ワーカーズ592号 (2019/3/1)
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安倍政権はすべてに行き詰まっている 政権追放まで闘おう!
◆無理・無駄・危険の辺野古新基地工事は止めよ!
「沖縄に寄り添う・・」などと語りながら、安倍首相は間髪を入れずに辺野古基地建設のための土砂投入工事を強行したことを私たちは忘れまい。しかし、彼らの思惑は決して成功しないしさせてはならない。
第一に、基地建設工事は未体験ゾーンに突入してしまった。埋め立て海域の軟弱地盤が海面から最大九十メートルの深さに達していることが明らかになった。必要な地盤改良工事は海面から七十メートルまでが限界で、専門家は完成後も地盤沈下が続く可能性を指摘。同様に軟弱地盤の海域に建設された関西国際空港では、完成から二十四年たった今も、予測を超えて沈下が進んでいる。つまり工事の技術的めどさえ立たないのだ。
したがって第二点は、工期も予算も青天井となりつつあることだ。当初の二千数百億円という概算は今や無意味であり、デニー知事が安倍首相に示した予想額二兆五千億円(工期十三年)をくだらないとみられる。米軍基地(しかも米軍からも普天間の代替えにならないと不満のある辺野古新基地)を建設することは、全国民的レベルでも座視できない国費の無駄遣いである。
第三に、新基地のもたらす東アジアでの軍事緊張や、基地のもたらす事故事件の危険に沖縄県民をいっそうさらすことになる。断固反対しぬくほかはない。二月二十四日の沖縄県民投票でも圧倒的「基地反対」が出る予想であり、安倍政権との対決は正念場がつづく。
◆偽装アベノミクスのメッキ剥がれる
勤労者の実質賃金が高く出るように厚労省が毎月勤労統計を操作していた。しかも、それが忖度というよりも当時の首相秘書官が圧力をかけていたのだ。アベノミクスは「戦後最長の好景気」という触れ込みにもかかわらず、NHkの調査においても六十六%が「実感がない」としており、「実感がある」のがわずかに八%だ。一部の富裕層を除けば貧困はじわりじわりと拡大している。
このヒドイ現実を統計いじりでごまかすというのだから安倍内閣らしいとはいえ許しがたいことだ。
そもそもアベノミクスの金融財政政策は実体経済を向上させるものではなく、やみくもにインフレ=バブル景気を煽るものでしかない。それにより国民はインフレという追加収奪を受け実質賃金が下がり生活は悪化しているのである。アベノミクスはトリクルダウどころか、恒常的インフレ(一~二%)による大衆収奪のシステム化であり、ポンプアップ政策なのである。
◆ジャーナリストへの圧力をはねのけよう
官邸の上村報道室長は、東京新聞望月記者の質問を執拗に遮り続けてきた。この官邸報道室長の行動は望月記者の取材に対して狙い撃ちしたものだ。そのうえ「事実に反する質問が行われたことは極めて遺憾」などとする申し入れを記者クラブに行った。
これは「悪あがき」というものだ。新聞・通信の労働組合からなる新聞労連が抗議文を公表し、さらに有志の研究者や法律家、ジャーナリストらが国会内に集まり、官邸報道室の対応は「取材の自由・報道の自由への侵害」などと抗議する緊急声明を出している。
◆虎視眈々と狙う「改憲」許すな
安倍政治はすべての面から、そのインチキ性、欺瞞、富裕層優先、国権的反動性があらわになっており、これらと対決してゆかねばならない。今では議会が無力化し、司法は政権におもねっている。いまこそ大衆闘争を高め民衆の声を強め運動を広げてゆかねばならない。(文明)
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《19春闘》春闘は後退戦あるだけか――企業内に封じ込められる連合労組――
この3月中旬、今春闘での連合の大手労組への回答日がやってくる。
大手中心の連合春闘は、安倍内閣による〝官制春闘〟もあって、以前にも増して影が薄くなり、後退に次ぐ後退、果たして先行きはどうなるのだろうか?
私たちとしては、賃金額という日々の生活基盤確保のため、また将来的な発言力の強化に向けて労働者・労働組合の基礎体力を高めるためにも、賃金をめぐる闘いを前進させていく必要がある。そのためには、1人ひとりの労働者・組合員がもっと賃金に関心を持ち、〝賃金は自らが闘い取るもの〟という自覚を確かなものにしていく必要がある。
◆統計不正
1月末に始まった通常国会では、連日、毎月勤労統計などでの統計不正問題をめぐる攻防が繰り広げられている。厚労省が、全数調査とされている従業員500人以上の事業所での調査を勝手に抽出調査にしたり、またそれを厚労省内部で勝手に調整した数字を公表したりしていた、という問題だ。
この件では、賃金上昇でアベノミクスの成功を粉飾したい首相が、官邸官僚などを使って統計数字が上振れする様な手法を厚労省に強要していたこと、あるいは、官邸の圧力に対して厚労省などが〝忖度〟していたことなどが浮き彫りになっている。時の政権に都合が良い様に統計数字を操作するという不正はあってはならないことだし、徹底的に追求する必要がある。アベノミクスを粉飾する目的でそれをやったのであれば、その内閣を政権の座から追い落とすことも必要だ。
とはいえ、失業給付など追加給付を受けるケースを除き、統計不正をいくら熱心に追求しても、労働者の賃金が過去に遡って増えるわけもない。ここは、労働者が団結して賃上げ闘争を前進させることで、現実の賃金引き上げを勝ち取ることが大事だ。
◆共通項〝ベア〟の後景化
その春闘。かつての総評時代の風物詩にもなっていた春闘でのストライキが消えて久しい。例年通り、当事者の組合員にとっても他人事の様に推移し、ただ3月中旬の一斉回答などを待つのみ、というのが大方の実感だろうか。
その今年の春闘。ここ5年はアベノミクスを掲げる安倍首相が主導した〝官制春闘〟と称されてきた。安倍首相は経団連に対して、毎年、賃金のベース・アップ(=ベア)の実現を要請し、昨年の春闘に際しては、定期昇給込みで3%の賃金引き上げという数値目標まで言及して賃上げを要請した。
首相からのたっての要請という事もあり、経団連は、賃金交渉は労使自治が原則だという公式的な態度は棚に上げ、かたちばかりだとは言えベア実施を会員企業に呼びかけもした。
