ワーカーズ674号(2026/1/1)      案内へ戻る

  国家・軍事先行の高市政権――対抗旗印を掲げて追い詰めよう!――

 高市政権が発足して2ヶ月。

 〝責任ある積極財政〟とのキャッチ・フレーズで、実際には自分の政権のときだけは〝無責任〟なばらまき政策の高市政権。

 そんな高市政権下で飛び出した〝戦争宣言〟や〝核武装〟という危うく危険な言辞。国家至上主義にもとづく〝平和国家日本〟の軍事・国家主導政治への改造攻勢もあけすけだ。

 そんな高市政権発足の遠因となった、日本政治の保守回帰、右傾化も鮮明になった。参政党などの急進右派勢力の伸張、国民民主など、企業利益優先政治を隠さない政党の伸長だ。その帰結が、これも右派の日本維新の会と自民党の〝連立〟政権の発足だ。

 その一因は、左派陣営が決定的に立ち後れていることだ。

 そうした現状認識の下、私たち労働者派・左派の奮闘、そのための旗印の再構築が、今大きく問われている。

 旗印は、例えば次のようなものだ。

 ※続く実質賃金(所得の一次配分)の低下、巨額の企業利益は内部留保と株主還元へ、という階級格差の転換
 ※所得の再配分での法人税と所得税の縮減と消費増税からの転換
 ※軍事優先政治や排外主義の打破と国境を超えた反戦・平和の闘いの拡大
 ※国家至上主義、政府による国民統治に対抗する、国民・当事者主権の確立
※企業利益優先を是正し、国民生活優先の生活保障の立て直し

 選挙での参政党や国民民主躍進の背景には、生活不安に起因する世界的な極右・急進右派の伸張がある。

 ロシアによるウクライナ侵攻、米国や西欧から支援を受けたイスラエルによるガザ・ジェノサイドと周辺諸国への軍事攻撃、米軍によるイラン攻撃など、ジャングル・ルールでの〝攻撃した者勝ち〟の現状を打破したい。

 〝新たな戦前〟の復活かと見まごう政治の退廃を目の当たりする今、改めて、今ほど労働者派・左派・平和派の対抗陣営の奮闘が求められているときはない。それらの人たちが大きな旗印を掲げて、高市政権に対する包囲網を形成・拡げていく必要がある。

 私たちとしても、微力ながらその一端を担っていきたい。(廣)


   ますます危険な高市政権――現場・草の根から反転攻勢を!

 政権発足から2ヶ月。高市政権はこれまでは高支持率を維持している。
 
 とはいえ、早くも安保・軍事面で、高市首相の危うさが露呈し、先行き不安が膨らんでいる。

 女性初の首相で、若者や就職氷河期世代の生活苦など現状打破の期待感もあって初動は堅調だ。が、《サナエノミクス》を標榜する〝強い経済〟や〝責任ある積極財政〟でも、劣悪な雇用や低賃金の是正は見込めず、円安物価高も解消されそうにない。

 年明けの今から、草の根の労働者・市民の闘いを足場に、反戦・平和の闘いで、反転攻勢に打って出たい。

◆〝責任ある〟《積極財政》?

 高市政権は〝責任ある積極財政〟を掲げ、昨年末には前年度より3割も膨らませた13・8兆円もの補正予算を成立させた。

 高市首相は、これまでの財政方針を〝過度な緊縮財政〟(?)と批判しつつ、〝責任ある〟との枕詞を付けて〝積極財政〟を正当化した。が、現実は全体の3分の2の11・7兆円は借金=国債に頼ったものだった。〝過度な〟とか〝責任ある〟とかの枕詞を付ければ、自分たちの放漫財政を正当化できるとの、有権者を小馬鹿にする姿勢が露骨だ。

 高市首相は、これまでの政権が、建前としては掲げ続けてきたプライマリー・バランス=財政収支均衡の維持について、「単年度ごとのバランスの維持はやめる」と言っている。要するに、自分の政権だけは〝ばらまき財政続ける〟というもので、「今年はできない」が、「来年も」「再来年も」できない……。財政収支の均衡は、次の政権がやればいい、との〝無責任〟な姿勢が透けて見える。

 その結果増え続ける赤字国債の漬けは、インフレの進行による大衆収奪か、それとも将来世代へのつけ回しに転嫁される他はない。

 同じスタンスは、26年度予算案にも引き継がれる。

 昨年末に大枠を決めた新年度予算案も、歳出総額は122・3兆円で、前年度の115・2兆円を6%あまり多い過去最高額の〝責任ある〟(?)積極財政だ。

 一方、発行する国債は29・6兆円で、前年度から1兆円増えているが、依存度が若干下がったことを〝責任ある〟の根拠だと言いたいらしい。ここでは歳出の中身には踏み込めないが、何はともあれ、政権発足後最初の予算は、大盤振る舞いがしたくなる。(12月25日)

◆観測気球?――ついに出た〝核保有〟論

 政権発足以降、高市自維政権の国家・軍事ファーストの急進右派政治への傾斜が止まらない。

 昨年11月7日の台湾有事を巡る〝戦争宣言〟をはじめ、非核三原則の二原則化、国内情報機関・対外諜報機関設置などを含む安保三文書の前倒し改定、また〝国民の自由〟より〝政府による国民統治〟の強化が主眼のスパイ防止法制定や国旗損壊罪の創設、排外主義を招き寄せる外国人政策の厳格化、等々のオン・パレードだ。これらは別途引き続き追求すべき課題だ。

 こうした中、またしても反戦平和を願う人々の神経を逆なでする発言が飛び出した。核軍縮・核不拡散担当の総理補佐官による〝日本の核保有〟発言だ。

 筆者は、前号でも高市首相の非核三原則の二原則化は、先行きの核保有の野望をはらんだものだ、との危惧を記した。その矢先の政府高官による昨年12月18日の〝オフレコ発言〟だった。

 この件について、木原官房長官などは、〝非核三原則〟は「政策として維持している」と繰り返し、「国是として維持している」とは言わない。〝政策として〟というのは、いつでも変えられるの意だ。

 非核三原則が〝国是〟だというのは、単に政府の方針ではなく、佐藤内閣時の1971年に衆院で決議されているから〝国是〟だとされている。単なる政府の政策にとどまらない重みをもっている。とはいえ、国会で決議し直せば、変えることはできる。

 今回の政府高官のオフレコ発言は、忖度か計算し尽くしたかはさておき、高市内閣による〝観測気球〟の可能性も、否定できないのだ。

◆核保有を温存する危険な自民党政権

 日本のこれまでの核政策は、国連常任理事国5カ国のみに核兵器保有を認める核拡散防止条約(NPT)、それに日米原子力協力協定の枠組みのなかで進められてきた。だから日本の核兵器保有は、ロシアや中国が認めるはずもなく、不可能だ。強行するには、NPT体制から脱退する必要がある。

 現在、日本は米国との間で、核兵器に使用可能な20%未満のウラン濃縮と、使用済み燃料の再処理で取り出したプルトニウムの利用の両方を認められた唯一の非核保有国になっている。これを根拠に、米国も、日本はすでに〝潜在的な核兵器保有国〟として扱っている。

 核兵器について日本の公式な立場は、外務省から米国に提出した報告書による「日本は米国の拡大抑止に、それが信頼できる限りにおいて、依存する」というもの(原子力資料情報室より)だ。言葉の裏を返せば、米国の核の傘が信頼できないと日本の政府が判断すれば、核武装するというものなのだ。

