とき:2017年7月22日(土)14:00~15:00
・ところ:辺野古集落~第3ゲート ・主催:「県民会議」
※7.25海上座り込み~大浦湾をカヌーと船でうめつくそう!
・とき/2017年7月25日(火)7:30~「辺野古テント2」集合
・主催/「ヘリ基地反対協議会」
※県民大会の開催
・とき:2017年8月12日(土)14:00~
・ところ:奥武山公園(競技場) ・主催:「オール沖縄会議」
②「高江のヘリパッド建設工事」は7月からやり直し
昨年、強行された高江のヘリパッド工事の費用の全容が明らかになった。
3地区(4箇所)のヘリパッド工事は、当初6億円で契約されたのだが、現時点でなんと94億円にも膨れあがっているのだ。15倍もの増額で、普通では考えられないような異常な増額である。
契約の際は工期14ヶ月とされていたのだが、安倍首相が国会の所信表明演説で「年内12月完成」を打ち上げたことにより、実質的には工期4ヶ月ほどでの完成を強いられることとなった。そのために、現場では何が行われたか?
県外から500名もの機動隊を導入して弾圧を強化し、多くの違法行為を続けて工事を強行し、ヤンバルの自然に取り返しのつかない被害を与えたのである。
その結果、新しい4箇所のヘリパッドは完成していない。なぜなら、一度も米軍オスプレイは訓練に来ていない。
形だけの完成で、その手抜き突貫工事のつけが、長期の梅雨や大雨によってG地区やH地区のヘリパツドの一部が壊れ明らかになった。
工事中止期間が切れる7月1日から、ヘリパッドの修復工事が始まるであろう!
③南西諸島(与那国島・石垣島・宮古島・奄美大島)への自衛隊配備
沖縄本島だけでなく、戦後ほとんど自衛隊部隊が配備されなかった南西諸島にも次々に自衛隊配備計画が進んでいる状況を、この「沖縄通信」でも紹介してきた。
与那国島には、もう監視部隊が配備され、宮古島、石垣島などにもミサイル部隊の配備が進行している。ミサイル部隊の司令部が置かれる宮古島では、この8月からもう司令部基地建設の工事が開始されると産経新聞が報じた。
なぜ今、この南西諸島を軍事要塞加化するのか?それは日本列島と南西諸島を防波堤として中国を軍事的に封じ込めるアメリカの戦略「エアシーバトル構想」の一環である。
三上智恵映画監督は次のように言う。『「標的の島」とは沖縄のことだけではない。それは、私たちが暮らす日本列島のことでもある。』と。(富田 英司)
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色鉛筆・・・「出生率1・44」2年ぶりに低下 「待機児童ゼロ」に失敗した安倍首相は辞任せよ!
2016年の合計特殊出生率は1・44で、前年を0・01ポイント下回ったと6月2日に発表された。(図参照)人口維持に必要とされている2・07に遠く及ばず、2016年に生まれた子どもの数は97万6979人で、年間の出生数で初めて100万人の大台を割り人口減少が進んでいる。
毎年、出生率が発表されているが、過去最低だった2005年の1・26ショックの頃から私はこの問題を取り上げ、特に若者の雇用の安定や、安心して子どもを産んで育てやすい社会を目指してきたが何も変わっていなくがっかりしてしまう。何と言っても今の政府があまりにもひどい。出生率が発表される2日前の5月31日に安倍首相は、待機児童の解消に向けた新しい計画を発表したが、またか!と、思ってしまう。というのは小泉内閣の「待機児童ゼロ作戦」から約15年、時の政府は何回も計画を立てても政策を裏付けする財源がなく、問題が起こると名前を変えた政策を打ち出すという事を繰り返している。財源がなく施設整備を進めてこない為に待機児童問題が解消されていないのだ。
安倍首相は、2013年に「待機児童解消加速化プラン」をつくり、17年度末までに「待機児童ゼロ」を掲げ50万人分の受け皿をつくると言い放ったが、今年の4月の時点でも待機児童は多く達成には絶望的だとわかると新たな計画を出したのだ。達成できなくて失敗したことを謝罪したり、責任を取って辞任するという選択はないのだろうか。森友学園と加計学園問題でも真実は隠されたままで居直っている安倍首相には、あきれてしまうが辞任を追い詰めることができないもどかしさを感じている。あまりにも図々しくて厚かましい安倍首相は、すぐに辞任するべきだ!!
その新たな計画は「子育て安心プラン」と命名して2022年度末までに32万人分の保育の受け皿を新たに整備して『今度こそ待機児童問題の終止符を打つ』といつもの様に強調しているが、全くの空文句でどうやって実現するかの道筋も示されていない。子どもを社会全体で生み育てるという政策を打ち出して、予算を配分すればいいのだ。弱者を切り捨てていく安倍首相に対して怒りの声をあげていこう。(美)
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