それでも昨年も含めて、定期昇給2%、ベア2%、あわせて4%程度という賃上げ目標に対し、実際にはその半分の2%程度しか獲得できなかった連合労組。今年の春闘では、ベア2%という目標は維持しながら、ベア引き上げでの統一要求を前面に掲げないことにしてしまった。その代わり、大手組合の平均年齢の賃金額、傘下組合の平均賃金額、年齢別の最低賃金額の目標など、13種類の月例賃金の水準を示し、それを参考にして具体的な賃金引き上げ額を要求していく、ということで足並みを揃える、という。
これは、基本給の上昇カーブ全体を引き上げるベアだけでなく、査定給部分や手当て部分、それにボーナスなど、毎月受け取る賃金全体で4%程度増やすことを目標にするものだという。現に、トヨタ自動車労組では、定期昇給や手当を含めて月平均で12000円増を求めており、またNTT労組はボーナスなどを含めて年収の2%増要求を基本要求としている。
こうした要求方式は、なにも目新しいものではない。現に、90年代に当時の鉄鋼労連が始めた「個別賃金方式」という要求方式で、これはそれまでのストライキを背景にベアを実現するという春闘方式から、ストライキを伴わない賃金交渉方式への転換でもあったのだ。
こうした要求の場合、ケースによっては事後に削減可能なものもあり、また、賃金のうちどの構成部分でどれだけ賃上げがあったのか曖昧模糊としたものでしかなく、基本給の引き上げ率や時給額の引き上げという、全国共通のもの差しが隠されてしまう代物になっている。
なぜそうするのか。それは、大手企業に比べてもともと賃金が低い中小や下請け企業の賃上げ要求を〝賃上げ率〟で要求したのでは、いつまで経っても格差が温存されてしまうから、という説明だ。だが、それは詭弁であり、逃げ口上以外のなにものでもない。なぜなら、それなら〇%という〝同率要求〟ではなく、〇〇円という〝同額要求〟にすれば良いだけの話だからだ。例えば、10、000円の同額要求なら、賃金が高い大企業より、中小や下請け企業の賃上げ率が高くなるからだ。その実現が難しいからこそ、何%という同率要求に甘んじてきたのが連合などの実情だからだ。いまさら〝同率要求では……〟などというのは、詭弁だという以外にない。
◆透明性、それともブラックボックス?
連合がベア優先の賃金要求から月例賃金引き上げ要求に転換したのには、前年の春闘での経緯がある。それは日本最大の企業であるトヨタ自動車が、昨年春闘での回答で、実際のベア額を公表せずに全体で3・3%の賃上げ回答をしたことだ。トヨタ自動車労組も受け入れた。
トヨタ自動車とトヨタ労組がベア額を非公表としたのは、安倍首相の定昇込みで賃金引き上げ3%の実現という経団連への要請に関わっている。トヨタ自動車が、手当の増額なども含む賃上げ全体で、3・3%引き上げたとすることで、安倍首相からの定昇込み3%という要請に対するトヨタ自動車としての回答を伏せたわけだ。
経緯からすれば、トヨタ自動車は、定昇+ベアで3%引き上げはしなかった、というのが実態だろう。他の大手企業の多くも、定昇+ベアで3%の賃上げを回答せず、経団連の調査では2・58%だった。
ここでの問題は、大手企業が安倍首相からの要請であるベア3%の実現に答えなかった事よりも、トヨタ労使が、3・3%の賃上げの中身を公表しなかったことだ。いはば賃上げのブラックボックス化だ。トヨタ労組は、連合にも賃上げの中身を報告しなかったので、トヨタ自動車の実際の賃上げ情況は、他の労組から見ることは出来なくなったわけだ。
このことがなぜ問題なのか。それは実際の賃上げ額がブラックボックス化され、ひいては要求額そのものもブラックボックス化されると、他の労組がトヨタ労組の要求が分からなくなり、それが拡がると、廻りの労組がどういう要求をしているのか、分からなくなってしまうからだ。実際の回答がどうなのかも含めて、賃金闘争の成功も敗北も含めて、労組の共通認識の形成が不可能になってしまう。要するに、各労組は共通の立場・目標での連帯・団結ができず、統一した闘いも不可能になってしまう。団結した力でしか企業と対峙できないという労働組合そのものの否定に繋がりかねないのだ。
個々の労組にとって、むろん毎年の賃金闘争は極めて重要であり、いくら賃上げを勝ち取るかは、1人ひとりの組合員の生活に直結する重大ごとだ。が、労働者がひとつ一つの闘いをつうじて自分たちの力を強化し、次なる闘いでこれまで以上の力を確保して要求の実現を達成する、という中長期的な課題は、毎年の個々の闘いの結果以上に重大ごとなのだ。トヨタ労組の態度は、そうした労働組合の最低限の仁義にもとる裏切り行為と指弾されても仕方がないものなのだ。とはいっても、連合の大手労組にそれを期待する方が悪いのかもしれないが……。
現在の春闘では、経営側が恐れるのは、賃金が上がらないことによる従業員の欲求不満の蓄積だ。が、それも自社だけでなく競合他社も含めて全体が低賃金を余儀なくされていれば、その欲求不満も拡がらない、ということか。結果的に、企業内組合によって賃金闘争はますます企業内に封じ込められ、賃金は、経営者側の意向の範囲内に押さえられるだけ。その結果、いまでは先進国に中で唯一賃金が下がり続ける状態が続く。なんとも情けないの一言、という以外にない。
◆賃金は闘い取るもの
連合など大手労組の現行の春闘は、一面では、労働者の期待を背負った切実なものだが、他面では、企業の手のひらを這いずり回る茶番でしかない。
確かに賃金というものは、個々の労働者に取って自分1人で決められるものではなく、企業の規模が大きくなればなるほど、自分から疎遠なものになっていく。春闘とはいっても、それは多くの労働者にとって組合幹部が自分たちを代行して会社と交渉して決まるもの、自分たちはそれを待っているだけ、というものになっている。自分の賃金額がどうやって決まるのか、どういう構成要素で成り立っているのか、分からないケースも多いのだろう。が、それでは労働者が共通の目標を形成していくこと自体困難なものになり、共通の目標に向けてどうやって団結していくのかさえ分からないままになる。
労働者は賃金問題にもっと大きな関心を持つ必要がある。何せ、賃金というのは、労働者の権利問題、労働時間と並んで、自分たちの働き方や日常の生活に密接不可分に関わっているからだ。