 だからこそ、今回の政府のオフレコ発言は軽視できないのだ。単に個人的にそれを撤回すれば済むという話ではなくて、そもそも、それが一補佐官の意向などではなく、政府の公式の見解だからこそ、やっかいで危険なのだ。

だから今回の政府高官による「核保有」発言に対し、米国は「米国は日本に対し核拡大抑止を提供している」との態度表明をしたわけだ。これは日本の核保有を認めない、との趣旨でもあり、日本が強行すれば、ウラン燃料の供給停止もあり得る、という話なのだ。

◆米国も含め、世界から敵視

 仮に米国が日本の核保有を認めた場合は、歯止め無き核拡散を呼び込むだけだ。

 日本の核保有は、即、韓国の核保有を呼び込むほか、東南アジアや西欧での日本への批判、それにイランなど中東その他地域での核保有の連鎖を呼び込む。世界でも日本周辺でも核拡散が拡がり、偶発的なものも含めて核使用の危険性も高くなり、各国の人々の安全そのものが脅かされることになる。

 そもそも、現在の核拡散の責任は、核保有国の五大国にまず責任がある。NPTでは、まず第一に、核保有国の核軍縮努力を規定している。現実は、その努力を怠っているばかりか、逆に、米中ソなどは、核の近代化と称して、核兵器のバージョンアップを進めているのが現実だ。NPO体制に加わっていない後発保有国も、その間隙を突いて保有国になったのが、これまでの経緯なのだ。

 それはともかくとして、考えたくもないが、核戦争は軍事的にも日本に不利だ。狭い人口密集地が多く、日本海沿いに集中する原発、それに縦深性に欠ける領土など、日本は核攻撃に極めて脆弱だ。かつて日本が核武装に踏み込まなかったのは、こうした軍事的事情もあったとされる。それ以前に日本の核保有は、唯一の被爆国日本の〝平和外交〟を台無しにもする。国外世論ばかりでなく、平和と安全を求める日本の世論も許さないだろう。

 他方では、ネット空間などでは、今回の政府高官の発言だけでなく、核保有での浮世離れした擁護論もあふれている。

 危うい高市政権の軍事・核戦略に対し、私たちはあらゆる場面で反対し、対抗していく以外にない。(廣)
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   色鉛筆・・・再審法改正は議員立法で早期に実現を!
 
 「巌さんは無罪判決からほとんど変わっていない。妄想の世界でどこまで理解しているいるのかわからない。57年間受けた傷は修復不能、彼の無表情が突きつける物がこの事件の問題。」昨年9月の無罪判決一周年集会での猪野待子さん(見守り隊)の発言だ。30才で逮捕された巌さんは、この春90才を迎える。

 今の再審制度には大きな不備があり、えん罪被害者を早期に救うことが出来ない。証拠開示の規定や審理を進めるルール等が無く、検察の抗告(再審開始決定への不服申し立て)も制限されておらず、巌さんのケースでもこの不備が浮き彫りになり、改正の必要が叫ばれている。今、改正を巡り二つの議論の流れがあるが、楽観することは出来ない。   

 ① 再審法改正を求める超党派の国会議員連盟(2024年3月発足)は、25年2月の総会で柴山昌彦会長(自民)が国会での改正成立を目標に掲げた。同6月時点では衆参両院の半数を超える388人が加わっており、足並みをそろえて証拠の開示や検察の抗告禁止等を盛り込んだ改正案を国会に提出するはずだった。ところが直前に自民が党内手続き未了を理由に参加せず、6月18日野党6党による共同提案となり、審議は見送られてしまった。議連の会長は自民であり、改正成立への機運は高まっていたにもかかわらず、一体なぜ?私は、法務省から自民へ横槍が入ったのではと想像する。法務省にとって受け入れがたい内容だからだろう。

 ② もう一方の法制審議会(法務省大臣の諮問機関)では、議員連盟の動きを牽制するかのように、議論が急ピッチで進められている。構成は、検察、研究者、弁護士、裁判所の代表などで、いずれも法務省寄りの考えが多くを占める。えん罪被害者や一般識者は含まれておらず、「絶望的なメンバーですね」と木谷明法政大学法科大学院教授が語っている。案の定昨年4月から始められた議論は、証拠開示、検察の抗告禁止に否定的で、むしろ現在の制度を悪化しかねない内容となっている。巌さんを始め多くのえん罪被害のケースで、早期の証拠開示がなされ、検察の抗告が無かったなら、早く無罪判決が出たことは明白で、これらの事実に向き合わず、多くの誤判の原因究明と対策にも取り組もうとはしない。これで改正などあり得ない。

 こうした法制審の議論に対し、昨年末多くの懸念の声が上がった。12月2日刑事法学者135人は、えん罪被害者にとって「パンの代わりに石を与えるもの」と警告。翌3日には元裁判官63人が「現在の議論に強い危機感」と述べた。この中には長官や所長経験者も含まれている、異例の声明だ。     

 繰り返すが証拠開示が制限されれば、えん罪被害者を救うことは出来ない。巌さんの58年を見ても明らかだ。また検察の抗告についても、大崎事件の原口あや子さん(98才)は三度の再審開始決定に、検察が三度抗告し今も再審の機会を奪われたままだ。再審開始の議論は、えん罪という国家による強大な人権侵害の被害者を早期に救済するとの原点を忘れてはならない。井戸謙一弁護士(元大阪高裁判事)は、えん罪の一義的な責任は検察にあると指摘して「法務省と検察が法改正を主導すること自体誤りだ」と憤る。

法務省は法制審の答申を得て、2月の通常国会に改正案を提出すると見られるが、法務省・検察にのみ都合のよい問題だらけの改悪案を出させてはならない。一刻も早くえん罪被害救済のための議連案を、議員立法で成立させるべきだ。(澄)


  東アジアで緊張増幅させる高市内閣  台湾進軍発言のつぎは独自核武装論

 「日本核武装論」が官邸の高市首相側近からぶち上げられました。

 「オフレコ」にしたとはいえ、官邸番記者が勢ぞろいした場所での事実上の「公言」なのです。曰く「日本は核兵器を保有すべきだと思っている」と。この話がなされた時点でも、一斉に報じられるかどうか不明ながら、話が漏れ出るのは時間の問題だったのです。「オフレコ」とくぎを刺したから漏れないと信じていたなら、とんだ蒙昧な人物でなおさら危険と言うべきでしよう。
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 おそらくは、「アドバルーン」を上げて国民の反応次第では一気に中国や北朝鮮の「脅威」の前で「核武装やむなし」と言う世論を盛り上げようというのが狙いだったと推測します。もし反応が悪ければ「オフレコの単なる私的意見」「政府は非核三原則を堅持する」と言い切ればよいと踏んだのでしょう。そうすると、首相を含めた官邸の組織的世論操作であると真剣に疑う必要があります 。
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 去年十一月の「存立危機事態」論に関する高市首相による台湾適用発言が、中国の激しい反発に遭遇し、日本孤立化政策が国際的に展開されています。今回の「日本核武装論」は、中国・北朝鮮ばかりではなくロシアや韓国からも強い反発が生じています。ハンギョレ新聞は亡きキッシンジャーの「予言」を紹介しています。

 「日本は自国がどこを目指すのかについて、かなり明確な見解を持っています。日本は5年以内(つまり2027年までに)に核保有国になろうとしています」と。

 日本の核武装がとりわけ危険なのは、核武装ドミノを通じて、ロシアを含む東アジアにおいてさらなる軍事緊張を招きかねないものだからです。
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 現在の国際的な戦争への誘惑とも戦争への不可避のループとも見える新情勢は、米国トランプ政権の独りよがりな世界戦略が地域的な軍事的アンバランスや米国中心のグローバル化の行き詰まりとが相呼応し、かつ各国の内的矛盾の軋轢が強まっている歴史的条件により生み出されているのです。つまり、米国と言う巨大な戦後世界の軍事・政治・経済的存在のロス(喪失)が生みだす「空白」をめぐる角逐と、これまでのグローバル経済による先進諸国も含めた社会的底辺の不満や社会の不安定化が競合することで生み出される危機なのです。

 それゆえに破滅的展開に至らないように警戒しなければなりません。戦争は決して「不可避」ではありません。日本も含めて、ナショナリズムと排外主義、そして軍拡が進められています。「近隣国の脅威」は当たり前のように喧伝されます。

 私たちはそのような戦争の根源である貧富の格差、階級の存在、そしてその対立を外に向けて「敵を」作り出す策動を暴露して闘いましよう。軍産複合体や原子力村は、自己利益のための軍拡や核開発を自ら断念することはありませんが、彼らにも確たる展望もなく弱みもたくさん抱えているのです。
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 日本は唯一の戦争被爆国であり、核兵器に対する強い反発があり粘り強い運動がありますが、それは大切な反核平和の伝統です。さらに国際的枠組みからして「敗戦国」日本政府もおいそれとは核兵器所有ができません。前政権である石破茂前首相は12月20日、ある放送に出演し、「我が国が核を持てばNPT(核拡散防止条約)やIAEA(国際原子力機関)からも出て行かないといけなくなる」とし、「こうなれば、日本のエネルギーを支えている原子力政策そのものが成り立たなくなる」と指摘したそうです。
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 NPT条約は米露中英仏などの「核独占国」による排他的支配と言えます。日本が、独自の核武装をするのであれば、あのいい加減なトランプ政権でも反対するだろうし、トランプ後の米政権は間違いなく日本核武装に強硬に反対するでしよう。日本が核兵器を持つことはNPT違反であり、 条約にとどまることは不可能です。 脱退となれば事実上の国際的追放と言う結末が待っています。NPT条約の極度の不公平の問題はあるにしても、国際的孤立への道を拒否するべきです。
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 日本が核武装(計画)を立てたことが察知されれば、IAEA査察の前提である「平和利用」が崩壊します。他国から見れば「日本の原発・再処理は核兵器開発と一体ではないか」となり、結果として核燃料の供給停止と技術協力の停止、国際原子力市場からの排除が待っています。結果として 原発を動かす燃料・部品・技術が入らなくなるのです。原子力平和利用とは、世界的分業の上で、日本も利用してきたのです。あくまで「核の平和利用」と言う前提の上です。さらに日米原子力協定があり、日本は多くの原子力の特権を放棄しなければなりません。自民党政府や電力大企業がそのような道に短期間で進み出ることは自らの基盤の放棄につながるので困難です。

 それどころか、もんじゅの挫折と福島事故によりでプルトニュウム所有が積みあがっていて、それだけでも日本の潜在的核武装は不安視されてきたのです。「日本核武装」など何をかいわんや、です。(阿部文明)   案内へ戻る


  台湾旅行中に考えた、台湾独立の長いプロセス

 日台友好イベントがあり、台湾に旅行しました。

 この旅行は緊急のものではなく、市民団体や台湾ゆかりの方々により半年前から準備されたものでした。

 ところが、旅行が迫ってきたときに高市首相が「安保法」(2015年)の新解釈というか、むしろ政府がごまかしてきたこの安保法の危険さを「うっかり」露呈してしまいました。

 この内容については、当新聞「ワーカーズ」記事をはじめ多くの見識ある人たちが高市国会答弁を分析し批判してきました。多くをここでは語りませんが、高市答弁の趣旨は「中国の台湾統一の出方次第で、自衛隊を台湾に進軍させる」という事でした。まさに、安倍・麻生の「台湾有事は日本の有事(だから参戦する)」との主張を首相が初めて明確に語ったのでした。

■私にとって一番関心のあることは「中国の反応」「中国の怒り」という事であるよりも(中国政府の怒りは予想が容易である)、高市発言に対する台湾人の気持ちや考えでした。

 というのも、すでに台湾はアジアの先進国と言ってよい存在感を示し、すでに独立独歩の「国」としての形態をとっており、国連の扱い(台湾は中国の一部だ、独立国とは認められていない)がどのようなものであっても現実は揺るがせできないものです。しかし、そればかりではありません、台湾人の苦難の闘いを見過ごしてはならないと思うのです。

 台湾は、近世・近代においてオランダの支配、清の支配、日本の植民地時代、そして戦後の蒋介石による台湾占領やそれと結びついた「開発独裁」(政治独裁と国家主導の資本主義)の一時代があり、民衆の苦難の抵抗の歴史でもありました。台湾は民衆化、民主化の苦闘が長く続く中で独自の社会を作りつつあるのです。それなのに国際社会は、「台湾は中国の一部」といった虚構をいつまで言い続けるのでしょうか?
 
■大陸も台湾も漢民族が九割を超えています。ゆえに民族自決➡独立論などは成り立ちません。しかし、現実として台湾人の通訳の話では、八割近い人が「自分は中国人ではない、台湾人である」と考える趨勢にあり、ますますその割合は高まっているとのこと。そして、現実的選択としては「現状維持」であることのようで「独立」とは言いません。

 この台湾時の多数派である「現状維持」は一つの知恵なのです。中国を直接に刺激してはならないが、また将来的に平和裏に中国から名実ともに分離し独立する、と言う意味です。現状を大切にしつつ未来を期しているという事で、今、不必要に中国を刺激するのは得策ではないと。また日本人が意外に知らないのは台湾と大陸中国との経済的・人的結合の幅広さです。

 これが通訳の一個人の見解ではなく、調査などに基づき広く一般に台湾人の想いと考えてよいと思います。つまり現状維持とは「実質的独立」の現状のままでよいという事、あえて「独立」を叫ぶことで、中国政府とぶつかり介入の口実を作らせたくないという事です。他方ではこの曖昧さが日本のような野心的近隣国家が台頭した時に「中国の一部」と言う建前は利用価値があるのです。去年の十一月の答弁で台湾への領土的野心をチラ見せた高市首相ですが、すぐさまその見解を引っ込めてしまいました。「台湾は中国の一部」という中国の主張や国際的認識に高市首相は抵抗できずズルズルと押し返されてしまったのでした。

 「現状維持・未来再決定➡独立へ」戦略を代表するのが民進党のはずですが、前任の蔡英文総統の安定感に比べて現職の頼総統はより軍事対決色が強く「独立色」が濃く危なっかしい印象があります。
 