賃金闘争では、大手企業の個々人が奮起するのは難しいかもしれない。それに、賃金闘争の再構築は、数年単位では大きく変わることは期待できない、10年、20年のスパーンで築いていくべき課題だからだ。
とはいえ、いま、この瞬間にも、少数の労働者であっても、賃金をめぐる企業との攻防戦が続き、少なくないケースで勝利や前進を勝ち取っているのだ。
例えば、浜松市の物流会社「ハマキョウレックス」の契約社員が6種類の手当の差額分の支払いなどを求めた訴訟では、18年6月1日、最高裁第2小法廷で、4種類の手当や皆勤手当の格差を不合理とする差し戻し判決も出している。また日本郵便の契約社員が、年末年始手当てや住居手当などでの正社員との格差が不合理だとの訴訟で、この1月24日の大阪高裁判決では、一審判決から賠償額が増加された控訴審判決も出ている。また、東京メトロの契約社員が待遇差の是正を求める控訴審判決では、この2月20日に住宅手当、退職金、褒賞の差も違法と認める判決がでている。
さらに物流大手の日通では、この4月から非正規の同じ条件で働くエリア正社員の賃金体系に切り替えるという。少し前、日高屋では、非正規の8000人、外国人3000人を含む9000人が労組結成された。
まだ獲得したものは全体からすれば微々たるものかもしれないし、個々のケースに過ぎないかのしれない。が、それらを積み重ねることで、労働者の賃金闘争は着実に前進していくだろう。まずは足元から一歩づつ、闘いを前進させていきたい。(廣)
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毎月勤労統計をめぐる「疑惑」について
「また二〇一五年九月ですか?」と知人のAさんが、ため息交じりに呟いたのが気になりました。
毎月勤労統計の問題を話題に話し合っていた時の事です。
正直のところ、この問題について、僕は統計に携わる担当者の人員が不足して、やむを得ず「手抜き」してしまったのかと捉えていました。その結果、雇用保険の各種の手当が過小に給付されていた事が発覚したため、慌てて追加給付する事態に至ったのだろうと。
ところがその後、この問題に関連して、二〇一五年九月に、当時の首相秘書官が厚労省に統計のやり方を変えるように指示したのではないかという疑惑が持ち上がっています。
Aさんがこだわるのは、その「時期」です。「二〇一五年九月」と言えば、あの森友学園にかかる国有地の格安売却が画策されたのではないかと疑われている時期とも重なるからです。
そういえば、加計学園をめぐる疑惑も、裁量労働制にかかる労働時間の不適切集計も、やはり二〇一五年に集中しています。
「なぜだと思います?僕の推測ですけれどね」とAさんは続けます。
「この時期って、国会で安保法いわゆる戦争法が強行されようとして、国会議事堂前で毎日のように抗議デモが繰り広げられていましたよね。官邸側も相当の危機意識を抱いて、いろいろ画策したとしても、おかしくないでしょう?」
「官邸の意向を受けて、取り巻きのブレーンが示し合わせて、保守派の歓心を買ったり、庶民を懐柔したりするために、いろいろな手を打ったのかもしれないでしょう。しかも、後々に万が一発覚した場合も、官邸に火の粉が飛ばないよう、慎重に事を運んだのかも。」
「ところが、人の口に戸は立てられないというか、ここに来て、いろいろな切り口から、ほころびが出てきた、というところじゃないでしょうかね?」
Aさんは当時から安保法制に反対して、熱心に街頭での宣伝活動に取り組んできたこともあって、実感をもってそう思えてくるのでしょう。
そんなAさんの話を聞くうちに僕は、これまでも疑惑が持ち上がるたびに、官邸の主が決まって言うセリフを思い出しました。
「誤解を招いていることは申し訳ない。しかしどの資料も、私が関わったとは言ってないわけであります。」
今また、同じようなセリフが繰り返されているのを聞くと、正直のところ「ああ、またか?」と、僕までイヤな気持ちになります。
しかも今回の疑惑というのは、労働者が受け取る「失業給付」や「労災の休業補償」や「育児休業給付」等のただでさえ僅かな額が、さらに削られていた。また「アベノミクスのおかげで給料は上がっている」と思わせていたかもしれない。
「どうりで景気回復と言われても実感がなかったわけだよな!」、「女性が輝くとか言いながら育児休業給付は削られていたわけ?」と、ジワジワと怒りが底流のように、広がっていく性質の問題ではないでしょうか?
(松本誠也)
なんでも紹介・・・二〇〇五年度 新聞協会賞受賞 沖縄戦六十年 沖縄戦新聞 琉球新報社
一九四五年の日米両軍が激しい地上戦を繰り広げ、七十四年が経ちます。しかし沖縄の戦後は、まだ終わっていません。米軍基地が大半を占め、オスプレイなどが飛び交い、騒音や事故等で毎日恐怖に怯える毎日です。
そして住民の反対を押し切り、また辺野古に新たな基地を作ろうとして、ついに土砂が投入されました。このことは、民意を踏みにじる行為で、決して許されることでは、ありません。
琉球新報社が二〇〇五年に作成された沖縄戦新聞を読むご縁に恵まれました。これは、「恒久世界平和の確立に寄与する」と社是に掲げた精神を踏まえ、過去の歴史を二度と繰り返さないという決意で編集されたものです。
一九四四年十月十日は、米軍が無差別空爆を九時間続け、那覇の九割焼失しました。そして六六八人の方が一日で亡くなりました。全国の空爆犠牲者は七十六万人だそうです。
一九四五年三月二十六日慶良間諸島に米軍が上陸して沖縄戦が始まり、四月一日に本島に上陸すると、日本軍は反撃せずに、住民に「共死」を強制したことで、集団死が増えました。本当に悲しい出来事です。
母から聞いた戦争体験の話は、どうやって生き延びたかという話です。母は空爆の経験はありますが、地上戦の経験はありません。沖縄のひめゆりの話はテレビドラマで見たことがあり、その時は悲しくて泣きました。この新聞は、とても丁寧に沖縄戦のことが詳しく報道されています。
この新聞を読むと、戦争は二度と起こしてはいけないと強く思うと同時に、沖縄は早く米軍基地から解放されるべきだと、改めて強く思いました。(宮城 やよい)
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安倍政権の“忖度”政治を終わらせよう!
「毎月勤労統計」の不正調査が発覚し、政権中枢の意向が勤労統計の調査手法の変更に反映し、賃金の伸びを高く見せかける「アベノミクス偽装」が行われたとの批判に対して、安倍首相は関与を否定しているが、安倍首相がどんなに否定しようが、それが政権擁護・維持への“忖度”であろうがなかろうが、不正調査が行われていた事は明らかであり、要は、森友・加計問題と同様に【森友学園問題では森本学園が買った土地は1億3400万円で購入されたものの、不動産鑑定士の査定によると9億5600万だったため、不当に安い値段で払い下げたという話が出て、さらには土地のごみを撤去するための費用である1億3200万円を国が支払ったため、実質200万円で土地を購入したという状態だった】安部政権内における不正疑惑が起こったという事実である。
アベノミクスの下に一見華々しく見えていた好景気も、実際には、安部首相は否定しているが、首相の友人への便宜供与(公有地を低価格で払い下げるなど)が行われ、資本家=経営者には便宜を図る一方で、統計不正で算出された毎月勤労統計をもとに給付水準が決まる雇用保険や労災保険、船員保険で本来より少なく給付されていた人が延べ約2015万人、雇用調整助成金など事業主向け助成金で延べ約30万件もの訂正が必要との報告がなされているように、長時間労働の実態や実質賃金の低下など偽善に満ちた資料に基づくものであった事が暴露されたのだ。
資本=企業を儲からせてそのおこぼれを労働者・勤労市民へ行き渡らせようとするアベノミクスは、多数者である貧者を二の次にし、少数者である富裕層を更に太らせるだけの政治経済政策である。
安倍政権には“忖度”がついて回るほど懐疑的な政治手法が根付いていると言って良い。
忖度の意味は「他人の気持ちをおしはかること」「推察」と相手を思いやる使い方をするべき言葉ではあるが、主に「上の者の意向を推し量る」ために使われることが多い、わかりやすく言えば「おべっか・へつらう」といった形である。
こうした「おべっか・へつらう」状態が蔓延しているのは憲法改正や言論の弾圧・制限を目論む自民党一強支配体制であり、安倍政権が続くかぎり一層その腐敗は深まり続けるだろう。
“忖度”による不正が行われても責任をとらない安倍政治を労働者大衆の大衆的抗議行動で終わらせよう! (真野)
コラムの窓・・・ビンのなかの常識!
安田純平さんの帰国報告を聞く機会がありました。人質事件についての詳しい話のなかで、日本政府は犯人グループと交渉しないし、身代金も支払わないということが強調されました。犯人グループに殺害の意志はなく、日本は人質交渉に応じると思い違いをしていたようです。もっとも、安田さんも国の助けなど望まない、フリージャーナリストとしての矜持、未知なる人々へのつきない思いに突き動かされているようです。
棄民国家というこの国の本質は、兵隊を戦地で餓死させた過去も、オキナワの人びとを米軍占領下に放置しフクシマの人びとを放射能汚染下に閉じ込めている現在も、何も変わっていないのです。なので、フリージャーナリストを見殺しにすることなど何ほどのこともないのです。
こうした自分本位の政治が、日韓関係を迷路へと向かわせています。韓国の文喜相国会議長が天皇の謝罪を求め、これに対する日本政府の反応に「盗人たけだけしい」と言ったとか。「切れてません」というギャグがあるけど、これはもう〝切れている〟でしょう。しかし、怪しからんと言うべきは彼を切れさせた日本の態度ではないでしょうか。また、植民地下の朝鮮からの略奪とその後の対応が、彼が言うように天皇の謝罪で帳消しになるものではありません。
さて、韓国大法院判決から4ヶ月、加害企業の資産売却を迎えようとしています。歴史的事実からどこまでも目を背け続ける日本、政府も企業もどこまで逃げようというのでしょうか。ノー!ハプサ(靖國合祀り消し)第2次訴訟が1月22日に結審を迎えました。その最終準備書面からの引用で、何が問われているのか考えてみます。(以下、「ノー!ハプサ・NO!合祀」53号より)
「植民地支配に根拠を有する軍事動員による他国の死者が、遺族の要求を無視して一方的に、現在ですら植民地支配・戦争を正当としている靖國神社に、戦争を指揮した最高責任者である天皇を護るために命を投げ出した英霊として、日本人と共に(その中には、小磯国昭朝鮮総督ほか、自分たちの父祖を残虐に殺戮した者も多数混じっている)祭られている。このような事態は、客観的に、どのような意味を有していることであろうか。」「こういう国際的問題は何よりも、〈 相手の立場に立った場合、どう感じるか、どう見えるか〉ということを冷徹に考えてみることが大切である。」
原告の柳修鋭さんは1945年1月21日生まれで、その前日にお父さんが〝出征〟し、7月28日に鹿児島の神風特攻隊が出撃した基地で「敵機の攻撃を受け被弾死」しました。しかも、遺族にその消息は知らされることなく、靖國には合祀され続けているのです。安田さんにならい、知らないまま済ませていいのか、知ってしまったことに目をそむけていいのか、そんな風に考え行動したいものです。 (晴)
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読書室 江口圭一氏著『日中アヘン戦争』岩波新書1988年刊
江口圭一(編)『証言 日中アヘン戦争』岩波ブックレット215 1991年刊
これら2冊は、日中戦争時の日本のアヘン政策の実際を暴露した実に貴重な本である。
著者及び編集者である江口氏は、新書版『日中アヘン戦争』の執筆動機について『証言 日中アヘン戦争』の冒頭で実に明確に述べている。その部分を引用してみよう。
私は数年前に『日中アヘン戦争』(岩波新書、1988年)という本を書きました。いささか意表をつくタイトルで、はて、こんな戦争いつあったかしらと不審に思われた方もおられたようです。
実は、日本は15年戦争の時期を通じて大量のアヘンを中国で販売し、それを中国支配の重要な手段としていました。アヘンはもちろん国際条約によって禁止されている麻薬ですが、日本は国策として中国でアヘンを売りまくりました。
その目的は、一つは「満州国」をはじめとする傀儡政権の財源や謀略工作の資金を獲得すること、いま一つはアヘン中毒によって中国の抗戦力を麻痺させることでした。中国はこの日本のアヘン政策を「毒化政策」として非難しましたが、たしかにアヘン政策は毒ガス戦や細菌戦とならぶ日本の戦争犯罪でした。日中戦争は実は大規模なアヘン戦争であったという意味で、『日中アヘン戦争』と呼んだわけです。