■高市発言の危険性や無益さはこれらを踏まえればお分かりと思います。台湾人のことなどこれっぼっちも考えていません。「台湾問題は国内問題」という中国政府の政策を否定し、台湾独立支援を(外国、例えば日本が軍事)行動で明確にすれば、台湾国民は苦境に追い込まれるでしょう。高市首相は答弁において台湾を「(独立)国家」と位置付けて、大陸の北京政府が支配権を確立するために軍事作戦を実行すれば,「日本の危機を避けるために」自衛隊が迎え撃つ、と国会で明確に述べました、台湾の「意志」も無視して!この姿勢がどれほどに危険であり、集団的自衛権も満たさない暴挙であることか。日本の一般市民にとっても台湾人にとっても危険で無益であるかは明らかでしょう。だから台湾人は「現状維持」すなわち台湾は実質的に独立しているが「中国の一部」であるという建前もまた利用価値があるのです。

 台湾の労組など34団体の声明では、高市日本首相が「台湾有事を口実に戦略的アップグレードを推進するのは、台湾のためではなく、日本の右翼による軍備拡張を正当化するためである。」と厳しく指摘しています。

 台湾人の未来を守りたいのであれば、高市首相のような軽挙妄動を避けて進むべきです。台湾人も日本人も時間は必要ですし、忍耐も必要でしょう。

 非難ごうごうとなった高市答弁は事実上押し返されてしまいました。なのに一切撤回しない理由は、むしろ日本の野心の半分は国内問題と関係していると考えられます。「台湾有事」が迫っていると煽り日本は危機に瀕していると訴え、それを迎え撃つために軍事力を急いで拡大する政策を正当化することです。つまり、軍事予算の著増や兵器産業のテコ入れ、殺傷武器の輸出制限撤廃、スパイ防止法成立、そして国民を「中国脅威」の妄言で政権に従わせることを目論んでいます。

 日本こそ高市首相の下で極右と軍需産業の連携が開始され最も危うい局面にあります。高市軍拡との闘いの正念場です。(阿部文明)案内へ戻る


  与那国島のミサイル導入 高市答弁の背後の軍事化と戦争準備

去年十一月七日、十一日の高市国会答弁が国際的な批判と、とりわけ中国からの強い反発を受けましたが、それは答弁だけの問題ではありません。台湾に近い(110㎞)与那国島の自衛隊駐留基地へのミサイル配備計画が進められているからです。当然、防衛省は「防衛的なミサイル」としていますが、敵基地攻撃能力のあるミサイル配置換えすることは容易となるでしょう。中国がはげしく非難し、もちろん軍事災害つまり戦火に巻き込まれることを恐れ島の住民もまた激しく抵抗しています。

 高市答弁を再度考えてください。そして「答弁は失言」「答弁の撤回」を主張する立場が、いかに間違っているのか考えてください。現実を見れば、安倍内閣ばかりではなく、菅、岸田内閣、石破内閣の下でも「遅滞なく」自衛隊の南西シフト(中国を念頭においた軍事シフト)を拡大してきました。

 具体的には、九州南端から台湾付近に伸びる南西諸島(琉球列島)において、これまで自衛隊の拠点がほとんどなかった地域(空白地帯)に新しい駐屯地や部隊を配置し、島民の反対をよそに島々の要塞化がすすめられ、背後となった九州の佐世保や岩国基地も、戦争準備のために強化されています。

 岩国基地は、米軍との共同訓練や、抑止力の要となる長射程ミサイルなどの最新装備を展開する日米共同の拠点として、この戦略に深く組み込まれています。佐世保は、水陸機動団の本拠地として、部隊と主要装備を擁し、作戦の発起点となる役割です。種子島・馬毛島は、佐世保を本拠地とする水陸機動団が、実際に上陸作戦や機動展開の訓練を行う実動 の場として機能しています。

 南西シフトとは、これら全体を言うものであり、まさに、中国を念頭にした「戦争準備」計画と言う他はありません。高市は台湾紛争が生じれば台湾に進軍する決意なのです。そしてそれが、安保法に忠実であり、なにより国民(極右と産業界の支援、及び反中意識の遅れた大衆)の支持があると確信しているのです。台湾への進軍がこれらの基地と関わっていることは「相手国」つまり中国や北朝鮮、ロシアにとっては見やすい危機です。

 改めて高市国会答弁を考えてみれば、もちろん「失言」の類ではなく戦争準備に対する一定の自信であり、その上で米国との「強固な同盟」と対中国戦争介入への強い支持があれば百点満点と言ったところでした。ところが、肝心のトランプ米国には梯子を外された模様です。(六)


  AIバブルの真相(1) 踊るデジタルプラットフォーム せまる崖っぷち

 米国における「テック・金融・ホワイトカラー部門に限定した雇用調整」つまり大量解雇が続いています。しかし、テックや金融業がこれまで特に不景気ではありませんでした。株式市場ではテックの代表格、マグニフィセント・セブン(Apple、Microsoft、Amazon、Alphabet、Meta、Tesla、Nvidia)の株価は三年間で300%上昇し、米国の代表的な株式企業五百社で構成されるS&P500全体のうち、この七社でその30%を占めています。

 この非対称性について今回は考えたいと思います。

■AI事業は基本赤字⇒大量解雇へ

「テック業界はAI導入と経済的逆風により2025年には11万5千人以上の人員削減と言う劇的な変化を迎えています。」それにもかかわらず「AI主導の構造的再編という新たなフェーズに突入した」(タイムズ・オブ・インディア)などの報道があります。これらのデジタルプラットフォームを含むテック企業群にとって、AI開発とその事業化はますます戦略の中心となっています。
私見では米国の大量解雇の理由は少なくとも三点あります。➊AI(まだヒヨコのようなものだが)が管理組織に普及し、中間管理者の不要化が顕在し始めた事。しかし、これは序の口です。❷AI事業を中核に据えたビックテック企業だが、現実にはAI事業が巨額の投資のために収益を圧迫している。その打開策としての大量人員削減による収益率の改善を図っています。❸三つめは➊❷を踏まえ、「独占利潤(レント)防衛」のためにますますAI事業にのめり込まざるを得ない企業の体制転換です。

 AIは既存の「検索事業(広告収入)」「クラウド事業(利用料)」を効率化するためにも導入が図られています。あるいはパソコン・ソフトなど端末にAIを一体化したもの(フェイスブック、グーグル、マイクロソフトなど)は従来の中心事業の「防衛」として導入を急いでいます。一方、単体の大規模言語モデルAI事業(クラウド型)は現時点ではどこも赤字であり収益を圧迫しています。典型はチャットGPT=オープンAIです。GAFAM各社でもAIサービスの部門は赤字だと推測されます。つまりテック企業はこれを「避けられない戦略的コスト」と位置付け、人員削減と共に収益の良い部門の利益を戦略部門に回して競争上の優位性の確立を目指しています。この闘いの新局面は、新たな「独占的デジタル領土獲得」の為であり(後でまた触れます)、目先の赤字ないしは収益率低下はやむなしと言うことのようです。

 デジタルプラットフォームと称される巨人でさえAI競争では大博打を打ってゆくほかは無いのです。もちろん未来のAI帝国覇権を握るためとは言え彼らの投資資金繰りも容易ではありません。

■ベンダー(販売者)融資が極限まで膨張

 そこで注目されるのが、エヌビデアの果たす役割です。ビックテックあるいはマグニフィセント・セブンと称される企業群の一角を占めるエヌビディアはAI開発やデータセンター建設に不可欠な演算素子GPUの巨人です(自らはAI開発もデータセンター建設もしませんが)。

 エヌビデアは、CUDA(クダ)というソフトウエアーの下で画像処理用のGPUを動かすことを実現しAI開発に不可欠の存在となりました。エヌビデアのCUDAとGPUはまさに独占的状態が続いてきました。デジタルプラットフォーム(GAFAM)はエヌビデアからチップを購入するしかありません。しかもエヌビデアはいわゆる  「金融化企業」であり、自社製品購入者には巨額融資あるいは信用販売も行います。これをベンダー融資と言います。

 ベンダー融資は販売者が購買者(会社や個人)に融資して販売促進することです。例えばトヨタなどは、従来型の金融化資本主義の代表格であり、トヨタ銀行とも呼ばれる金融部門を形成しています。つまり、現代の巨大企業は、余剰金を金融化し、販売促進に投入するのが普通なのです。トヨタは個人や会社(最終消費者)を相手に金融サービス(カー・ローン)で、車販売と金利で二重に稼いできたのです。エヌビデアの場合は技術的な「販売者による囲い込み」ということもあり「ベンダー・ロック・イン」と呼ばれています。

 AI開発にはエヌビデアのGPUを買わざるを得なくなる事情が企業金融にも及びます。エヌビデアのGPUをX・Y・・社に信用&融資販売?顧客会社X・Y・・はAI事業拡大で株価上昇➡X・Y・・社は有利な転換社債を発行できる➡さらなる投資でエヌビデアのGPUが買われエヌビデアの株価はうなぎのぼり・・・、という自己強化ループを構築します。これがAIバブルの正体なのです。エヌビデアの企業価値は日本のGDPを超えました。しかし、巨額投資の為に収益が「赤字」であり隘路となり黒字を保証できないでいることを想起してください。大惨事の予感を漂わせる典型的な過剰投資となっています。(阿部文明、次号AIバブルの真相(2)続く)
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   「新しい年への抱負と振り返り」-「もの言う自由」を実践する1年にしたい-

 ワーカーズ紙面がカラーになり、皆さんの感想はどうでしょうか?

 昨年は、世界が戦争を止められない、悲壮な現実を突きつけられた年でした。私、個人としては、身辺に色んな出来事があり、自身の年齢も自覚せざるを得ませんでした。

 4月に母親が自宅で意識が無くなり、救急搬送されました。幸い、病院で治療を受け1ヵ月ぐらいで退院。その後は、要介護5の認定で車椅子を利用し、自宅で療養することになりました。そして、これまでと同様ディサービスを利用し、それに加え訪問ヘルパー、訪問看護、主治医の訪問と、手厚い介護で日々を過ごしています。認知症があり介護する側が、精神的に疲れますが見守るしかありません。私の生活の中に母の介護が一部となって、7ヵ月が過ぎました。

 もうひとつ、昨年は大切な友人を失いました。毎週金曜日、関電本店前で反原発の抗議行動を共にした女性です。米国製の電動車椅子を巧みな運転で操作し、いつも自慢の車椅子で駆けつけていました。それは、2年前のある日、盲腸炎と思い病院へ行くと、精密検査の結果、癌を患っていたのです。彼女は、抗ガン治療を拒み、死を待つのではなく自分のやりたいことを選択し、これまでの活動を続けながらドイツへの旅、福島へ知人を訪ねるなど普通の生活を全うしました。葬儀はお別れの会と銘打って、「正代祭」という楽しく賑やかにが彼女の思いで、生前、家族で計画されたようです。自分の生き方は自分で決めるという強い意志を貫く姿勢は、多くの彼女を取り巻く仲間の心を動かしたことでしょう。関電前は、寂しくなったけど、いつも空から応援してくれていると思っています。

 それから、昨年11月末に、「『もの言う』自由を手放さないため」というテーマで講演会を持ちました。講師に招いた近藤ゆり子さんは、「大垣警察市民監視事件」で裁判の原告になられた方です。名古屋高裁での画期的勝訴判決には、市民運動を監視するのではなく、むしろ推奨すべきという市民に勇気を与えるものでした。近藤ゆり子さんは、意見陳述で安保闘争に関わったこと、学生生活に疑問を持ち退学して、敢えて労働条件の悪い見習い看護師に就いた経験談にも触れていました。女性であることで不利益を受けた生い立ちなども共感する部分があり、歴史的な女性蔑視にも目を向け、労働問題につなげていく視点を感じました。

 さあ今年は、どんな年になるのでしょう。私たちは、政治・社会に対し「もの言う」自由を実践し、市民運動を続けて行くことを目指したいと思います。(折口恵子)


   読書室 黒猫ドラネコ他著『陰謀論と排外主義 分断社会を読み解く7つの視点』扶桑社新書二0二五年十一月刊

○カマラ・ハリスとトランプの米大統領選前後に日本国内でも始まった反ワクチン系陰謀論の運動は、これまでのレイシズムや極端な日の丸主義と融合し、外国人差別を訴える排外主義を内包する政治運動として定着しつつ、また最近ではそれまでデモに縁がなかったような層までが突然「財務省反対デモ」などに参加する状況となって拡大している。 

 一体なぜこんなことになったのか? この現象はどのような結果を招くのか? 本書はこのような陰謀論デモや排外主義の現場で取材を続けていた七名の執筆陣の鋭い視点からの考察をまとめたものである。本書は時代を切る優れた企画の時宜を得た産物である○

本書のテーマ設定

 本書の前書きを執筆したのは「やや日刊カルト新聞」を創刊し、総裁である藤倉善郎氏。

 その問題意識は「そもそも陰謀論とは、歴史的な出来事や社会的な事件、政治や経済の仕組みなどを、『何者かが企てた陰謀の結果』として説明する物語だ。

 基本的に根拠のないデマを指す。そんなものが政治運動になり社会に影響を及ぼしていいわけがない」と「もう一つの懸念は、ナショナリズムだった。陰謀論にのめり込む人々の中には左派寄りの人もいたし、ぜんたいとしても、国家権力やそれを操る謀略組織(と彼らが捉えるもの)に対抗する反権力運動だ。

 しかしデモではほぼ例外なく日の丸が振られ、日本の伝統だの日本人の民族性が強調され」、その結果「日本人ファースト」の参政党が躍進したとする。

「『陰謀論と排外主義』をセットにした本書のテーマ設定は、『存在しないもの』と戦おうとすることで社会を破壊する政治運動について、警鐘を鳴らす目的」のためである。

各著者の視点

 こうした問題意識の下、第一章では参政党を初期の頃から観察し続けて来た執筆者が、「ユダヤ系国際金融資本陰謀論」で「目覚めた人」を量産し、「トンデモデモ」を通じて「日本人ファースト」の排外主義を掲げて日本政界に地歩を固め躍進する姿を活写する。

 第二章では「陰謀論」を信じる人々の実態が「推し活」のような熱狂的なコミュニティを形成し、集団的心理的所有感に依存する運動で自己目的化する危険が指摘されている。

 第三章では陰謀論と排外主義は古今東西「同根」であり、「近代に取り残された人々」の非科学的思考(中世的価値観)に根差したものであることを暴露する。科学技術の発展に比例して人々の科学的思考を育むことはないとの現実が私たちに突き付けられている。