このように日本は世界的なアヘン禁止条約を批准していながら、中国等ではアヘンを密売していた。この戦争犯罪は、当然にも東京裁判(極東国際軍事裁判)で追及された。すでに周知のように731部隊の犯罪であった毒ガス戦や細菌戦は米軍の意向でわざと見逃されたのに対して、アヘン犯罪については追及がなされた。そのため、いくつかの書証や証言が法廷で公開され、日本の犯罪が非難されたものの、東京裁判での追及には残念ながら大きな限界があったのである。
それは何故かと言うならば、この犯罪の立証がほとんど見聞や伝聞に限られ、日本側の内部文書の提出は皆無であったからだ。日本は自分達がやっているアヘン政策が国際法違反の犯罪だと百も承知であったからこそ、証拠となる内部文書は焼却していたのである。
しかし公文書を焼却の処分する破廉恥な日本は、同時に公文書を役職者がかってに自宅に持ち帰る文化を持つ。こうして江口氏は十年ほど前に神田の古書店で、偶然にも日本が内モンゴルに作った傀儡政権の「蒙古連合自治政府」、いわゆる蒙疆政権の経済部次長をしていた金井章次氏の所蔵文書がかなりの高額で売り出されていることを発見する。
この顛末に関する記述は、岩波新書『日中アヘン戦争』の「プロローグ」幻のアヘン資料に詳しい。江口氏はこれに関連文書を加え、『資料日中戦争期阿片政策―蒙疆政権資料を中心に』(岩波書店、一九八五年刊)を公刊し、翌年に『続・現代史資料(12)阿片問題』(みすず書房、一九八六年刊)を出した。この二冊の資料集によって日本の阿片政策に関する資料的空白が大幅に埋められることになり、研究が大いに進んだのであった。
岩波新書『日中アヘン戦争』はこれら二冊をもとに日本のアヘン政策の概要をコンパクトに纏めた本なのである。そしてその後刊行された岩波ブックレット『証言 日中アヘン戦争』は、実際にアヘン政策に関わった二人の貴重な証言である。一人はアヘンを栽培していた及川氏と、もう一人はアヘンを「薬品」として運んでいた輸送船船員の丹羽氏である。一九三九年六月、仙台税務監督局関税部長から後に出てくる興亜院蒙疆連絡部経済主任として赴任した(一九八0年に現職首相死した)大平正芳氏と及川氏はニアミスした。
この大平氏については、一部に自民党の中では清流だとの評価もあるが、若き日の大平氏の所業は一切の弁明も出来ないほどの悪辣非道だったと言える。この所業とクリスチャンの信仰との関係については、私は現時点で触れることは出来ない。本当に残念である。
日本のアヘン政策は日本国首相を総裁とし、外相・蔵相・陸相・海相を副総裁とする興亜院及びその後身の大東亜省により管掌され、立案され、指導され、国策として計画的に展開された。それは日本国家による最も大規模な戦争犯罪であり、非人道的行為であった。そしてこのアヘン政策の目的は、何よりもその生産・販売によって巨利を獲得することにあった。さらにそのアヘン収益の使途は、蒙彊政権の場合、表向きは政権維持の財源にあてられたことになっているが、その実態は秘密のベールに包まれて不明である。又収益とされる金額そのものも、一体どれだけ正確なものであるのか、無条件には信用できない。ともかくアヘンにより巨額のブラック・マネーが生み出され、運用されていたのである。
今回読書室で取り上げた『日中アヘン戦争』の核心は、このアヘン政策が出先だった関東軍やその関連機関のものではなく、又偶発的ないし一時的なものでもなくて日本国家そのものによって組織的・系統的に遂行されたという事実を具体的に解明した点にある。
例えば一九三七年、東京毎日新聞社社長だった藤田勇氏は、後に沖縄防衛を担当する第三十二軍の参謀長となる長勇陸軍中佐から二十万英ポンドのアヘンの密輸の話を依頼され行動した。二十万英ポンドは、一九六三年のある解説文によれば、「今日一キロ一億円という麻薬密売市価でいうと九兆七百二十億円という莫大なものだ。麻薬史上世界最大のもの」である。そしてこの大量のアヘンを売り捌いたのは、東京裁判で検事側の証人にもなった里見甫という新聞記者出身者であった。この里見甫という人物の劇的で数奇な人生に関心を持った『てっぺん野郎』・『唐牛伝』等の優れたドキュメントで知られる佐野眞一氏は、『阿片王』で東京裁判のその後も含めた里見甫を主人公とする作品を上程している。
国際連盟のアヘン中央会議議事記録は、「有名な満州及び熱河の魔窟と工場についで、天津日本人居留地は中国本部[中国中央部]及び世界のヘロイン中心地となった。中国民族のみならず、世界のすべての他の国々が弱体化され、堕落させられるのはここから始まるのである」と述べ、日中戦争時、日本は全世界の非難の矢面に立たされていたのである。
このため、日本陸軍の皇道派だった荒木貞夫大将は、東京裁判においてアヘン・麻薬政策に対して有罪になっている。その東京裁判での判決文は、次の通りである。
「日本は中国における占領地域にアヘン法を公布した。……これらの法律は、アヘンと麻薬を官許の店に配給する政府統制の専売機関をつくりあげたのであって、これらの専売機関は、麻薬からの収入を増加するために、その使用を奨励する徴税機関にすぎなかった。
日本に占領されたあらゆる地域で、その占領のときから、日本の降伏にいたるまで、アヘンと麻薬の使用は次第に増加していた。
この[アヘンと麻薬]の売買は、軍事行動と政治的発展に関連していたものである。この売買によって、日本側によって設置された種々の地方政権のための資金の大部分が得られたからである。……アヘン吸引者の非常な増加が、中国の民族の志気にあたえた影響は、容易に想像することができるであろう」
日本政府や関東軍等の潤沢な機密費もこのアヘンの収益から出たものだが、これらのアヘン事業には興亜院と三菱商事と三井物産とが最も密接に関っていた。実際、三菱と三井がアヘン商売の領地分けをめぐってもめた時には、外務省が仲裁に入りその争いを収めたほどである。当時、内務省官房主事として特高警察を指揮していた経歴を持つ正力松太郎は、一八八五年に領有した台湾において当時の内務省衛生局長としてアヘン収益政策を行っていた後藤新平が出した資金を使い、倒産しかかっていた読売新聞を手に入れたのだが、前述の藤田勇氏もこの後藤新平とは親交があった。