 第四章では、藤倉善郎氏が神谷宗幣が「ヤマト・ユダヤ友好協会」の三年前まで理事であり、「キリストの幕屋」=カルト集団がトランプ応援デモを契機に組織や思想を超えた「反中国共産党」の旗の下で共闘し、陰謀論を政治運動化させていく過程を報告する。

 第五章では、選挙ウォッチャーちだい氏が地方議会選挙の現場を陰謀論と排外主義がいかに蹂躙しているかを詳細に報告している。彼には『「NHKから国民を守る党」とは何だったのか?』の著書もある。こうして彼は立花孝志ら、つまり「近代民主国家の議員としての資質に欠けた人物」が公職に就く暗澹たる時代の到来を明らかにしたのである。

 第六章では、匿名の書き込みと不特定多数の共鳴による「想像の共同体」が形成されていくメカニズムは、現代のSNS環境下でデマや誤情報が増殖するかを解明するものだ。

 第七章は、『日本会議の研究』の著書を持つ菅野完氏である。彼は陰謀論・排外主義デモになぜあれほど大量に「日の丸」が打ち振られているのかを見事に解明してみせた。

 戦前右翼が米国に完全に打ち負かされたことでほとんどの右翼は「アメリカの犬」となった。彼らにはかっての「臣民」に語る言葉が亡くなってしまった。現世主義になったからである。

 当然に人々の心の渇望は「人生手帳」や「葦」のような心の問題を追求した雑誌に向く。この間隙をぬって深く浸透したのが谷口雅春の「生長の家」である。

 谷口雅春の『生命の實相』は、刻苦勉励、勤勉、清潔、そして決して不平不満を言わない姿勢と感謝の心を教義とするが、戦後には「充実した人生の秘訣」と受け入れられた。

 谷口雅春の戦前の天皇主義の教義は戦後には自己啓発へと姿を変え浸透したのである。

 こうして日本最大の右翼組織の事務方は今でも「成長の家」出身者が牛耳っている。

 なぜなら「心の持ちよう」→「外部の敵の出現」→「敵の除去」→ 「心の持ちよう」の谷口の永久フォーマットはあらゆる問題を呑み込む。

 陰謀論然り。排外主義も然りである。そして信者たちが「日の丸」を振るのは、自分の「心の持ちよう」の正しさを証明するよすがだからである。

 それは国旗ではなく、集団の旗でもなく、まさに自分の「心の持ちよう」の正しさを見事に象徴する、これ以上打ってつけのものはないからである。

 本書が明らかにしたのは、陰謀論と排外主義が一過性の現象ではなく、現代の日本社会を揺り動かす政治的エネルギーとして現存し、動員力を誇示しているとの現実である。

 これにいかに抗するかを真剣に考えるためにも、皆様の一読を期待する。(直木)案内へ戻る


   イスラエルはパレスチナでの国際非政府組織の活動を排除するな!

 イスラエルが、2025年3月に導入した、国際非政府組織(INGO)に対する登録制度について、国連や国際援助機関が、イスラエル占領下のパレスチナ・ヨルダン川西岸地区とガザ地区で、人道支援の崩壊を招く恐れがあると懸念を表明しています。

 新たな制度では、2025年12月31日までに登録されないINGOは、イスラエル国内での活動を60日以内に停止されることになります。援助機関は、これがガザでの医療や命を守るサービスを深刻に混乱させる可能性があるとしています。
 国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」は、申請が承認されなかったと明らかにしたうえで、「この決定を再考させるために利用可能なすべての手段を追求している」と言っています。

 これに対し、イスラエルのディアスポラ問題・反ユダヤ主義対策省は、「ならず者組織」の撤退は援助提供に影響を与えないと言っています。イスラエルよ、国際法に違反しているし、人道的な観点からも間違っているぞ。

 反ユダヤ主義対策省によると、約100件の申請のうち、これまでに14件が却下され、一方、21件が承認され、残りは審査中と。

 登録制度には、却下の理由として以下記されています。

◯ユダヤ人国家かつ民主主義国家としてのイスラエルの存在を否定すること
 ホロコーストや、2023年10月7日のハマス主導によるイスラエルへの攻撃を否定すること
◯敵対国やテロ組織によるイスラエルへの武装闘争を支持すること
◯イスラエルに対する「正当性否認キャンペーン」を推進すること
◯イスラエルのボイコットを呼びかける、またはそれに参加することを約束すること
◯イスラエル治安部隊に対する外国または国際法廷での訴追を支持すること

 国連機関と200以上の国内外の組織を束ねる「パレスチナ占領地人道カントリー・チーム」は12月17日の声明で、この制度がガザとヨルダン川西岸におけるINGOの活動を「根本的に危険にさらしている」と警告しています。

 「この制度は、あいまいで恣意(しい)的かつ高度に政治化された基準に依拠し、人道組織が国際法上の義務に違反することなく、または基本的人道原則を損なうことなく満たすことができない要件を課している」
また、「一部のINGOは新制度の下で登録されているが、これらのINGOはガザでの活動のごく一部に過ぎず、即時かつ基本的なニーズを満たすために必要な数には到底及ばない」としている。

同団体によると、INGOは現在、ガザの野戦病院や初期医療センターの大半、緊急シェルターでの対応、水と衛生サービス、急性栄養不良の子どもを対象とした栄養安定センター、そして重要な地雷対策活動を運営・支援しています。

 これらのINGOが活動を停止せざるを得なくなった場合、ガザの医療施設の3分の1が閉鎖されると、同団体は指摘しています。「この政策を推し進めれば、OPT(占領下パレスチナ地域)の将来に広範な影響を及ぼすだけでなく、脆弱(ぜいじゃく)な停戦を脅かし、特に冬季に、パレスチナ人の命を差し迫った危険にさらすことになる」。「INGOの登録が解除され、その活動が崩壊した場合、国連はそれを補えない。また人道対応は、確立された人道原則の外で活動する代替主体によって置き換えることはできない」。

 そのうえで同団体は、イスラエルには国際人道法にのっとり、ガザの住民に十分な供給を確保する義務があると言っています。

 「セーブ・ザ・チルドレン」は12月22日、数週間前に登録申請が承認されなかったと通知を受けたことを認めました。同団体はガザで、清潔な水や現金支援、医療クリニック、母子エリアを提供してきました。同団体の広報担当者は、「この決定を再考させるため、イスラエルの裁判所への申し立てを含め、利用可能なすべての手段を追求している」。「この決定の再考を求める一方で、300人以上の献身的なパレスチナ人スタッフと信頼できるパートナーと共に、占領下パレスチナ地域の子どもと家族に重要で命を守る支援を提供し続けることに尽力している」と述べています。

 国境なき医師団(MSF)も、依然として登録取得を待っていると明らかにしました。MSFはガザで公立病院6カ所を支援しているほか、2か所の野戦病院を運営し、過去1年間で数十万人の患者を治療してきました。

 MSFは声明で、「ガザの医療体制がすでに崩壊している中、独立した経験豊富な人道組織が対応のためのアクセスを失うことは、パレスチナ人にとって災害になる」。「MSFはイスラエル当局に対し、INGOがガザで確実に、公平かつ独立した対応を維持・継続できるようにするよう求める。すでに制限されている人道対応を、これ以上解体することはできない」と述べています。