中国における日本占領地域では、日章旗の掲揚は、すなわちアヘンの販売が日本側によって公認されていることの標識であった。このことから日本側にしてみれば、実に笑うに笑えない話が残されている。関東軍総参謀副長から敗戦直前に内閣総合計画局長官となった池田純久陸軍中将は「陸軍葬儀委員長」(1953年)の中で、次のように書いた。
「[支那]事変当時、日本で喰いつめた一旗組が、中国の奥地に流れ込んで、アヘンの密売に従事しているものが多かった。かれらは治外法権を楯に日の丸の国旗を掲げて公然とアヘンを売っているのである。だから中国人のうちには、日の丸の旗をみて、これがアヘンの商標だと間違えているものが少なくなかった。
時々日本の国旗陵辱事件がおこり外交問題に発展することがあったが、よく調べてみると、中国人はそれを国旗とは知らず、アヘンの商標だと思っていたという、まったく笑い話のような滑稽談さえあった。
戦前にある日本の名士が中国奥地を旅行した。車窓から山村の寒村に日の丸の旗が翻っているのをみて,「日本の国威がかくも支那の奥地に及んでいるのか」と随喜の涙を流したという話がある。なんぞ知らん、それがアヘンの商標であることを知ったら、かれはなんといって涙を流したであろうか」
ここまで書くと、私は日本国家の悪行にほとほと嫌気がさす。私は、『証言 日中アヘン戦争』において、日本が内モンゴルに作った傀儡政権の「蒙古連合自治政府」=「第二満州国」、いわゆる蒙疆政権下で実際にアヘン栽培に従事した及川氏の次に引用する発言も、決して忘れることは出来ない。名もなき庶民は、いつも国家に有無を言わず拝跪させられ続けているのである。
実際、易姓革命なき日本社会の社会編成原理は、拡大部族制(=親分・子分関係を基本とする擬制部族制)・世襲制であり、日本社会とはそこかしこに「大親分」「お局様」「小天皇」等が今でも蔓延っている社会なのである。
いやあ、ただ、これだけはいっておきたいんですが、私はアヘン生産に熱中しましたが、不浄なこと、不正なことは一切しませんでした。アヘンは巨利を生みますから、いろいろうまい話はないかといって接近してくる。軍人にもおったですよ。しかし私は一切そういう連中には取りあわなかった。だから満州国で実権をにぎり、戦後政界に君臨したさる大物政治家がアヘンでもって巨額の政治資金を作っていたという話を聞いたときには、本当に腹がたちました。俺たちが第一線でさんざん苦労していたというのに、後方でうまい汁すって儲けていたんかと、腹がたったんですなあ(笑)
今の日本の総理大臣が岸の孫というのは単なる偶然なのだろうか、私はそれは違うと考える。
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「エイジの沖縄通信」(NO・59) 富田 英司
①辺野古新基地建設工事を即刻中止せよ!
★軟弱地盤の深さ90メートル
★地盤改良工事の例ない
★血税の無駄使いでしかない
安倍首相は1月30日の衆議院本会議で初めて大浦湾の軟弱地盤の存在を認め、「一般的で施工実績が豊富な工法により地盤改良工事を行なうことにより、護岸や埋立部等の工事を所要の安定性を確保して行なうことが可能であることが確認された」と答弁した。しかし、このような深い地盤改良工事は「一般的で施工実績が豊富」どころか、「改良工事の例はない」のである。
この大浦湾の軟弱地盤の存在は、防衛省の2014年~16年の海底調査船「ポセイドン号」の調査で判明していた。さらに、その後の追加調査で、さらに20メートル深い層が見つかった。最も厚い軟弱層の深さは水深70メートルとされていたが、大浦湾一帯に存在する軟弱地盤が、海面から90メートル(水深30メートル、地盤60メートル)まで達している事が判明。
地盤工学が専門の鎌尾彰司日大准教授によると。
「政府が計画する地盤改良工事について、水深90メートルにも及ぶ軟弱地盤を改良する工事は聞いたことがない。そもそも当初言われていた70メートルの地盤改良工事の事例も聞いたことがなかった。90メートルとなると、工事の難度も非常に高くなり、地盤改良が可能かどうかを想像することもできない。そもそも国内には最大で70メートル程度に対応する作業船しかない。70メートルまでの地盤改良が限界だ。」
また、羽田空港の拡張工事で地盤改良の検討に関わった田中洋行北海道大学名誉教授も「難工事だった羽田空港の地盤改良工事でも改良の深さは海面から40メートル前後だった。深さ70メートルまで杭を打つ改良工事は私は聞いたことがない」と述べている。
もう一つ判明した事が「砂抗」(砂のくい)の問題である。
地盤改良工事では「サンドドレーン(SD)工法」と、「サンドコンパクションパイル(SCP)工法」の二つを想定している。いずれも金属製パイプを打ち込み、そのパイプに砂を流し込んで地中に砂だけでできた杭を埋め込む方法である。なんと、この「砂杭」を合計7万6699本も打ち込む工事を検討している。このような改良工事は前例のない大規模工事となり、工事の長期化は避けられない。沖縄防衛局も「工事が長期化する可能性がある」と認めている。
沖縄の元土木技術者の北上田毅さんも、「沖縄防衛局の上記報告書にも、国内のサンドコンパクション・サンドドレーンの作業船一覧が掲載されている。それによるとサンドコンパクション工法の作業船は国内に16隻あるが、うち2隻が最大打込深度70メートルほどとされているだけで、ほとんどは50メートルほどまでしか改良できない。また、サンドドレーン工法の作業船は8隻あるが打設深さは50~60メートルとされている。今回のような海底深い軟弱地盤の改良工事は技術的にも不可能に近く、もし技術的に可能だとしても莫大な工事費(税金)が使われる。もし工事が進めば、あの豊かな自然環境の大浦湾は致命的に破壊される事になる。」と指摘している。
今回問題になっている大浦湾の軟弱地盤の存在は、2年前頃から地元の土木関係者や地質学者が指摘してきた。ところが、政府・防衛省はこれまで大浦湾の軟弱地盤の存在を認めず、問題点も公表せずに、沖縄県民の諦めを狙って埋め立て工事が容易な浅い辺野古側の海に土砂投入を権力を総動員して強行している。
この辺野古新基地建設の総工費(税金)がいくらかかるのか?完成までいったい何年かかるのか?政府は公表していない。あまりにも無責任である。
埋め立てに適さない大浦湾に、大型基地を建設するのは不可能だということが明かになっている。政府は埋め立て工事の難しさを率直に認め、建設工事を即刻中止すべきである。
②ロブ・カジワラ氏の不当拘束はなぜか?
ネットで今来日中のカジワラ氏が、大阪空港で大阪入国管理局関西空港支局によって不当にも2時間弱も拘束されたと知り、大変驚いた。
ハワイ在住の沖縄ルーツ米国人のロブ・カジワラ氏は、辺野古新基地建設の中止を米国政府に求める請願署名21万筆の発起人となった人物である。
その後、この問題を調べると次のような事が判明した。
『カジワラさんは、超党派の国会議員との面談や記者会見等のため在住するハワイから来日。関西空港を経由して羽田空港に向かう予定だった。
ところが、関西空港での入国審査での際に、カジワラさんは入国管理局の係官らによって別室に連れて行かれ、執拗に詰問を受けたと言う。
カジワラさんは国会議員との面談など、その来日目的を説明したものの、入管係官は「どういうイベントに参加するのか」と執拗に、何度答えても同じ質問を繰り返し聞き続けたのだという。また、「辺野古(に関する活動)について問いただされた」とも言う。カジワラさんは「何度も日本に来ているけども、こんなことは初めて。とてもショックを受けた」と言う。
さらに奇妙なのは、入管係官達は「私達も好きでこのような対応をしているわけではなく、上からの指示でやっているだけ」とカジワラさんに釈明したと言うのである。』
明白に法に違反することでなければ、来日した外国人の行動を制限する権限など入管当局にはない。カジワラ氏が辺野古新基地に反対するイベントやどんな集会に参加しようとしまいと、それはまったく個人の自由である。
問題は、なぜ大阪の入管支局は執拗にカジワラ氏を問いただしたのか?この「上からの指示とは」どこなのか?それを明らかにする必要がある。
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読者からの手紙・・・カショーギ(ジャマル・カショギ)事件の大嘘 続き
いよいよサウディ(サウジアラビア)の検察は、ジャーナリストジャマル・カショーギ殺しの廉で11人の被告のうち5名に対して死刑執行を裁判所に求める構えである。検察はカショーギが10月2日イスタンブールにあるサウディの領事館内部で殺害されたというトルコからの証拠を要求する2通の公式文書への返答を待っているとも言っている。
5名のサウディ高官が(王室裁判所付きのサウドゥ・アル・クァータニを含めて)カショーギ殺害に関して罷免されている。しかし権威筋はそれらの高官が控訴されている者たちの中に含まれているか否かは語っていない。
ワシントンポスト等は、カショーギは皇太子モハメド・ビン・サルマンの名声に泥を塗ったなどの非難で、皇太子が殺害の背後にいる事を匂わせている。
トルコのメディアはカショーギの遺体は発見されておらず、酸で溶かされたとしている。 国連と人権団体はこの殺害に対する独立機関の調査を求めている。アムネスティ・インターナショナルの中東責任者は「カショーギ殺害のサウディの権威筋の関わりがあるとするなら、サウディ・アラビアの刑事裁判システムの独立性の欠如や調査の偏向性によって裁判は問題がある。」「国連主導の独立調査が必要なものだ。」と語っている。
サウディの王室関係は皇太子ビン・サルマンはじめ数十人の異母兄弟がいて、皇太子の位を巡っての確執あり、それが政策と結びついた支配階級の確執と絡み合って、帝国主義が自己の利益に沿うよう誘導するのは容易である。サウディの外務大臣がこの事件後すぐアメリカとの関係を一層深める方針を発表したのは、彼(ジュベイヤー=アーデル・アフマド・アル・ジュベイル)が反皇太子側である事を暴露したものだ。しかし皇太子側は兄弟にしろ、支配階級の中からにしろ、あるいは皇太子自身からのコメントすら一切伝わってこない。
アメリカの通信社がトルコのコメントをあれこれ伝えている事も、直接ではなく、甚だ疑わしいものだ。もしトルコの言っている事が事実とするなら、カショーギの遺体は見つかっていないのなら、バラバラにされ、酸で溶かされたという証言は、自己矛盾である。見つかっていない遺体がどういう状態かわかるわけはない。これがわかるのは、ある「場所」で発見され、こんな状態だったという以外は嘘だ。
裁判も一旦権力側に偏向すると、どう言うように検察・裁判所が処理するかは世界中周知の事実だ。拘留され、家族、知人から隔離され、連日、精神的・肉体的拷問を受けると、容疑者とされた者たちは裁判所の審問に合うと、そのほとんどが犯行を認めてしまう。事実はどうでもよいと言うより事実はわからなくなってしまう状態になってしまう。
1930年代のロシアのスターリンによるテロは、この人間の頭脳のメカニズムを知っていて、第3回インターナショナル議長ブハーリンや名声高いトハチェフスキー元帥等数百・数千の優れた革命家達を見世物裁判、暗殺、流刑等で消していった。従って、たとえサウディのこの事件でサルマン皇太子が自分の関与を認めたとしても、裁判結果よりも、大衆は自己の頭脳の中での合理性を信ずるべきだろう。(M)
追伸
CIA(アメリカ中央情報局)がビン・サルマン皇太子のカショーギ殺害の情報に太鼓判を押してくれた。過去の悪事の数々の総司令部は、彼らの太鼓判が逆作用になる事に、まだ気がついていない。(M)
色鉛筆・・・あまりにもひどい!非常勤保育士の「会計年度任用職員制度」
私は長年公立保育園の非常勤保育士として働き、還暦を迎えても元気なうちは仕事をしようと思い続けている。