 イスラエルのディアスポラ問題・反ユダヤ主義対策省の報道官は、登録期限を9月9日から12月31日まで「必要を大きく超えた特別措置として延長した」。

「行動するには十分すぎる時間があった。今になっても対応を怠った組織は、明らかに誠意を欠いていることを示している」。「人道支援は途切れることなく続く。人道を装ってイスラエル国家を弱体化させることを真の目的とするならず者組織の撤退は、援助の継続的な提供に影響を与えない」と述べています。

 現在パレスチナの状況は、停戦が合意されているとはいえ、イスラエルによるパレスチナ人への殺害は続いています。また、食料状況はいくぶんの改善はみられますが、依然として深刻です。そして、以前からイスラエルはパレスチナ人を殺したり、住居を追い出したりしていました。

 こんな状態で、国際非政府組織の登録制度ー当然にもイスラエルの蛮行を非難する組織を排除ーすることは、到底許せません。

 イスラエルよ、今すぐパレスチナから出て行け!そして、今までの蛮行を謝罪し、損害を賠償、これからのパレスチナの復興の費用を負担せよ!(河野)  案内へ戻る


  「沖縄レポート」・・・辺野古新基地建設阻止闘争

 辺野古の友人から辺野古の新基地建設阻止闘争の現状の報告を受けたので、その闘いの内容を報告したい。

 辺野古の新基地建設工事は全く計画通りに進んでいない。2022年に国は大浦湾軟弱地盤の改良工事のため沖縄県に設計変更申請を行ったが沖縄県は不承認にした。

 それに対して国は沖縄の民意を踏みにじり、玉城デニー知事の権限を奪い埋め立て工事設計変更の「代執行」を宣言。そして2024年1月10日に埋め立工事を強行した。

 現在、大浦湾には軟弱地盤の改良工事のためのトレミー船やサンドコンパクション船などの工事用船舶や作業ヤード護岸等の大型船舶が工事をしている。大浦湾の海は一変した。しかし、この1年間軟弱地盤整備工事は遅れている。

 国は辺野古工事の完成には12年かかると発表している。しかし、軟弱地盤の改良工事には直径2メートル、長さ70~90メートルの砂杭7万1000本を打つ予定。

 新聞報道では1ケ月に300本の砂杭を打っているので、1年間で3600本、10年間で36000本となるが、それでも27800本足らない。従って、完成までの工期14年10ヶ月かかることになる。

 この政府試算は気候の変動による工事停止は考慮されておらず完成の最短工期を表している。沖縄は台風銀座と言われる場所なのでさらに工期は延びると言われている。土木専門家などは世界的にも例のない「90メートルの杭打ちは難工事で完成は不可能だ」と訴えている。

 国は「普天間基地の危険性除去には辺野古が唯一の解決策」と繰り返しているが、基地完成までの工費は県試算では2兆5500億円かかると言われている。国は日米安保強化のために国民の血税を大手ゼネコン、日米の軍事産業に詰み込み国民生活を更に圧迫しようとしている。

 今夏は大浦湾での軟弱地番改良工事が3ヶ月も中断していた。当初台風避難を理由に6隻の「サンドコンパクション船」が撤退し工事は中止されていたが、その後天候が良くなり地盤改良工事は再開された。

 今後も、気象条件や海面下70メートルまで打ち込む難工事を考えると、砂くいの打設だけで12年以上かかると専門家は指摘している。玉城デニー知事が指摘しているように辺野古・大浦湾での埋め立ては不可能である。

 そもそも沖縄県民が望んで造ったわけでもない普天間飛行場を県内たらい回しすることは沖縄県民を差別扱いすることであり、本来の解決にはならない。建設費用がいくらかかるのか?分からない。いつ完成するのか?も分からない。

 こんな無責任な辺野古基地建設を許して良いのか!(富田) 案内へ戻る


   ボノボにおける社会統治としての 稀な「処刑」を観察 

 「平和的な」と言う枕詞(まくらことば)が伴う、やさしい動物であるボノボノ社会に起きた事件(傷害致死事件)について、分かり易い報告があったのでご紹介します。

 まず進化的な位置を確認します。チンパンジーの祖先と人間の共通祖先は、6~700万年前に分離しました。その後人類(ホミニン)は、アウストラロピテクス属、ホモ属などを経て我々ホモサピエンスを生み出しました。他方、ボノボはチンパンジーの系譜から推定200万年前に種として別れました。分岐の直接の要因がコンゴ川の形成(あるいは大規模な流路の変化)です(生物学的バリア形成で同じ種が南北に分断)。コンゴ川南部の「チンパンジーの系譜」が、ボノボとして進化したという事です。

■ボノボ社会は、チンパンジーの社会とは内容的に大きく異なります。ボノボ社会は、一般的には「母系優位」や「女性優位」と呼ばれます。それがうまく作用して、平和的な社会を形成しています。

 ボノボのメスは出産後、長期間、母親が成熟オスの息子を支援し続けるため、息子は成長後も「母によるサポート」で高い地位を得やすい。その結果、母子同盟?女性連帯?男性の暴力抑制という構造が生まれるのだそうです。

チンパンジーではアルファオスないしはオス同士の同盟が権力の中心だが、ボノボでメス同士が連帯してオスの攻撃性を抑制はすると。

■ボノボの最大の特徴は、性行動を闘争の代替手段として使うことです。対立が起きると、性行動(グルーミング+性)で緊張を分散する。これはオス同士、メス同士(特にGG-rubbingと呼ばれるメス間の性行動)、オスとメスの間でも起きます。食物をめぐる争いの場面でも、チンパンジーでは殴り合いが起きやすいが、ボノボでは性的・身体的接触で協調化する傾向がみられます。かくして「性による平和化」という有名な特徴で知られています。

 かくして暴力的支配が成立しにくい社会構造(平和的社会)ができると説明されています。

■ところが、今回の報告・報道ではあるオスをメスが集団的に執拗にリンチし死に至らしめたという、極めてまれな報告(過去二回目)です。

 その背後には、実はこのオスが子供を攻撃した事件があったのです。過去も含めて二度ともオスがメスに集団的に攻撃されたのはオスによる子供への攻撃として解釈されざるを得ない、と言うのが報告書にある結論です。つまり、これは単なる偶発的殺害ではなく、「社会的制裁」として雌集団の一致団結した制裁であったという事になります。解釈によっては「死刑の執行」と見ることもできるかもしれません。

 チンパンジーでは、子殺しも観察され、またオスによる雌への攻撃も頻繁にあります。オス同士の闘いも珍しくありません。また、近隣集団同士の殺し合いも発生します。

 ボノボノ社会の独特の仕組みによる顕著な「平和」的特質の一方にある、内在化された「制裁としての暴力」は、同じくチンパンジーから分離し進化した人類と比較検討するのも興味深いですね。それではまたいずれ。(文)


 〝企業ファースト〟の国民民主

◆昨年末、あの〝年収の壁〟が決着した。

 国民民主が一昨年の総選挙で掲げた〝年収の壁〟引き上げが、自・国の合意で実現することになった。目先の〝手取りを増やす〟160万円から178円への課税最低限ラインの引き上げだ。民間の試算によれば、減税額は年収2百万円で1万円、3百万円で8千円、6百万円で3万7千円だという。これで必要になる財源6500億円は、決まっていないという。

◆この件もあってか、ここにきて国民民主の支持率が上がっているという。とりあえずの個別成果であり、評価はできる。が、税制全体や、所得の一次配分というより根源的な観点からみれば、別の様相も見えてくる。