4年前に公立の保育園と幼稚園が全て認定こども園になり、保育士資格と幼稚園教諭免許状の両方が必要になったが、5年間はいずれかを持っていればいいという経過措置が取られた。私は保育士資格しか持っていないので5年たったら辞めればいいと思っていたが、今でも非常勤保育士が足りないのに私と同じように考えている人たちが70人位いることがわかると、あと5年間の経過措置が取られることになった。また、2020年度から非常勤保育士に今までにない昇給や退職金制度ができるらしいという話を聞いて、同じ仕事をしてる同級生と「資格を取らなくてもいいし、労働条件が良くなるならまだ働けということだね」と喜んでいた。
ところが、当局が出してきた制度は今までよりも労働条件が悪くなることが分かった。
地方公務員法の改正に伴い、市役所に雇用されている非正規職員は「会計年度任用職員制度」という制度に変更され1月17日に人事当局から制度内容が提案された。給料は正規保育士と同じ仕事をして今でも低賃金なのに基本的には現行水準で「再雇用非常勤」は大幅に引き下げられてしまう。初任給を決定する際に前歴を加味することとなったが「平成27年4月1日以降」に限定されてしまい長年働いていることを無視されている。昇給制度もあるが職務経験12ヶ月でたったの1号のみ。(総務省の例示は4号なのに)休暇制度は国の非正規に準じるとしたため、私傷病休暇の日数削減・夏季休暇制度廃止等、有給が無給となったり、日数が削減されたり、制度が無くなったりと改悪そのものだった。
あまりにもひどい制度でその中でも特に休暇制度に腹が立つ。今まで年次有給休暇を正規保育士と同じ20日付与されていたのに新制度では、『6月後10日(当初採用時のみ前倒し5日付与)以後1年6月、6年6月以上で20日』というのだ。
これでは新規採用者の試用期間と同じで労働基準法でも定められているが、20年も働いてきた私は新規採用ではない。どうして新規採用と同じ扱いを受けなければならないのか納得がいかない。今まで有給休暇が20日付与されてきたが、毎年職場では保育士が不足していて好きな時に有給休暇が取れなく代替え保育士がいる時しか取れないので、毎年20日消化できなく捨てているのが現状だ。でも自分や家族が病気になった時に有給休暇を使うことができたが、新制度では休暇が足りなくなって欠勤になると、安い賃金から減給されてしまうのではないかと不安になる。長年雇用されてきたのだから制度が変わる時、前年度の有給休暇の繰越は出来ないのだろうか。
そして、暑い夏の日子供たちと一緒に汗だくになって働いていているが、今まで5日の夏季休暇があるから暑い夏を乗り越えることができたのにその夏季休暇を無しにするというのだからあまりにもひどい。正規保育士には有給休暇20日、夏季休暇5日を変わらず付与するのだから差別そのものだ。私たち非常勤保育士は給与が安くても正規保育士と気持ちよく仕事をしてきたのに新制度で休暇の差別をされたら人間関係が壊れてしまう。
新制度について職場の非常勤保育士仲間は「休暇がないのはひどい」「辞めたくなるね」「これなら私立保育園の方がいいね」「給与が安すぎる」「今でも足りないのにこんな条件では集まらないね」等々と、話が盛り上がった。現に今の仕事量が多くて賃金も安くてやっていられないと突然辞めてしまう非常勤保育士もいたり、来年度から私立保育園や小規模保育園に行ってしまう人も数多くいる。来年度の非常勤保育士を200人募集したところ、集まらなく再募集しても集まらいという。今でさえも集まらないのに新制度にしたらますます集まらないことは目に見えているはずなのに新制度は逆行している。人事当局は経費削減のために行うのだろうが、保育士不足で保育士たちは過重労働で倒れ、子供の命も守れなくなってしまう。
そして、正規職員組合の呼びかけで人事当局と直接交渉できるというので私は出かけて行った。市役所の非常勤職員はこども園だけではなく、水道、現業の職場の人たちも集まり順番に訴えていった。こども園では正規保育士や非常勤保育士が「今も保育士が足りなく、副園長や園長もクラスに入っている」「早番遅番の超過勤務が毎日ある」「勤務時間内で仕事が終わらず家に持ち帰っている」「正規保育士が足りなく非常勤保育士がクラスを持っている」「非常勤保育士なのに正規保育士と同じ仕事量をこなしている、待遇改善をして欲しい」「職場の非常勤保育士が有給休暇や夏季休暇がなくなるなら辞めると言っている」「私立保育園の方が給与が高い」「夢と希望を持って仕事に就いたのに人が足りなくやる気が無くなった」「非常勤保育士がいるから職場が成り立っている」「私立保育園よりは福利厚生がよく有給休暇があったから続けてきた」「長年仕事をしてきたから新規採用ではない」「こんな制度なら辞めます」等々。
最後に人事局長は『皆さんの気持ちはわかりました。検討します』と、答弁をすると「現場に来てみたら」と声が上がり局長は 『幼稚園の会長をやったことがあるから分かります』と言うので「1日じゃわからないよ」「働いてみないとわからないよ」「そうだよ」と参加者で笑いあった。私たちの訴えが人事当局に響いてくれるといいのだが・・・
新制度は2020年4月1日施行に向け、総務省が示しているスケジュールを基づいてそれぞれの自治体で条例や規則等の制定・改正が行われているようだ。私の市でも昨年の秋頃にこの制度について聞いたが、人事当局からの制度内容が提案されたのは今年の1月17日で提案が遅く、組合と交渉して2月28日には交渉を終了し議会にかけようとしている。反対の声が大きくならないうちに短期間で決めてしまおうという策略かもしれないが、これからも反対の声を上げていくつもりだ。(美)
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