本来、最優先で実現すべきは、所得の一次配分としての賃上げの実現だ。加えて、低賃金是正の最大の課題としての就職氷河期世代を含めた非正規労働という働かせ方の抜本的な是正、にあるはずだ。

◆厚労省の統計では、昨年10月まで10ヶ月連続で実質賃金が低下したという。労働者の取り分を示す労働分配率は大企業ほど低下しており、逆に過去最高を更新し続ける企業利益は、自社株買いや配当増で株主に還元し、経営者報酬も引き上げられ、さらには、巨額の内部留保として企業内にため込まれている。

◆本来勤労者の手取りは労働者自身の闘いで実現すべき課題のはずだ。仮に月1万円の賃上げを闘いとれば、ボーナスも含めて、手取りが年間17万円増える。次の年もそうすれば、また17万円増える。

 減税と直接対置すべきものではないにしても、賃上げを棚上げにしたまま、二次配分の税制で一時だけ手取りを増やすというのは優先順位が逆だ。

◆まだある。企業課税や不労所得課税強化との対比だ。

 消費税が導入され、税率が段階的に引き上げられて以降、税収の全体構造は一変した。法人税と所得税が減少し、それを消費税が肩代わりした構造変化だ。消費税は大衆課税の性格があり、特に値上がりが激しい食料品への支出が多い低所得層の負担が重くなっている。戦後80年もたった今、再び〝エンゲル係数〟が高まっているという異常事態だ。

◆他方で、租税特別措置(租特)という3兆円規模の、企業を対象とした減税も温存された。企業名は非公表だが、毎年数兆円もの巨額
利益を上げているトヨタは、研究開発減税の最大の受け取り企業になっているという。さらに課税の〝1億円問題〟や一律20%に押さえられている金融所得優遇税制も温存されたままだ。

 国民民主の〝手取りを増やす〟というスローガンは、労働者や庶民の目を、本来真っ先に是正すべきこうした課題から目をそらす役割を果たしている。

◆それだけではない。今回の一連の税制改革では、ガソリンや軽油にかかる暫定税率の廃止や車の購入時にかかる「環境性能割」で「2年間の停止」を恒久的な「廃止」にさせた。要するに、国民民主の政策とは、あのトヨタを始め、自動車業界が恩恵を受ける政策のオンパレードなのだ。

 国民民主は、御用組合の自動車総連も支持基盤に抱えている。今回の国民民主の〝成果〟は、トヨタなど自動車業界の利益に直結する減税であって、国民民主の企業翼賛の姿勢を露骨に示している。(廣)
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   コラムの窓・・・遺骨が語る過去と未来!遺骨が語る過去と未来!

 2025年8月、海底下の長生炭鉱から83年ぶりに遺骨が地上にその姿を現しました。今年2月には、さらに幾組かの遺骨が救い出されようとしています。敗戦から80年のこの日本の地で、植民地支配を、侵略戦争を告発する遺骨が姿を現したことを不都合だとする勢力は少なくありません。

 だからこそ、この偉業を市民の力だけで実現したことは救いであり、希望でもあるでしょう。

 2月の床波海岸(山口県宇部市)には犠牲者の遺族や関係者が、また思いを同じくする人々が集います。私もその人々のなかで、この歴史を感じたいと思っています。

 80年前に世界戦争は終焉したのですが、植民地支配下の人々はあらゆる抑圧にさらされ、命まで奪われました。その死さえ遺族に知らされることなく、遺骨は放置されたまま遺族に返されることなく、数多の遺骨が今もこの国のあちらにもこちらにも放置されているのです。

 戦後80年の平和な日本の、これが本当の姿です。遺骨は語らないし、名乗ることもありませんが、静かに告発するでしょう。世界の目を転じれば、植民地主義はいまも生き延びていて、欧米的民主主義や人権が破壊と殺戮に明け暮れています。

 しかし、それを止めるすべはありません。日本政府は無論、動くことはないでしょう。なにしろ、唯一の被爆国といいながら核兵器禁止条約に背を向け、3・11の経験を経ても原発推進を言い募るのだから、よほど核が好きなのでしょう。

 遺骨の歴史にはもっと根深い過去があります。文明と野蛮の違いを証明すべく、「骨相学」と称するいかがわしい学問が、いかがわしい学者を頭骨収集に走らせました。民族的優位性を証明しようという、植民地主義者の愚かな試みでした。日本においても、旧帝国大学などにそういう研究に供された頭骨があり、アイヌや沖縄の人々がその返還を求めています。

 さて、長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」と同じような営為が少なからぬ市民によって行われています。1970年代に始まった北海道朱鞠内の雨竜ダム朝鮮人犠牲者遺骨発掘は2015年、敗戦から「70年ぶりの里帰り」として結実しています。笹の墓標展示館(旧光顕寺本堂)が雪で倒壊し、庫裏は失火全焼しましたが、市民の力によって再建、2024年に「笹の墓標強制労働博物館」として復活しています。

 昨年7月の参院選によってにわかに表面化した「日本人ファースト」という排外主義こそ、浮かれ騒がれた〝昭和100年〟の遺産です。それは血塗られた歴史であり、欧米やイスラエルの入植者植民地主義そのものです。そこでは、だれもが同じ人として尊重されるなどという感情はありません。それは皇国臣民にとっての〝鬼畜米英〟であり、イスラエル兵士にとっての〝人間の姿をした動物〟に過ぎないのでしょう。殺すべき対象でしかないのです。

 これこそが2025年にこの国で全面開花した事態の意味であり、これから私たちが立ち向かわなければならない重い暗い歴史的遺産なのです。楽しい希望に満ちた新年は望むべくもないのですが、くじけずに前を向き続けたいものです。 (晴)
 
 後期高齢者になって新年を迎える!

 この年末に後期高齢者の仲間入りをし、市役所から「後期高齢者医療資格確認証」が送られてきました。よく見ると、負担割合の欄に「1割」と書かれています。これまで2割だったから、年を取るのも悪くないなと思ったのですが、考えてみればそれだけ収入(年金)が少ないということでもあったのです。

 さて、古希を向かえたころから「あと10年」という思いがありました。そして今も、同じように「あと10年」という思いを強くしています。というのは、私の身の回りに80歳を超えても元気に活動をしている先輩が少なくないのです。だから、あんなふうに活動し続けられたらいいのにと思っているのです。

 そのためには健康維持が必要なのに、昔はフルマラソンを走ったし、定年後もジョギングくらいはしていたのに、今はなまくらになってしまっています。そんな状態でも、何とか「あと10年」現役でいようと新年を迎えました。
 ところで、10年後に活動を卒業してどうするのか。もしまだ元気ならもう読書三昧です。それこそ人生のおまけ。読むべき本はいくらでもあるのに、今は余裕がないので読めないでいるのだから、そういう夢をもって今は頑張ろうと思います。

 本紙「コラムの窓」を担当していますが、このところ斎藤元彦兵庫県知事に関する原稿が多くなって、飽きられているのではないかと心配しています。けれど、斎藤的首長はどこの自治体でも出現する可能性があるのです。それほどに人々は浮足立っており、冷静な判断力を失っているのです。

 あの斎藤元彦という人物が知事選で111万票の支持を得たということが、そのことを証明しています。なので、これからも斎藤知事の悪を告発する原稿を届けます。ぜひ、お付き合いください。 (晴)

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